「映画館で映画見るのっていいですね!」ツイスターズ モアイさんの映画レビュー(感想・評価)
映画館で映画見るのっていいですね!
とにかく初っ端からガツンとかましてくれます!
轟音を唸らせオクラホマの大地から天高く伸びる巨大竜巻!それを我先にと、泥を跳ね上げ追走するピックアップトラック!そして走行音がやかましい車と親和性が高いのは単純なリズムが心地よいアメリカンハードロックだ!
これらを劇場の巨大スクリーンと大音響で体感できたのは本当に幸運でした!しかもIMAXで!!
余り劇場へ来る事のない自分ですが、ユーネクストの未使用ポイントを消化するためというケチ臭い理由から久しぶりの映画館へ。というか、世の中にはこんなにも頻繁に映画館へ行く人がいるのか!とこのサイトにきて逆に驚いています。
それはともかく、現在劇場公開されているラインナップ、個人的にはどれも決め手に欠ける感じでとても迷いました。そして最終選考に残ったのが「デッドプール&ウルヴァリン」と本作で、「デッド~」は1も2も見てないし、X-MENシリーズも一つも見ていないため、前作を遥か遠い昔に劇場で見た事のある「ツイスターズ」を見る事に。
事前に前作を見直すこともなく全くの丸腰でやってきて、IMAXなんて偉そうに言っても、人出の少なくなる遅い時間の上映を選んだら自然とそうなっただけなのですが、しかしそれらの偶然が全ていい方向に転がった感じです!
志を同じくする友人や恋人に囲まれ「竜巻を手なずけろ!」と若さゆえの万能感に満ち溢れる主人公ケイト。これから自身の開発した竜巻を消し去る薬剤の実証実験のため、竜巻に接近するというのにウッキウキです。しかし案の定そんなのぼせ上った態度は大自然の力の前に粉砕されます。
だいたいありとあらゆる物を巻き上げて空高く吹き飛ばす竜巻に近づくのに短パン履いて足晒してるっていうのはどうのなか?
自らの軽率さが招いた事とはいえあまりに大きな代償を払い、彼女の青春の思い出は苦いものとなってしまいました。
そして月日は流れ、ケイトは竜巻頻発地帯の故郷オクラホマを遠く離れたニューヨークでオフィス勤めですが、同じ苦い思い出を持つ旧友ハビの頼みで、ハビの竜巻観測システムの研究に力を貸すためオクラホマへ1週間の期限付きで戻ってきます。
そこでは脳内麻薬を分泌するためだけに竜巻を追いかけまわす「竜巻カウボーイ」のタイラーが幅を利かせており、彼と彼のファン達が竜巻の発生を今か今かと待ち構えている様子はちょっとしたお祭り騒ぎです。
こういう界隈が寄り集まってワイワイやっているのを見るのは、彼らの趣味に興味が無くても妙に楽しいものです。菅原文太のトラック野郎シリーズを思い出させます。
(欲を言えばケイトのチームとタイラーのチーム以外にももう二つ三つ個性的なチームがあると嬉しかった)
さて、この竜巻カウボーイのタイラーですが、とにかく彼の愛車のピックアップトラックが良いのです。ケイトやハビのチームが乗るトラックがピカピカに白いのとは対照的に、相当使い込まれて赤色の車体も汚れでくすんでいます。
そして竜巻を追っかける為に色々カスタムされており、雹よけの金網や竜巻に突入しても飛ばされないよう大地に固定できるドリルが付いていたり、花火を打ち上げるための筒が付いていたり!?街宣車のように車外にスピーカーをつけてローハイドのような音楽を流しています。本当にバカな車なのですが、特定の目的のために特化したマシーンはやはり男心をくすぐります。
そしてタイラー自身のキャラクターもいいのです。もう乗ってる車から想像できる通り、アメリカの片田舎のガキ大将がそのまま大人になった感じで、ケイトとは競って竜巻を追いかける仲ですが、案の定彼女の事が気になりアプローチを試みます。このアプローチが意外に紳士的で絶妙な距離感を保ち続けます。変にガツガツしていないので肝心の竜巻との追いかけっこを邪魔せず、映画のアクセント的に恋の予感だけを匂わせてくれます。
映画は見所満載ですが、延々大迫力の映像を垂れ流すのではなく、ケイトが苦い思い出から諦めていた夢をもう一度取り戻す様や、ケイト、タイラー、ハビの間に起こる反目や共感のドラマを程よく挟むことによって映画に心地よい緩急が生まれ、飽きたり疲れたりすることなく最後まで鑑賞できます。
ドラマに意外性が無かったり、ツッコミたくなる描写もありますが、逆に「これそういう映画だったの?」と思わせるような唐突な説教を始める事もないし、登場人物一人一人に一々見せ場を作って間延びした感じにもならず、この映画の一番の売りである巨大竜巻を体感させるという事を邪魔しないバランスの良さがあります。巨大竜巻にハラハラする一方で何故か安心感を持って楽しめる映画です。
それでも若い頃に短パン姿で痛い目にあっているケイトが、その後もノースリーブやタンクトップ姿で竜巻を追いかけているのはやっぱりおかしいと思います!
