「映画を見たって意味ない?」ナミビアの砂漠 Lhowonさんの映画レビュー(感想・評価)
映画を見たって意味ない?
観賞してから時間が経ってしまいました。
頭の中で感想がうまくまとめられません。まあ、相性が悪い作品はありますよ。
砂漠の(人工的に設置された)水場に集まる野生動物を、Webカメラで眺めるわけです。それには意味がないかも知れないし、何か発見があるかも知れないし、すごく感心する事があるかも知れない。もちろん、肉食動物が草食動物を残酷にも襲いかかっていても、向う側に干渉することは出来ない。それでも、野生動物は演技が出来ないので、時間を捨てても目に入れる意義があるというものです。
人ごみの中から、面白そうな個体を見つけて観察します。運が良いことに、他の個体とは違って特徴的な行動をとります。どうやらメスのようで、周りのオスの行動に干渉を与えます。オスは割りと普通そうなので、そのメスによって普段は見られな反応を見せます。このため、いつまで見ていても飽きません。
しかし、そのメスの個体が動物プロダクションで良く訓練されてて、行動が台本に沿ったものであったらどうでしょう。自分としてはちょっとがっかりです。某テレビ局の行動を観察するバラエティー番組や、お年寄りをおちょくる番組も大嫌いです。
若くて、普通よりも社会的立場が弱い女性に対して、多くは男性が感心できない行動をとってしまっているのは理解できますし、反省すべきでしょう。それでも、主人公はあくまでも台本に沿って行動しているし、Webカメラと違い365/24ずっとさらけ出しているわけではありません。何か興ざめしてしまうのですよ。
彼女は半分くらいの時間はいらいらしているけれど、怒っても泣くことはないし、笑うこともない。服装に変化をつけないし、食事の内容に変化もつけない、音楽も聴いてないし、テレビでドラマを見て生き抜きもしない。あのピアスも、あれだけ出てくるとおかしいです。
たとえ精神疾患があったとしても、行動には何らかの原因があるわけです。認知症のかたは、『徘徊』しているわけではなく自分の現状を認知出来なくて困っているわけだし、統合失調症の陽性症状であれば、例えば幻覚に対する反応としておかしな行動をとっているのです。彼女はそういった実存感がなく、仕込み人に見えてしまいます。
河合優実さんの演技は素晴らしいの一言です。『あんのこと』も見ていますが、ベランダに出るとおんなじ行動をとるのかと心配でした。
最後に、むやみに喫煙者が出てくる映画はダメだなぁと、いつも思っています。喫煙する必要は、脚本上も無いと思います。カナのみが喫煙者であれば分かるけど、ハヤシ家の人々は吸わなくていいでしょう。そこら辺も実存感のなさに反映されていると思いました。