ナミビアの砂漠のレビュー・感想・評価
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自分とは
この作品が問いかけているテーマは「自分とは何か」だと観ていて感じました。
劇中の少女は、何をするにも意欲的ではなく、その場しのぎのような日々を過ごします。
しかし、恋人との別れや喧嘩や様々な出来事を通してその中で、改めて、「自分とは何か」に関心を抱くようになります。
そしてその過程はまるで「ナミビアの砂漠」をひたすら歩くような、
「解らない」謎解きなのだという事を作品を通して感じました。
虚無感
ナミビアにあるナミブ砂漠にはチーターがたくさん棲んでいるそうですが、この作品がモチーフとして描いていたのは、水辺に集まるオリックス。作者の意図がどこにあったのか、全編を見終えても、よく理解できませんでした(汗;)。主人公カナ(河合優実)やホンダ(寛一郎)、ハヤシ(金子大地)らの交友関係や言動にも共感や理解できるところが少なく、悶々としてしまいました。命にまつわるエピソードが時々出てきますが、それらに対するカナの思考も一貫性がなく、ふわふわした印象。自分がやりたいことを探求するのではなく、自分を満たしてくれない相手にぶち切れる姿に、ホンダやハヤシと同じような反応をしてしまいました(汗;)。とてもリアルな演出にヒリヒリするような感触でしたが、面白くないし、好きでもない。これは一体何だろう?自分の中では、「悪は存在しない」(24)と似たポジションの作品でした。
河合優実のビジュアルブックのような作品
河合優実の魅力が爆発してました。
カナの生い立ちは深掘りされなかったけど、日本人気質のホンダと、ニューヨーク生まれのハヤシ、自分の事を知りたいと言うカナ。
“自分探し”なんですが、いかんせん長めの作品で日常を延々と描いているので印象的な台詞もシーンすべて埋もれていってしまい…
情報過多で自分で考える力が低下しているのは確かに。
冒頭は町田駅だと思いますが絶妙に良いチョイスだな~と思いました◎
どのツラ下げてカナ(若者世代)に向き合えばいいのだろう
映画やドラマの主人公が、逆境の中、あちら立てればこちらが立たずみたいな状況で決断を迫られることがあります。
「自分のことは自分が一番わかってるさ」
なんて言いながらクライマックスシーンへ向かっていく。
でも、この映画を見たら、
「自分のことは自分が一番分かってない!」
ということが否応なく突き付けられます。
自由奔放に彼氏を翻弄しながら、サクッと乗り換えちゃうカナ(河合優実)。
と思わせておいてからの意表をつく怒涛の展開!
映画的には決して分かりやすいとは言えないし、どちらかというとまったりしてるのに、どのシーン、どのセリフもインパクトが強烈なのでテンポ良く感じられるのです。
ひとつひとつのシーンは、無意味そうに見えて実は意味深だったり、突拍子がないように見えるのに、あー、その辺の気持ちが整理できなくて(上手く言語化できなくて)つい手が出てしまう感じ、分かるー!と共感しまくり!!
自分はいったい何にイラつき、何に怒っているんだろう。
少子化と貧困で消えていく日本。
なんてことも言ってたけれど、別に何か経済的な専門書などを勉強してからの根拠があっての発言でもない。
今の時代に生まれ育った20代や30代の世代の体感的な実相のようにも感じる。
暴走というよりは〝迷走〟するカナをもう無理〜と言いながらも必死に受け止めるハヤシ。
ハヤシは、今の日本の無責任な大人たちに向かって、こう振る舞えばとても生きづらいいまの世代の若者たちへの罪滅ぼしになるかもよ、という象徴のようにも見える。
ノーパンしゃぶしゃぶの話も、それを嫌悪感混じりに紙ストロー程度の軽さで表すことで見事な伏線となっている。
バブル崩壊や失われた何十年という〝過去の失敗〟から逃れることのできない中高年世代。
若い世代が迷走せざるを得ない世の中にしてしまった責任のある我々中高年世代は、彼らの思いを良い悪いではなくそのまま必死に受け止めて、なんとか日本を生き延びさせるために頑張らなければいけない。
そんなことを考えてしまいました。
タイトルの意図することって何だ?
