「殿下を知る上での指針となる1本」プリンス ビューティフル・ストレンジ regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
殿下を知る上での指針となる1本
2016年4月21日に57歳で亡くなったプリンスに迫ったドキュメンタリー。ただ、冒頭で「プリンス・エステート(財団)は本作と無関係であり、本作関係者に知的財産をライセンス共有していません」と注意書きが出ることからも、彼の音楽やアーカイブ映像使用はごく少数に限られている。
本作が重きを置いているのは、彼のルーツ、つまりは生まれ育った地である北ミネアポリス。全米でも黒人差別が激しい地区とされていた同地で、彼がいかにして“世界の殿下”となったかを辿っていく構成となっている。
「黒人を強調しないでほしい。皆にアピールして成功する為には、皆の好みに合わせるべきだから」、わずか19歳でワーナーとのメジャー契約を締結する際、そう条件を提示したプリンスは、音楽業界での身を置き方を既に見据えていたのだ。
前述した通り劇中で彼の曲は殆ど流れないので、その点に不満を感じる人もいるだろう。ただ彼の曲はどこかで耳にしているはず。本作は殿下というパーソナルな面を知るための指針的役割の方が大きいかも。幸いにもYouTubeなどではPVが配信されているので、もし興味を持ったらどんどん探究してみては。
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