「例えば砂漠の中を水を求めて生き物が彷徨う話」ナミビアの砂漠 Moiさんの映画レビュー(感想・評価)
例えば砂漠の中を水を求めて生き物が彷徨う話
感想
男。女。人間。心理。
生きている社会はナミビアの砂漠と同じー。
態度行動で制限がかけられても心だけは自由で何を想い、考えても自由という考え方。例え人間的、倫理的モラルに欠ける考えであってもー。
人は生まれてから大人になるまでに、元々持ち合わせている先天的な性格と知性、後天的な親子関係やそれぞれの年齢時に受けてきた環境的影響や人間関係が、その人の個性として備わり、成長して更に人それぞれの時々の状況における印象や感想で個性の発現は変わっていく。そのようなそれぞれの個性や感覚が人間同士の付き合いの中で交わり、化学変化のような心理、感情、感覚の変化か起きていくと考える。
人間一人一人、心根や感覚に素直になるのは自由だし、良い事なのかも知れないが、人同士がコミュニケーションとして身体や心が交わる時、他人に対し何かしら尊敬出来る気持ちを共有するとか、ある程度の妥協点を見出し、良いところも悪いところも全て含めて自分が人として納得した範囲で受容出来るかを判断して行かないと、文明的な生活は成り立たないし、人間では無く、感情や考えを表現したり話したりする事の出来ない唯の動物であることでしか無くなってしまうと感じた。
女性的、男性的、いろいろな考え方はあるが、その考え方の相違が描写に鋭く端的に表現されていたと思う。
脚本・演出
これ!という答えがない、問題を提起した上で性別な心理判断としてはどう思う?という手法で話が作られていると感じた。人の先入観や性格、心理をかき乱すような演出が悩ましい程に観る者に考えさせる。これはこれでアリなのか。と感じた。
本作を鑑賞した自分なりの異性とは?という印象は女性はやはり広くて深く複雑な生き物であり単刀直入な男はとても敵わない。広く深く考え過ぎずにお互いに信頼出来て幸せになる方法は何か?と、譲れるもの、譲れないもの、を含めた妥協点は常に考えておかなといけない。と感じた。
主演の河合さん。今作でもアンバランスな難しい役をありきたりの表現で申し訳ないが、体当たりの、ありのままの姿を見せながら演じていて素晴らしいと感じる。
金子さん。芯のブレっぱなしのクリエイター役、難しい役だったな。という印象です。
寛一郎さん。情け無さ加減が今どき男子なのだなと感じました。演技は素晴らしいです。
他出演俳優陣のそれぞれの方の演技も素晴らしく、中盤までの展開は4レベル。終盤カナの心理描写で画面展開中にワイプが入ってきたところで全体的に観ていて自分の心にブレが入ってしまった印象を受けたので。
⭐️3.5
コメントありがとうございます。
相米慎二監督のフィルモグラフィーをググると、改めて凄いアイドルで撮ってますね。河合優実さんは山中監督に見出された訳じゃないのが残念、もしそうなら賛否両論のデビュー作になったと思いました。