シビル・ウォー アメリカ最後の日のレビュー・感想・評価
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圧倒的没入感でホワイトハウス陥落を目の当たりに!
ラストの15分ほど、
余りにも衝撃的なシーンの連続に
鼓動が早くなり呼吸が荒くなった。
エンドロールが始まった時に
我に帰り、息と心を整えるために深呼吸をした。
そんな体験は初めてのことだった。
息を潜め爆音と共に押し寄せる残酷な瞬間に耐えて
全ての瞬間を目撃しなければならない、
まるで自分も戦場カメラマンになったような
感覚を味わった。
要するに現実感を失うほどの作品だった。
物語は年齢や性別の異なる
4人の戦場カメラマンがワシントンを目指す旅。
戦場と化したアメリカを行く前半は
疑似家族のロードムービーを通して
分断されたアメリカの惨状を、
後半は従軍記者となった彼らの目線で
ワシントン陥落を
それぞれリアリティを突き詰めた映像で描き出す。
アメリカ版地獄の黙示録、
アメリカ版フルメタルジャケット、
と銘打っても足りないほどの衝撃作。
悲壮感を放つキルスティンダンスト
開花していくケイリースピーニー
対の存在となる2人が素晴らしかった。
全てのショット、編集、そして音楽に至るまで
非の打ち所がない完璧な映画。
何が言いたいのか分かりませんでした
ん〜………、何だかなぁ〜……。
映画【シビル・ウォー アメリカ最後の日】
ちょこっと、タイトルからの勝手な受け取りイメージにより、映画館にて観てまいりました。
"ウォー"の文字があったので、まぁ戦争映画の類であろうと思い、ほんのチョットの興味本位での鑑賞に相成りました。
率直に…、タイトルから等のイメージで観るとするならば…、裏切られる感じが強く出ると思うんで、予告なりの事前知識などはあった方が良いんではないかと思われます。
戦争に関する映画ではあるんですが…、アクション系のシーン🎬などは無いんです。報道系の関係者が実際の戦争が行われている現場において、如何に大変な思いをして、戦争中にカメラを持って撮影するためにどのように奔走しているのかを物語にしたような作品です。
いわゆる戦場カメラマンなどが、どういった仕事をしているかに関心がある方々が観て、戦争を知るのには良いんではないかなぁ〜っといった印象が残る内容の映画でした。
私からは…、以上です。
(…幾度かは、居眠り💤っぽい感じで…いたカモ🦆)
人間性のリアルな現実
この監督、かなりのリアリストですね。
人間は自分の情動をどれほどコントロールしようと思ってても脳の生化学的な反応には抗えない、ということをよほど経験的に知ってるのだと思います。
だから戦争なんて、所詮はただの殺し合い。
戦場に出れば、崇高な理念も大義もなく、恐怖のタガが外れた者からどんどん残虐になるし、恐怖に負けた者も自分を失い、どんどん残虐になる。
つまり、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンなどの脳内伝達物質は一定の状況になれば、程度の差はあるのだとしても、自分の意思とは関わりなく、働いてしまうということ。
たとえ、砲弾飛び交う現場からは遠くても、ドローン兵器を操るだけの者でも、気が付けば人命への呵責などより命中させることへの快感に溺れてしまう(ことだってある)。
戦争は始まってからコントロールすることはできない。そんな当たり前のことが恐ろしいまでにリアルに突きつけられる。
カスカスの映画。☆一つも付けたくない
なぜアメリカが内戦にまでなってしまったのか、
その原因は何なのか、
和平・停戦への努力は無かったのか、
それをジャーナリストはどう捉え、どう報道するのか、
そして映画としてのエンドをどう描くのか・・・。
昨今のトランプ賛同勢力の在り様を踏まえ、
アメリカ合衆国という国の執るべき道筋の一つの考えが
示されるのでは・・・・。
