「原作の再現性とストーリーの省略化が秀逸!」夏目アラタの結婚 prishouさんの映画レビュー(感想・評価)
原作の再現性とストーリーの省略化が秀逸!
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原作のマンガを読んでいたので、この世界観をどこまで再現できるのかと半信半疑で観ました。
パンフレットによると、原作者のところに何度か映像化の打診があったものの、「真珠の歯」の再現について(困難性や、俳優の都合などで)消極的な態度が多く、断り続けてきた中、今回の映画化については「真珠の歯」の重要性をしっかりと理解し、その再現に全力を注ぐ姿勢だったことで、映像化が承諾されたのだとか。確かに違和感のない見事な再現には脱帽でした。
恐ろしかったり、幼かったり、美しかったりと、目まぐるしく表情が変わるという難しい役所を、黒島結菜がしっかりと演じてくれました。
原作のストーリーは、人間関係が複雑に絡み合い、さまざまな人の思惑が入り混じっていますが、映画の尺に合わせるには、ある程度、単純化する必要がありますが、これもなかなか見事に単純化されて、良かったです。
原作にはない“十文字”を最初と最後に印象的に見せる、映画ならではのトリックも巧みです。
何より、ラストがきちんと「希望」になっていたのに、ほっとしました。
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