「日本男子バスケ、パリ五輪出場、おめでとうございます!!」BELIEVE 日本バスケを諦めなかった男たち CBさんの映画レビュー(感想・評価)
日本男子バスケ、パリ五輪出場、おめでとうございます!!
男子バスケットボール日本代表チームが、45年ぶりに自力でオリンピック出場権を獲得した、沖縄 (およびフィリピン・インドネシア) で開かれた2023年のワールドカップ大会の模様をダイジェストした映画。
わざわざ「自力で」と書いたのは、皆さんの記憶にもまだ新しいだろう東京オリンピックに、開催国枠で出場しているから。
その東京オリンピックは、八村・渡辺というふたりのNBAプレーヤー、オーストラリアのNBLに所属する馬場も加えた強力メンバーが組めて、日本人の誰もが 「これならけっこう戦えちゃうんじゃないの?」 と期待した舞台だった。しかし、結果はご存じのように、女子が銀メダルと大活躍した裏で、男子は悪夢の5連敗。日本の男子バスケは世界には全く届かないのでは? と日本国民の多くが思ったオリンピックとなってしまった。観ているだけの俺たちにとっても悪夢だったが、選手たちのショックはさらに大きかったそう。「世界には全く届かないのでは?」は彼らの言葉。
そこから、ヘッドコーチにトム・ホーバス(この人は女子バスケ日本代表を、同じ東京オリンピックで銀メダルに到達させたことで有名)を迎えた男子バスケが、パリオリンピック出場をどのように勝ち得たかを、2023年のワールドカップにだけ焦点をあてて描く映画。
これから観る人のためにワールドカップを振り返っておこう(観りゃ誰でもわかるんですが、自分のために)。日本代表がオリンピックに出場するための条件は、ワールドカップに出場するアジアチームの中で最上位になること。
ワールドカップには世界中の強国が集まるので、まず、全32か国を4か国ずつ 8 グループに分けた予選が行われる。アジアから出場の6か国(イラン22位,中国27位,ヨルダン33位,日本36位,フィリピン40位,レバノン43位)は、それぞれ別グループに散る。ちなみにワールドカップでは「アジアアオセアニア」という枠だが、オリンピックではアジア枠とオセアニア枠は別。別でほんとによかった... オーストラリア3位・ニュージーランド26位は強敵だから。
さて、予選でアジア最上位になるには、4か国の2位以内に入って、上位決定トーナメントに出ること。アジア各国は、どこも4か国の2位以内に入るのはかなり難しいので、日本が2位以内に入れば、アジア最上位がほぼ間違いなく決定する。映画でこれを描いているのが、予選の3試合。ドイツ11位、フィンランド24位、オーストラリア3位 との対戦。
結果は、フィンランドには勝ったものの1勝2敗の3位。しかし他のアジアチームも2位以内には入れず、5チームとも4位で、全員が17-32位決定ラウンドに回った。
17-32位決定ラウンドは、予選2グループの3位4位を組み合わせた4か国のグループを、4つ作りそれぞれの中で1~4位を決める。アジア最上位になるには、まず、このグループで1位となること。
日本は予選グループEの3位なので、4位フィンランド、グループFの3位カーボベルデ(64位)、4位ベネズエラ(17位) と4チームでの組合せとなるグループO。対フィンランドの1勝は持ち越されるので、残る試合はベネズエラとカーボベルデ。一方、日本以外のアジア5か国はいずれも予選グループの4位だったので、3位だった日本はグループOの2試合に勝てばグループ1位となり、(たぶん)アジア最上位となる。
このことを知って、映画を観ると、よりすっきりわかる感じで感動できると思います。
俺は繰り返し書いているが、スポーツを観戦するのが好きで、ことにそのチームの背景や選手のちょっとした話を知った上で試合を観るのがこの上なく好き。そんな俺のために作ってくれたような映画を観ないわけにはいかないよね。
そして楽しかったです、この92分。各試合もけっこうTV中継でライブ鑑賞してたのだけれど、あらためてこうやってまとめて見せてくれるの、最高! 年をとったせいか、「勝ったと知っている試合をあらためて見る」 ということが好きになっているのかもしれない。
おまけ1
ナレーションを担当した広瀬さん(すず) が、この映画の一員となれて、一番嬉しかった人だろうな。
おまけ2
どの試合だったか、ドライブした河村が投げ上げたボールが大きな放物線を描きブロックされることもなくゴールしたシュート。あれって、スラムダンクで山王工業の沢北が見せたフローターシュートの美しいやつティアドロップじゃん!!リアルで見れて幸せ!