劇場公開日 2024年9月6日

「おじさんにも沁みる(かもしれない)今を生きる若者の一つの日常」ナミビアの砂漠 entranslopeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0おじさんにも沁みる(かもしれない)今を生きる若者の一つの日常

2024年9月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

寝られる

2020年代の若者像を、淡々と、時に暴力的に、描く。
ほぼ同年代の人物を日常的に目にすることもあり、彼ら彼女らの内面・捉え方の参考にしたい、といった安易な気持ちで視聴。

二人の男性の間を遷移する、刹那的な行動をしてしまう一方、自己分析も欠かさず、自分軸で生きている、主人公。

結果発露される出力された行為には、個人的にはまるで共感できず不快なシーンも多かったが、それが却って私にとって観るべき映画であるように感じるに至った。

それだけこれまではその、自分の感情に出来る限り蓋をして波風を立てないようにやり過ごす、面倒なものを見ないふりする、といったものにどれだけ依拠して私は過ごしてきたのだろうか…?それを刺激されたからこその不快なのか。

予定調和やスペクタクルとは全く違う、映画だからこそ描ける、面白くはない(内容では無い)が、観ていたい作品。

この年になってから、自分に正直に生きよう、問題と思うものにはきちんと向き合おう、などと云うのも何なのだが、その後押しをしてもらった気分だ。

entranslope