「リタリコ」ハヌ・マン ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
リタリコ
インド映画では度々名前が出てくるハヌマンの力を受け継いだ男の話かなくらいで鑑賞。
158分でいつもよりは短いなと思えるインド映画とは…。
全体的にやりたい事が詰め込みまくっていたり、神話を複数登場させていたりしたせいかどの要素もアンバランスに感じたせいか物語にはうまくのめり込めずでしたが、映像面ではいつものインド映画とは一風変わったものが出てきたのでそこは楽しめました。
初っ端アメコミヒーローに憧れる少年が描かれ、この子がハヌマンの力を受け継ぐのかなと思ったらスーパーヒーローには親がいない理論を間に受けて自宅に放火して親を殺すという中々狂った所業をやってからは現代パートに移り、ヒーロースーツを身に纏って泥棒を成敗するシーンになりますが、この戦闘シーンが結構カッコよくて観ていられました。
圧倒的パワーに飛び道具、それに加えて残虐性というヒーローよりもダークヒーローという方が似合う風貌も相まってちょっと変わった感じのインド映画だなとワクワクしていたんですが…。
そこからはよく観るインド映画になって謎の安心感が生まれつつ、手先が器用だけど鈍臭いハヌマントゥの視点になってからもう1人の話がスタートしていきます。
ただハヌマントゥの話は特別面白い訳ではないですし、ハヌマンの力を入れるまでは結構退屈でした。
手に入れてからも割とウダウダしてるのもあって、早く次の展開が観たいんだよなぁとなる時間が続くので残念でした。
いつものダンスも今作では少なめかつ凄いダンスも無かったのでその辺あればインド映画として最低限楽しめるんですがそこも物足りないとくるとどう楽しめば…となってしまいました。
アクション映画ではあるんですが何か印象に残るアクションがあったかと聞かれると微妙なラインで、序盤のエセバットマンは良かったんですがそれ以降はどこかで観たことのあるアクションの焼き直しの連発なのでつまらないわけではないんですが物足りなさがありました。
インド映画の動物のCGは若干チープなものが多いのですが、今作はレンタルスルーされるパニック映画と変わらないカクカクのクオリティの動物がお出しされるのでその度にフフッと笑ってしまいました。
全体的に人間が動いてるんじゃってくらい動きに人間味がありましたし、なんか無理くり合成した感じは歴代のインド映画の中でも違和感を感じました。
サルが心の声ダダ漏れで喋るところは好きでした。
ドローンやヘリコプターなんかも登場しますが、アサイラム製のCGと大差ないのでここの予算降りなかったのか…とインド映画にも予算の限度があるだと思い知らされました。
かといってアクションシーンなどのCGもそこまで力の入ったものではなく、大味なCGが起用されているのでこれまたフフッと笑っちゃいました。
フラッシュみたいに高速移動もあるんですが、なんかただ足踏みしているみたいな映像になっていたところは笑いっぱなしでした。
最後はド派手に終わるかなと思ったらサラッと終わらせて続編へ繋げるというインド映画あるあるで幕を締めてしまいました。
エンドロールが画面下に表示され、それでいて小さすぎて見えず、挙げ句の果てにはエンドロール途中から無音になって不安にさせるというハチャメチャなエンドロールに震えました。
今回こそは大丈夫だろうとアクションインド映画を観続けていますがやはり当たりは少ない状況…。
まだまだ「RRR」の亡霊を追いかけていくことになりそうです。
鑑賞日 10/9
鑑賞時間 17:35〜20:25
座席 L-14