ナミビアの砂漠のレビュー・感想・評価
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虚無感
ナミビアにあるナミブ砂漠にはチーターがたくさん棲んでいるそうですが、この作品がモチーフとして描いていたのは、水辺に集まるオリックス。作者の意図がどこにあったのか、全編を見終えても、よく理解できませんでした(汗;)。主人公カナ(河合優実)やホンダ(寛一郎)、ハヤシ(金子大地)らの交友関係や言動にも共感や理解できるところが少なく、悶々としてしまいました。命にまつわるエピソードが時々出てきますが、それらに対するカナの思考も一貫性がなく、ふわふわした印象。自分がやりたいことを探求するのではなく、自分を満たしてくれない相手にぶち切れる姿に、ホンダやハヤシと同じような反応をしてしまいました(汗;)。とてもリアルな演出にヒリヒリするような感触でしたが、面白くないし、好きでもない。これは一体何だろう?自分の中では、「悪は存在しない」(24)と似たポジションの作品でした。
河合優実のビジュアルブックのような作品
どのツラ下げてカナ(若者世代)に向き合えばいいのだろう
映画やドラマの主人公が、逆境の中、あちら立てればこちらが立たずみたいな状況で決断を迫られることがあります。
「自分のことは自分が一番わかってるさ」
なんて言いながらクライマックスシーンへ向かっていく。
でも、この映画を見たら、
「自分のことは自分が一番分かってない!」
ということが否応なく突き付けられます。
自由奔放に彼氏を翻弄しながら、サクッと乗り換えちゃうカナ(河合優実)。
と思わせておいてからの意表をつく怒涛の展開!
映画的には決して分かりやすいとは言えないし、どちらかというとまったりしてるのに、どのシーン、どのセリフもインパクトが強烈なのでテンポ良く感じられるのです。
ひとつひとつのシーンは、無意味そうに見えて実は意味深だったり、突拍子がないように見えるのに、あー、その辺の気持ちが整理できなくて(上手く言語化できなくて)つい手が出てしまう感じ、分かるー!と共感しまくり!!
自分はいったい何にイラつき、何に怒っているんだろう。
少子化と貧困で消えていく日本。
なんてことも言ってたけれど、別に何か経済的な専門書などを勉強してからの根拠があっての発言でもない。
今の時代に生まれ育った20代や30代の世代の体感的な実相のようにも感じる。
暴走というよりは〝迷走〟するカナをもう無理〜と言いながらも必死に受け止めるハヤシ。
ハヤシは、今の日本の無責任な大人たちに向かって、こう振る舞えばとても生きづらいいまの世代の若者たちへの罪滅ぼしになるかもよ、という象徴のようにも見える。
ノーパンしゃぶしゃぶの話も、それを嫌悪感混じりに紙ストロー程度の軽さで表すことで見事な伏線となっている。
バブル崩壊や失われた何十年という〝過去の失敗〟から逃れることのできない中高年世代。
若い世代が迷走せざるを得ない世の中にしてしまった責任のある我々中高年世代は、彼らの思いを良い悪いではなくそのまま必死に受け止めて、なんとか日本を生き延びさせるために頑張らなければいけない。
そんなことを考えてしまいました。
タイトルの意図することって何だ?
自分探しはここから
カナの喜怒哀楽、一挙手一投足が存分に発揮
見事だった。凄い作品だった。山中監督はしてやったりだろう。河合優実と年代も近い事があり彼女が演じたカナの喜怒哀楽、一挙手一投足を的確に描いていた。
河合優実の作品の中で、過去最高の作品。
見事でした。
河合優実はますますトップ女優の道を歩んでいるんだなとスクリーンから感じた。
解釈、考察しがいがある作品でもある。
不遜な感情が堂々巡りする
とにかく長かった。まだかな、と時計を見たのが経過後1時間半。そこそこ限界だったけど最後までなんとか頑張って見ました。話が面白くないとかではないし、役者さんたちの演技は常に満点。若者のリアルな日常や、仕事へのスタイル、恋愛への依存度などが事細やかに描かれていました。きっとあえてセリフを少なくしているのでしょう。そんな中で、登場人物たちの情緒をこれだけ巧みに演出できるのって、制作側、演出側はかなりエネルギーを持たないと無理だと思うから、やっぱり凄い作品なのだとも思うのです…が、それを差し引いても長かった。
まず何を伝えたいのか、まったくわからず。どう受け取っていいかわからない場面がずっと続いたので、しんどかったです。そもそも私はこういう若者のリアル日常をドキュメント式に追ってるという映画が苦手みたい。「ちょっと思い出しただけ」も過去に低い点数をつけてしまったしりりまぁ実際にこういう若者カップルは大勢いるし、私も経験があります。人生としての苦い記憶としてよみがえっただけの、そこそこ辛い時間でした。合う人には合うと思います。寛一郎さんもしっかりと嫌な役を演じ切れていたし、金子大地さんも素晴らしかった。唐田えりかさんは相変わらず綺麗でした。そろそろ河合優実さんは、明るい役どころで見たいです。
懸命に生きるということ
人間の内面の奥深くにあるもの。心の叫び、葛藤。何かそんな感じなのですかね。
人はみな誰でも、泣いたり笑ったり怒ったり、喜んだり悲しんだり悩んだり苦しんだり傷付いたりする。自分の事を好きになったり嫌いになったり、そんなふうに生きて来たし生きて行く。砂漠を彷徨うように。そうかそれで題名に砂漠が付いてるのかな?