食べた後の食器も洗わず、プラごみも放置、脱ぎ着した衣類もその場に放置したままで平気な顔して生活していることにドン引き。本当に好きなのか疑問符が立つけれども彼との曖昧な関係性を継続していることにも引き気味。21歳ってこんな感じなのだろうか。河合優実の体当たりの演技はよかったけど、結論の不明瞭な作品だった。
そもそも、「ナミビアの砂漠」って言うタイトルはどこから来たんだ?カナがスマホで観ていた動画や、ナミブ砂漠でインパラらしき動物が水を飲んでいるエンドロールは何を表現していたのだろう。
自分探しはここから
いままで全く描かれた事のない女性象の作品でした。我儘、気まぐれ、八つ当たり、やる気ない。
怠惰な毎日。あまり関わりたくない女性だけどたまに顔を出す一般常識。人間にありがちな、訳の分からない苛立ち。子供のような八つ当たり。
普通の大人でも誰しも持ち合わせているかもしれない。
人間の不可思議な部分を表現した作品でした。
そして河合優実さん。
本当に時代を牽引する女優に必ずなると思います。
もう一度劇場で観たいです。
カナの喜怒哀楽、一挙手一投足が存分に発揮
見事だった。凄い作品だった。山中監督はしてやったりだろう。河合優実と年代も近い事があり彼女が演じたカナの喜怒哀楽、一挙手一投足を的確に描いていた。
河合優実の作品の中で、過去最高の作品。
見事でした。
河合優実はますますトップ女優の道を歩んでいるんだなとスクリーンから感じた。
解釈、考察しがいがある作品でもある。
なんかよくわかんないけど、 すごく没頭して見てた 河合優実を見るた...
なんかよくわかんないけど、
すごく没頭して見てた
河合優実を見るための作品って感じ
ずっと目で追ってしまう
不遜な感情が堂々巡りする
とにかく長かった。まだかな、と時計を見たのが経過後1時間半。そこそこ限界だったけど最後までなんとか頑張って見ました。話が面白くないとかではないし、役者さんたちの演技は常に満点。若者のリアルな日常や、仕事へのスタイル、恋愛への依存度などが事細やかに描かれていました。きっとあえてセリフを少なくしているのでしょう。そんな中で、登場人物たちの情緒をこれだけ巧みに演出できるのって、制作側、演出側はかなりエネルギーを持たないと無理だと思うから、やっぱり凄い作品なのだとも思うのです…が、それを差し引いても長かった。
まず何を伝えたいのか、まったくわからず。どう受け取っていいかわからない場面がずっと続いたので、しんどかったです。そもそも私はこういう若者のリアル日常をドキュメント式に追ってるという映画が苦手みたい。「ちょっと思い出しただけ」も過去に低い点数をつけてしまったしりりまぁ実際にこういう若者カップルは大勢いるし、私も経験があります。人生としての苦い記憶としてよみがえっただけの、そこそこ辛い時間でした。合う人には合うと思います。寛一郎さんもしっかりと嫌な役を演じ切れていたし、金子大地さんも素晴らしかった。唐田えりかさんは相変わらず綺麗でした。そろそろ河合優実さんは、明るい役どころで見たいです。
懸命に生きるということ
人間の内面の奥深くにあるもの。心の叫び、葛藤。何かそんな感じなのですかね。
人はみな誰でも、泣いたり笑ったり怒ったり、喜んだり悲しんだり悩んだり苦しんだり傷付いたりする。自分の事を好きになったり嫌いになったり、そんなふうに生きて来たし生きて行く。砂漠を彷徨うように。そうかそれで題名に砂漠が付いてるのかな?
見た人それぞれの感じ方があって生き方があると言うのかな。
カウンセラーの先生が言っていた、心で思った事は誰も止める事が出来ないと言うような言葉にはなるほどその通りだと納得。でもそれを口に出したりすれば批判を受ける事もあると言うのが生々しいですね。
河合優実は相変わらず河合優実で、河合優実じゃない河合優実がそこには居て、河合優実が作り上げたカナが河合優実を離れてカナと言う一人の女性として確かにそこに存在してました。
多かれ少なかれ見た人みんなに当てはまる事があって、みんなカナなんじゃないのかな。いやカナだけじゃないホンダやハヤシであったりするのかも。
どうにもならない事もあったであろう自分のこれまでを振り返るのも良いかも知れない。
いい映画を見ました
支配と服従。
不動産屋で働く彼氏ホンダと浮気相手の彼ハヤシと脱毛サロンで働き人との会話は上っ面なカナの話。
女友達に会ってくると言っては浮気中なカナと、仕事の出張で札幌すすきのに行くが…上司の誘いを断れず風俗に行ってしまった事を神妙な面持ちで暴ってしまった事で、それを都合のいい理由にしホンダと生活してる家から出て、浮気相手ハヤシとの同棲生活が始まるが…。
付き合い始め、同棲前は互いに気を使い、自分の嫌なところは見せなかったりするけれど、月日が経つうち見えてくるカナの荒くれぶり、男に服従させる感じ、言ったことは絶対、私が一番的な感じと見せるけど、何かこういう人っているよねって感じで鑑賞。
本作期待して楽しみにしてたんだけれど、カナの日常、男達とのやりとりをダラダラ見せられ約140分。あのダラダラでなければ120分以内で収まったのではと思ってしまった。タイトルの「ナミビアの砂漠」と本作って何かリンクしてるのかな。
あと若さ故に付き合う人の本質を見抜けずノリや顔で選らんでしまう若い時って感じも含めで。カナ演じた主演の河合優実さんは相変わらず良かった!サプライズなアレはありがとう!
