「老若男女問わず楽しめる作品」劇場版 トリリオンゲーム SM35さんの映画レビュー(感想・評価)
老若男女問わず楽しめる作品
これだけは言いたい——冒頭から俳優・目黒蓮が圧倒的な存在感を放っていた。銀幕のスターそのもの。彼がスクリーンに映るだけで空気が変わる。
石橋凌さんとの対峙シーンは鳥肌ものだった。石橋凌さんの凄みを知っている人なら、このシーンがどれほど特別かきっとわかるはず。緊張感、鋭い眼差し、微細な表情の変化、静かな立ち振る舞い——そのすべてが圧巻で、息を呑んだ。
キリカ様とのシーンも、ドラマからさらにグレードアップした雰囲気の良さ、駆け引きの緊張感、そして監督の巧みな演出が際立っていた。テンポの良いストーリー展開と予測不能な展開に、最後まで目が離せなかった。
佐野勇斗とのバディ感も最高だった。信頼し合いながら進む二人の姿に胸が熱くなり、絶妙な掛け合いが作品全体のテンポをさらに心地よくしていた。スケールの大きさと煌びやかさが詰まった、まさに夢のような映画だった。
そして、目黒蓮のアクション。長い手足を活かしたダイナミックな動き、戦うごとに滲み出る気迫、繊細さと力強さを併せ持つ演技——スクリーン越しでも伝わる迫力に、彼の新たな可能性を感じた。
さらに、Snow Manの楽曲が映画館に響き渡った瞬間、胸が締めつけられた。物語とリンクし、感情を揺さぶる最高の演出。音響の良い環境で聴くと、その魅力がさらに際立っていた。
何より、目黒蓮の表情。喜びも苦悩も、たった一瞬のまなざしや仕草から伝わってくる。スクリーンを通して心に深く刺さる演技に、何度も心を奪われた。ここまでの表現力を持つ彼の演技は、ぜひ映画館で体感してほしい。
舞台挨拶では、佐野勇斗の言葉が涙を誘った。目黒蓮への深い想いが綴られた手紙、それを聞く目黒の表情——その場にいた人全員の心が震えたと思う。客席が埋まる様子をじっと見つめていた目黒の姿も、彼の作品への想いの深さを物語っていた。
この映画を通して、彼の覚悟と努力がどれほどのものだったのかが伝わってくる。スクリーンの中で生きる彼の姿を、ぜひ目に焼き付けてほしい。