期待は全て裏切られた。
「アメリカの内戦」というテーマに、
何の答えも問いかけも用意されていない。
特にラスト、エンドタイトルの背景にはあきれるばかり。
大統領を殺して全て終わり。そんな訳無いだろう。
騙された。
ある意味のリアルさは感じることができた。
戦地に行って命懸けでスクープ写真を撮って来る報道カメラマンって世の中に数多いるが、純粋な使命感よりも、賞を獲った有名カメラマンへの憧れや自分て凄い!みたいな自己陶酔によることが動機であるというリアルさというかイジリみたいな感じは良かった。
(穿った見方ですかねw)
ジョエルはあそこが硬くなるとか言ってるしw、どうみてもJKにしか見えないジェシーは最後にはカメラマンズハイになり人命への意識はすっ飛びスクープ最優先の行動を取る。
内戦に乗じて嬉々として武装する市民やアジア人を撃ち◯す人種差別主義者、惨状に目を背け農牧を続ける年寄りなど、実際にも当たり前にいるんだろうなと思わせるリアルさも良い。
でも一番リアルだったのは大統領の最後の言葉だったりして。
「インタビュー・ウィズ・バンパイヤ」の子役時代から見ているキルスティン・ダンストってまだ42才だそうだが、かなり疲れてて驚いてしまった。
いやいや、悪くないです
レビュー見ると低評価がチラホラあるので期待してませんでしたが、良かったですよ。映像と音楽が良いので見れます。
この映画は内戦の話かと思いきや、戦争写真家のロードムービーです。
アンジュルムの平山遊季ちゃん似の可愛い新人カメラマンのお姉さんが、危ないところにガツガツいきます。だからヒヤヒヤしますし、銃声も迫力があってリアルなので緊張感があります。
最後のホワイトハウス前の戦闘にめちゃくちゃ予算割いてると思いますが、非常に見応えがあり、これだけでも観て良かったなと思いましたし、映画館で観て良かったです。
ただ、「なんでヘルメットしてへんねん!w」って誰もがツッコんだと思う。最初に言うてたやん!
What kind of American are you?
今まさにアメリカ大統領選挙が行われていますが、そんな”民主的”な手段ではなく、内戦でアメリカの支配者を決めようという”近未来”を描いた作品でした。何度も観た予告編では、兵隊が民間人に対して「What kind of American are you?」と詰問するシーンが流れてました。ちょっとユーモラスな印象があるシーンでしたが、実際に観てみると主人公たちが殺されるかどうかという本作で一番緊迫したシーンであり、本作の内容を象徴するセリフだったので、あの場面を予告編に選んだ人のセンスに敬意を表したいと思いました。しかも赤いサングラスを掛けた兵隊が、よくよく見たらジェシー・プレモンスで、先日観たばかりの「憐みの3章」とは全然違う雰囲気の役柄で驚きました。今年のカンヌ国際映画祭で男優賞に輝いたジェシー・プレモンスにしてはほんの短い登場シーンでしたが、インパクトは抜群でした。
さて内容ですが、アメリカで実際に内戦が起こるとすれば、赤い州=共和党支持の州vs青い州=民主党支持の州に別れて戦いそうなものですが、本作では赤の代表・テキサス州と、青の代表・カリフォルニア州が手を組んで大統領がいるワシントンD.C.に進軍するというものでした。アメリカの実情を考えれば、この2州が手を組むとは到底思えないため、内戦の大枠にリアリティはありませんでしたが、一方で市街戦と中心とする戦闘シーンは実にリアリティがあり、一般市民が巻き添えに遭い、多数の死傷者が出ている様は、今般のロシア・ウクライナ戦争や、イスラエルによるガザやレバノンへの侵攻の恐ろしさを想起させるものでした。
また、大統領に対する単独インタビューをするために、ニューヨークからワシントンD.C.を目指したジャーナリストとカメラマン達の決死のドライブは迫力満点でした。戦地を取材して我々に伝える彼らの存在は、歴史の証人としても非常に重要であることを再認識したところ。日本ではとかく”マスゴミ”嫌いのネット民から叩かれがちの存在ですが、彼らのような人がいなければ真実を後世に伝えることは出来ない訳で、日本でももっと評価されて然るべきかなと感じたところでした。