見た人それぞれの感じ方があって生き方があると言うのかな。
カウンセラーの先生が言っていた、心で思った事は誰も止める事が出来ないと言うような言葉にはなるほどその通りだと納得。でもそれを口に出したりすれば批判を受ける事もあると言うのが生々しいですね。
河合優実は相変わらず河合優実で、河合優実じゃない河合優実がそこには居て、河合優実が作り上げたカナが河合優実を離れてカナと言う一人の女性として確かにそこに存在してました。
多かれ少なかれ見た人みんなに当てはまる事があって、みんなカナなんじゃないのかな。いやカナだけじゃないホンダやハヤシであったりするのかも。
どうにもならない事もあったであろう自分のこれまでを振り返るのも良いかも知れない。
いい映画を見ました
パラレルワールドにいるもう一人の河合優実さんを追いかけたドキュメントみたい
河合優実さんの、体を張った演技と、場面場面で見せる異なる表情は、今回もすごいです。危なっかしい状況なのに、それでもバランスを保っているような人を演じるのが、本当に上手だと思います。
彼女の演技を最初に観たのは、「愛なのに」の、古本屋のおじさんに恋する高校生役でした。ずっと不思議ちゃんだったけど、最後に安堵したように、ニッコリする表情が良かったです。今回も、散々、荒れ狂った挙句の最後の場面で見せる、すべてを受け止めたかような優しい表情が最高でした。
作品自体は、難しいけれど、印象としては、監督さんがイメージする、パラレルワールドにいる、もう一人の河合優実さんを追いかけたドキュメントを見ているような感じでした。
この映画の中の主人公は、多分、ご本人とは似ても似つかぬ性格なんだろうけれど、それでも、もしかしたら、もう一つの世界には、こんなふうに人生を歩んでいる河合優実さんもいるのかもねって思いながら、鑑賞していました。
ティンプトン!
ナミビアの比喩の是非?
若さ故の
若さ故の矛盾の輝き、それは何を変えるのか。
よくあるテーマだけど金にならないから映画にしないw
特に響くものは見つけられなかった。
むかし散々見たATG映画の傾向だなと…w
他の俳優も河合優実も良いんだけど、
なんだか小綺麗すぎて…不細工を持って来いよと強く想ったw
あとカメラワークがあざとすぎて嫌悪を感じた。
キーワード的なセリフが多々あった、適当に言葉を鏤めるだけなら誰にでもできる…。言葉を意味を繋ぎ合わせ、それを分かり易く映像化するのが、映画監督だが、まだ、そこまでには達していない幼稚さ。
ま、これからの監督で応援はしたいが、今後、多分進んでは観ないだろうかな…。
あ、何かに似てると思ってたら「痴人の愛(1967)」だわ。そういうことかw
日常だけど独特な世界観にズルズルと引き込まれていく
河合優実好きとして、着目していた作品、ジャパンプレミアで鑑賞。
予告や、取っている賞からも、独特な世界感なんだろうな、とおもっていたが、想像の上を行く独特性。
そこに河合優実の名演が混ざり、終始ニヤニヤしながら観ていた。
決してわかりにくい映画ではなく、個性的なキャラクターの意外な行動に、理解できる、できないと考えながら観るのが楽しい。
2時間あまり、正直長いと感じていた。ただ、退屈なわけでも、すごい夢中になるというわけでもないが、目が離せなかった。
身近にありそうでないような世界に触れたとき、いつのまにかズルズルと引き込まれていく感覚。
新しい体験をさせてもらった。
俳優陣はみなとてもよかった。
河合優実は、喋っても喋らなくても、カナそのものになっていて、生態を理解するために全ての行動に目がいった。
彼氏役、林の金子大地は…理解できない。笑 けど逆に気になるような演技であった。
そして、もう一人好きな、唐田えりか。ミステリアスな役柄がピッタリで少しの時間ながら印象的な役柄でさらに好きになった。
独特な世界観の象徴がカメラ。手持ちでの撮影がとても味が出ている。スタンダードサイズの作品はいい作品が多いね。
大画面で見るのもよいが、公開されたら、ミニシアターとかで、しっぽりまた観てみたい。
選べる時代は迷いも多いよね。
色んな物に割と簡単に流されていくカナの言動に共感はできないまでも、とにかく他人と自分を比較しがちな年齢、私も自分以外の誰かになれたらいいのになと思ってたことを思い出す。
自分の頭で考えることをしない人ばかりと辛辣に話す割に、カナ自身は流れに身を任せている矛盾も若さゆえという感じも。
心の中は誰しも自由はその通りだなと思う。
選択肢が多いほど生き方を迷う今だからこそ、共感も多いのではないだろうか。
ポスターが指紋みたいな波紋みたいなのが地模様に入ってて、どっちかしらと目を凝らしてたんだけど、多分指紋だわ。
なんで指紋なのか気になる!
監督さん若さ溢れる感性豊かな方で、表現も面白くてオシャレなお姉さんでした。
客観的に自分を眺める、をこんな風に描くのかとちょっと感動。喧嘩もマンネリ化したら客観的にみられるようになるかな、と思って喧嘩シーンを作ったというようなことを仰ってましたが、ちょっとした発言がなんかとても新鮮で面白かったです。
そんなふうに思ったことなかったな、の連続だったかな。
今後のご活躍も楽しみです。
面白かった!
今そこにいる若者達
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