パラレルワールドにいるもう一人の河合優実さんを追いかけたドキュメントみたい
河合優実さんの、体を張った演技と、場面場面で見せる異なる表情は、今回もすごいです。危なっかしい状況なのに、それでもバランスを保っているような人を演じるのが、本当に上手だと思います。
彼女の演技を最初に観たのは、「愛なのに」の、古本屋のおじさんに恋する高校生役でした。ずっと不思議ちゃんだったけど、最後に安堵したように、ニッコリする表情が良かったです。今回も、散々、荒れ狂った挙句の最後の場面で見せる、すべてを受け止めたかような優しい表情が最高でした。
作品自体は、難しいけれど、印象としては、監督さんがイメージする、パラレルワールドにいる、もう一人の河合優実さんを追いかけたドキュメントを見ているような感じでした。
この映画の中の主人公は、多分、ご本人とは似ても似つかぬ性格なんだろうけれど、それでも、もしかしたら、もう一つの世界には、こんなふうに人生を歩んでいる河合優実さんもいるのかもねって思いながら、鑑賞していました。
ティンプトン!
汚れた血、フランシス・ハ、ママと娼婦、伝わってきた
カナの生きづらさと周りを疲弊させるのはサラマンドルや冬の旅を思い出した
カナは心の衝動を抑えられない
彼氏は突然喧嘩を売られ無理やり買わされる喧嘩の押し売りに最初は戸惑う
アホみたいに口をパカっと開けたカバのぬいぐるみのようなアホ喧嘩
カナの気が済むと、彼氏は、お腹空いた?と冷蔵庫から引越しでもう絶対に食えなくなってるはずの前カレ特製冷凍ハンバーグを取り出し食べる
見てるこっちがティンプトンだわ!
カナは物凄くウザくて哀しくて愛おしい
あみこ見たいです。新文芸坐かロサあたりでやってくれないかな?やってほしいな…
ナミビアの比喩の是非?
どんな役柄にも進んでチャレンジする河合優実ちゃんは素晴らしく、しかも見事に演じきるアクターとしての素質には脱帽です。河合優実ちゃんには⭐️5です。今度は魅力溢れる明るいキャラを演じて欲しいです。
さて、作品ですが、なんとなく言わんとするところは「そうなのかなぁ」とは感じますが、全く何も響いてこないことが、すべてを物語っていると思います。一言でいえば、ひねり過ぎ。固定位置からの映像を多用していますが逆効果だし、コンパクトサイズで仕上げたのもよく理解できません。途中から内容を追うのをやめました。
河合優実ちゃんをいっぱい観れたのは良かったですが、この監督の作品は全く合いませんでした。
102
若さ故の
若さ故の矛盾の輝き、それは何を変えるのか。
よくあるテーマだけど金にならないから映画にしないw
特に響くものは見つけられなかった。
むかし散々見たATG映画の傾向だなと…w
他の俳優も河合優実も良いんだけど、
なんだか小綺麗すぎて…不細工を持って来いよと強く想ったw
あとカメラワークがあざとすぎて嫌悪を感じた。
キーワード的なセリフが多々あった、適当に言葉を鏤めるだけなら誰にでもできる…。言葉を意味を繋ぎ合わせ、それを分かり易く映像化するのが、映画監督だが、まだ、そこまでには達していない幼稚さ。
ま、これからの監督で応援はしたいが、今後、多分進んでは観ないだろうかな…。
あ、何かに似てると思ってたら「痴人の愛(1967)」だわ。そういうことかw
乾いた砂漠を生きるのに水の補給は不可欠だ
東京・町田在住21歳、脱毛エステ店員、二人の恋人、(女性から男性への)DV、双極性障害の主人公カナ(河合優実)。母親は中国出身。遠い実家には帰れない。
正方形に近いスタンダードサイズの狭い画面が、情報量を削ぎ落とし鑑賞者の視線をカナに集中させる。冒頭のズームアップ。その後も、意図的なズームアップが何度かあり、カナの心情を訴える。
『映画なんか観て何になるんだよ』、と問いかけられる。鋭利なセリフが幾度と発せられ、相手を突き刺す。その中でも特に『-、死刑じゃん!!!死ね!!!』は強烈だ。さらに、『日本は少子化と貧困で終わるので、今後の目標は生存です』、こんなセリフ少し前なら悪い冗談に聞こえるが、現実感が漂う。カナが生まれた2003年は出生数112万人、2024年は予想69万人。隣人(唐田えりか)のセリフ『どうせ子供も産まないし』の通りだ。
