「口臭」夏目アラタの結婚 ぴのこさんの映画レビュー(感想・評価)
口臭
気にならないのかなあ…アラタ、キスしてたけど。
あと真珠の声が良すぎて発言が全て正当化されてた。(私の中で)
綺麗な肌、整った顔立ち、可愛らしい癖毛、凛と張った涼しい声、ガリガリの体型、病巣だらけの口内、真珠を構成する要素全てがミステリアスで"それ"らしい。
でも"それ"らしくなった原因の半生は同情しちゃうけど、その同情って難しい。かわいそうってどうしても対象を下にみてる言葉だし、言われたくないよね。まさにあれか、同情するならなんとやら。
自分では選べない生いと親からの愛と呪縛に苦しみながらも必死に生きてきた人生を他人から「かわいそう」って言われたくないよね。あまつさえ「かわいそうな人を救ってあげたい」なんて発言凄いな、神を気取ってオ◯ニーからの自己陶酔賢者モードは色々痛い。最初は弁護士の態度がまさにそれだったから真珠からすると利用しやすいのかと思ったが、アラタおまえもかーい。児相職員になった理由が薄っぺらくて拍子抜けしたけど劇中のアラタのキャラの成長具合を反芻してすごい納得した。
評価を上げるにはまず下げるところから描くのね。
本当の自分を知って真剣に向き合って欲しいって欲望はみんな持ってそう。真珠はそういう人を待ってたんだね、アラタに再会できてほんとによかった。
再会できなくても連続殺人鬼にでもなれば向き合ってくれるひとは必ずいるか。愛じゃなくて好奇心や憎悪なんだろうけど。
ふと沸いた疑問なんだけど委託殺人してたのはガリガリのとき?
バラバラにしてた時の背中はふくよかだったけど、時系列ってどうなってるんだろう?
看護学生(ガリガリ)→バラバラ期間中(ガリガリ→ふくよか)→逮捕(ふくよか)→獄中(ガリガリ)
ってこと??
裁判や面会ってあんなにほいほいすすむもんなんかな?
血液がどうのとか裁判前に捜査しとくもんじゃないのかな。(その辺は主演二人の怪演に見入ってしまって後から沸いた疑問なんだけど)
てかそもそも自◯希望者が真珠に集まってくるのって何故??
原作があるみたいだから読んでみようかな。
にしてもアラタも真珠も、真珠と文通してた子供も、みんなどっか壊れてるんだろうな。
その中でも純愛はあるんだ。やっぱり愛ってすごいや。