自然災害である竜巻を消し去る薬剤を開発しようという発想にもいささか傲慢な感じがするのですが、この傲慢で横暴でもういい加減にせえよと思う一方で、ほんの少し憧れもする姿勢こそ、アメリカのフロンティアスピリッツを感じさせるのです。そしてその事がどことなく昔のハリウッドアクション映画を思い出させる作品です。
そういえば前作の「ツイスター」(96年)では敢えて立ち見で劇場の壁にもたれての鑑賞が一部の界隈で推奨されていました。映画の音響をより体感するためです。
今では立ち見をする機会なんてめったにないと思いますし、立ち見などしなくても映画の音響を十分に体感できると思います。
あまり劇場で鑑賞することがなく通常のものとIMAXとでどれほどの違いがあるのかも正直よくわからないくせに言いますが、とにかく映画館の最大の利点である巨大スクリーンと大音響で鑑賞すればこそ意味のある作品です。
鑑賞後も台風一過のような晴れやかな気分で劇場を後にできるこの作品。この夏おすすめの1本です。
「ふぞろい」の思い出ありがとうございます(笑)。劇中の彼らは私より上の世代ですが、当時の大学は4年間の夏休み的なイメージでしたから、その世界への憧れもありました。中手川の店に大量の酒を注文するのがヘルメット姿の学生運動家で時代の余韻を感じたり、最終回の就職説明会であからさまな学歴フィルターかけられるところなどにグッと来ました。小林薫は根岸希衣への愛をさんざん訴えていながら、ふぞろい2であっさり浮気というがまた…(笑)
今さらの返信ですいません。倉本聰は向田邦子、山田太一とたしかに同世代ですね。個人的に最も親しんだの青春期に見た山田の「ふぞろい」で、いとしのエリーとともにあの独特のセリフ回しが胸に今も刺さっております
やっぱり気になりましたかw たまたま隣があまり盛り上がってない、落ち着いた方々だったので、あまり騒げなかっただけで、もっとコメディ要素の強い作品はワーワーうるさいし、私も騒いでますw こないだアラレを食べたらうるさいと言われましたが、基本的にマナーとかうるさくないですね!
バンクーバーなんか、ノースハリウッドとか呼ばれてるクセに、4Dを観れる劇場一軒しかないんですよ…😤。しかも、今はビートルジュースの続編w
4Dで観るような作品でしたっけ?w
倉本聰は、実は私もほとんど観ておらず。北の国からの2時間スペシャルだけは記憶にあるんですが、東京から富良野に帰った宮沢りえが実は風俗やってました、でもいい人なんです、みたいな話で、倉本の「良識」にウェッとなりました
映画館が吹き飛ぶのにレーダーや車の杭も短すぎましたよね〜。荒唐無稽な話に突っ込んでもしょうがないですけど、倉本聰が、ドラマに大きな嘘は必要だけど小さい嘘はダメ、みたいなことを昔、言ってたのを思い出しました(笑)
コメントありがとうございました。あの竜巻を三方から囲むよう設置するレーダーもよくわかんなかったです、竜巻動いてんだろ!と…。まあ体感映画なのに、上映規模の縮小した公開3週目に普通のスクリーンで観て、ケチをつける自分も悪いんですけど。DEJの美しさはザリガニの時から注目してました、ケツアゴだけど(笑)
お返事ありがとうございます😊
本当に人が驚くほど入ってませんよねー。
こんなに面白いのに、どうしちゃったんでしょうね。
確かはじめは1日に一回だけDolby cinema上映していました。
私は時間帯が悪くて観れず、今思うと残念なことをしました。
暑いんですねー。
無理なさらないで下さいね。
熱中症になったら大変ですもの。
また、共感をありがとうございます。
共感して頂いた「12人の易しい日本人」も、三谷幸喜監督の
元は舞台劇だったでしょうか?
豊川悦司がいい味を大阪弁で出しています。
暑さが厳しいので、おうちシネマでご覧ください。
(すいません、セールスマンみたいで、)
それではまた。
今晩は
凄い再現力に圧倒されました。
劇場はIMAXでしたか?それは最高ですね。
きっと映画館、病みつきになりそうですね。
とても楽しいレビューで最高でした。
ありがとうございます😊