「良くも悪くもいつものガッチャード感漂う映画」仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク 金編井 修さんの映画レビュー(感想・評価)
良くも悪くもいつものガッチャード感漂う映画
個人の独断と偏見を含んだほぼ酷評なので注意
・60分の尺にしては登場人物が多い
まずタイトルにある通りデイブレイクの変身者の未来宝太郎
役者の好演もあってか感情移入がギリギリできる人間味のあるキャラには見えるが逆に現代宝太郎が人間味がないという意味ではミスマッチを感じた
何十年も苦しんだ割に急に立ち直る所は(尺の都合だろうが)現代宝太郎と共通してたのかな
そしてTVシリーズのメンバー
りんねはただ宝太郎と隣にいて戦いたいという戦友関係の落とし所は無難とはいえそれでも役者の可愛さ以外は薄味なキャラクター止まり
スパナ錆丸蓮華は取り敢えず現れたドレッドルーパーらと戦うだけ
風雅はいつもの偽の体で変身もせず序盤少しでるだけ
ミナト先生は…自由な錬金術でもやってたんかね
折角宝太郎とりんねと一緒に未来へやってきた加治木もノルマ頑張れ仮面ライダーするだけ
・仮面ライダーレジェンド
門矢士のカメオは内心盛り上がりはしたがそれも今流行りのノスタルジア演出でしかなくガッチャードの尺割いてまで出る必要がカグヤを短時間で再起成長させた風に見せる為だけでそのカグヤも出る必要は新仕様のレジェンドケミーカードの販促以外にないので余計に本筋割って入るにはノイズになる
なのにその本筋やレギュラーキャラよりは比較的説得力がある描写になってるのは皮肉めいている
小島よしおや避難所の少女はまぁ出てたね、以上。
改めて60分でやるにはキャラも多い上に薄味で印象に残りにくい
・アクション
ただ次の展開に繋がるための、ノルマ消化のような淡白な戦闘が多い
仮面を被った三人組幹部もパッと出てパッと処理される
ドラドに関しても謎に巨大化して分離し亜空間に逃げる始末
そんな中次の新ライダーのガヴの客演がありアクションだけならここがこの映画一番のハイライトになってしまっている。
これはガヴがよかったのかその他のアクションが不甲斐ないのか
・TVシリーズから続くケミーと錬金術の設定の粗さ
これは相変わらずでその上人物描写に尺を割こうとするとその2要素が疎かになるというジレンマも抱えている
(ザ・サンは未来りんねに意志を乗っ取られたり錬金術に関しては後出し上等なので論外等)
・終盤
ケミーと人間の想いを合わせて敵を倒す流れもこの映画内でここまで至る文脈もなければ理屈なんか関係無しで勢いで誤魔化すには唐突過ぎる、
(比較するのも野暮だがまだ去年の劇場版仮面ライダーギーツの、四人に分けられた英寿が次々捕まって残り1人がどの英寿が分からない所で無謀ながらXギーツに立ち向かう、諦めず願い続ける信念を持つ英寿と分かりそれに呼応した仲間達が彼が勝つ事を信じて託された願いから英寿がギーツワンネスに変身して信じ合える仲間達と前にの流れの方が納得できる。)
他にもテレビシリーズで描かれた暁の錬金術師の絵がデイブレイクに書き換えられてそれを映画の経験をしたであろう現代りんねが確認してたりと元の暁の錬金術師どこへ?粗や矛盾のようなものを感じる箇所はあるにはあるが省略
・まとめ
表向きは熱くて楽しそうな絵面、そこに付随する脈絡がない1月程度経てば内容も忘れるような薄いストーリーにアクション展開(実際主人公のはずの現代宝太郎について語れる事が殆ど思い浮かばないくらいには薄い)
一本の映画としてのクオリティは散々だがファストフード感覚で仮面ライダー映画っぽい何かを楽しみたいなら全然ウェルカムな作品