「それはないよ…。」ナミビアの砂漠 Buttonさんの映画レビュー(感想・評価)
それはないよ…。
レビューはそれほど高くないし、映画専門誌でも評価が割れていた本作。恐る恐るでしたが、河合優実なので鑑賞しました。
脱毛サロンで働く21才のカナの日常のお話です。
カナは同棲する男が居ながら平気で浮気をするという、トンデモふた股女なのですが(彼女なら三股もやりかねない!)、今の若い世代の男性って皆、あんなに女性に従順なんですかね?わがままで暴力的なカナにやけに優しいのです。二人の男が何回「ごめん」と言ったでしょうか?何も悪くないのになんでそんなにカナに謝るの?同棲男は浮気を容認しているかのように夜中に帰ってきたカナにピルを飲ませる始末。(避妊薬って先に飲むの?後に飲むの?)
とまあ、今どきの若者の恋愛事情がドキュメンタリータッチで進行します。度々カナがブチ切れるので観ていて眠くなることはありません。
何かヤバい切れかただなあ、と思っていたら、カナに双極症の疑いがあり、またカナの母親が外国人で親子間のコミュニケーションに問題があるとわかり、そこで一旦は腑に落ちたのですが…。
そこからラストにかけて突然抽象的な描写に変調します。理解しようとしているうちにオチがないまま突然の終了?!
それはないよ…。
ん~~オチてたのかも知れませんが、私にはわかりませんでした。抽象的な表現で観客に解釈を委ねる映画が私はどうも苦手です。
ナミビアの砂漠、それは世界最古の砂漠で人工的に造られた水飲み場には命の拠り所としてさまざまな動物が現れるのだそう。その水飲み場の様子はYouTubeで常時世界中にライブ配信されでいるとのこと。
題名もそうですが、カナが劇中でその様子を携帯で眺めてましたし、その様子はエンドロールでも流れていました。ナミビアの砂漠の水飲み場がこの映画のキーワードなんでしょうけど…。
結局のところ、砂漠のように乾いた心の今どき女子が心の拠り所を求めて男を彷徨い渡り歩くお話ということなのカナ?
河合優実でなければ、★一つのところでした。彼女でなければ出来ない役だと思いました。なので河合優実の演技力で★★★としました。