「一本の木」ナミビアの砂漠 humさんの映画レビュー(感想・評価)
一本の木
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「わからない」の一言に
いいようのない虚しさが湧く
それが彼女を表す言葉なんだとかんじた
母との会話がわからない
父のことがわからない
家族というものがわからない
友達が、仲間が、
相手の気持ちが
わからない
夢も愛もわからない
そんな自分が何よりもわからない
持て余した渇き、飢え、諦め、やり場のなさが
暴力や汚い言葉になって彼女から噴出する
自由奔放を貫く姿をみて
通り過ぎながら
痛快、クール、羨ましいと?
彼女は自分の映り方が「わからない」
差し出された木陰や水を乱暴に払いのける自分も
どうしていいか「わからない」
そしてそのもどかしさは
まわりにはなかなか〝わからない〟まま
病の枠の中へ
だけど彼女の本心はひっそりと
砂漠の真ん中に一本の木を置き代弁する
いかされない無邪気な彼女の心や
似たような誰かが
その木を求めているという事実に
小さな希望を繋いで
いつか実感できるしあわせとして
救われてほしい
修正済み
河合さんの自然な演技が魅力的でした
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sow_miyaさんのコメント
2025年2月13日
コメントありがとうございました。
山中監督の地元の映画館だったので、ホームな感じで、気さくにたくさん語ってくれました。
定点カメラの話は、教えてもらわないとそこまで読み取れないですよね。