カナ(河合優実)がトイレで排泄している最中に、ハヤシ(金子大地)が上から跨り排泄をする。恋人二人の幸せの絶頂が、排泄で描かれる名シーンになっている。
延々と通っても効果がないエステ脱毛を痛烈に批判する。これは監督の実体験だそうだ。
カナは冷酷だ。ハヤシには、孕ませたくせに中絶させたと異常な怒りをぶつける一方で、ホンダには中絶したと嘘をつき追い払う。
最後のシーン、画面の中央にあるブルドックソースとトマトケチャップは何を示唆するのか。元彼ホンダが作ってくれた冷凍ハンバーグを食べる二人。ティンプトン、ティンプトン。そして、部屋の配置が左右に全部入れ替わってる!?(これは勘違いかなと思ったら、bunkamura.co.jpの記事で意図的にした旨が言及されてました。)
序盤の会話「ノーパンしゃぶしゃぶ」は、"何もないナミブ砂漠"、"人工的な水飲み場"、"集う野生の動物"の隠喩だろうか。
アイリスオーヤマの2L水が何度も登場する。乾いた砂漠を生きるのに水の補給は不可欠だ。ネット通販で最安値の水だから私もよく飲む(笑)。
山中監督の才能と河合優実の演技力が炸裂した最高傑作。
映画パンフレット(1,000円)に、批評家3人の長文レビューが載っている。難解なこの映画の理解を助けてくれる。
日常だけど独特な世界観にズルズルと引き込まれていく
河合優実好きとして、着目していた作品、ジャパンプレミアで鑑賞。
予告や、取っている賞からも、独特な世界感なんだろうな、とおもっていたが、想像の上を行く独特性。
そこに河合優実の名演が混ざり、終始ニヤニヤしながら観ていた。
決してわかりにくい映画ではなく、個性的なキャラクターの意外な行動に、理解できる、できないと考えながら観るのが楽しい。
2時間あまり、正直長いと感じていた。ただ、退屈なわけでも、すごい夢中になるというわけでもないが、目が離せなかった。
身近にありそうでないような世界に触れたとき、いつのまにかズルズルと引き込まれていく感覚。
新しい体験をさせてもらった。
俳優陣はみなとてもよかった。
河合優実は、喋っても喋らなくても、カナそのものになっていて、生態を理解するために全ての行動に目がいった。
彼氏役、林の金子大地は…理解できない。笑 けど逆に気になるような演技であった。
そして、もう一人好きな、唐田えりか。ミステリアスな役柄がピッタリで少しの時間ながら印象的な役柄でさらに好きになった。
独特な世界観の象徴がカメラ。手持ちでの撮影がとても味が出ている。スタンダードサイズの作品はいい作品が多いね。
大画面で見るのもよいが、公開されたら、ミニシアターとかで、しっぽりまた観てみたい。
選べる時代は迷いも多いよね。
色んな物に割と簡単に流されていくカナの言動に共感はできないまでも、とにかく他人と自分を比較しがちな年齢、私も自分以外の誰かになれたらいいのになと思ってたことを思い出す。
自分の頭で考えることをしない人ばかりと辛辣に話す割に、カナ自身は流れに身を任せている矛盾も若さゆえという感じも。
心の中は誰しも自由はその通りだなと思う。
選択肢が多いほど生き方を迷う今だからこそ、共感も多いのではないだろうか。
ポスターが指紋みたいな波紋みたいなのが地模様に入ってて、どっちかしらと目を凝らしてたんだけど、多分指紋だわ。
なんで指紋なのか気になる!
監督さん若さ溢れる感性豊かな方で、表現も面白くてオシャレなお姉さんでした。
客観的に自分を眺める、をこんな風に描くのかとちょっと感動。喧嘩もマンネリ化したら客観的にみられるようになるかな、と思って喧嘩シーンを作ったというようなことを仰ってましたが、ちょっとした発言がなんかとても新鮮で面白かったです。
そんなふうに思ったことなかったな、の連続だったかな。
今後のご活躍も楽しみです。
面白かった!
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