ただ、件の「What kind of American are you?」に繋がる原因を作ったカレンが並走する車に乗り移った行動は、イマイチ動機も不明だし物語的にも突飛な流れであり、ちょっと合点は行きませんでした。ジェシー・プレモンスのセリフが良かっただけに、もう少し自然な流れで繋いで欲しかったと思いました。
そんな訳で、本作の評価は★4とします。
映画としての力がとても強かった
前線の恐ろしさと爆音と死が支配する空間を無音も含めた物凄い音響効果で本当に体験したような気持ちになった。上から下から意外な地点からとさまざまなアングルの映像もシャッター音の後の写真画像も、目を背けたくなる、逃げたくなる、悲しくなるだけでなく、ずっと眺めていたくなるものもあって目が離せなかった。台詞は少ないのに粒だっていた。
音楽もよかったし、笑える場面、楽しい場面もあったのに映画を見終り映画館を出てからも体の震えがしばらく止まらなかった。
キルステン・ダンスト、素晴らしかった。キルステンの夫のジェシー・プレモンス(赤サングラス)、こういう役を演じるタイプではないのに心底怖く見事だった。カメラマンの卵のジェシー、最初は右靴の靴ひもがほどけていてそんなんで大丈夫か!と思ったが、それを超えた後は靴ひもがちゃんと結ばれていた。
報道の嘘、分断の現実、皮肉あふれる作品
ピントの合っていない部屋の中の様子から少しずつピントが合いはじめて物語は始まる。
「我々は史上最大の勝利を目前にしている」「我々は再統合を受け入れる用意がある」とホワイトハウスで力強く聴こえるスピーチの練習をする白人男性で"任期3期目"の大統領の横顔の一方で、ホテルの一室でそのスピーチを眺めてカメラを構える女性の部屋の窓からは爆炎が上がる。
米国が分断し、カリフォルニア・テキサス勢力(WF)が中心となって19州が連邦政府から独立を宣言。
大統領を取材しようという4人のジャーナリストがNYからワシントンD.C.までの約1300kmを車で旅する話。
女性の気鋭の戦場カメラマン、リー・スミス(ソニーα)
彼女に憧れ戦場カメラマンを目指す23歳のジェシー・カレン。(Nikon FE2)
記者のシェエル、ジャーナリストの先輩で杖を付く巨漢のサミー。
PRESSの黄色いジャケットも身につけず市内の暴動を撮影しようとして巻き込まれかけたジェシーをリーが助けた縁をきっかけに相乗りをして旅をする。
journal(日記/新聞・雑誌)、Journey(旅)、shooting(銃撃/写真を撮る)、rideshare(ライドシェア/相乗り)…
物語中に無数に散りばめられたダブルミーニングとダブルスタンダード、大統領によるメディアを通じたスピーチと実態はまるで異なり、連邦政府軍はWFに攻め込まれ崩壊寸前という描写にフィクションと明示しているのに不思議とリアリティを感じる皮肉っぷりに好き嫌いが大きく分かれる作品かと思う。
市街地での暴動を始め最新のミラーレスで決定的瞬間を撮影していたリーと、その背中を見ているだけでカメラを構えることさえできなかった父のお下がりだというフィルムカメラを持ち歩くジェシー。
ニュージャージーを迂回し、現実ではUSWによる労働組合騒動で揺れるUSスチール本社のあるペンシルベニア州ピッツバーグ、ウェストバージニアを経由してホワイトハウスのあるワシントンD.C.へ。
コロンビア特別自治区(District of Columbia)は正確には州ではない連邦政府の直轄地。
大統領はFBIを解体し、治安は悪化。その一方でどちらにも加担しない街では表向き平和な光景が広がる。
死と隣り合わせの旅の中で未成熟だったジェシーがどんどん銃撃の中でものめり込むように果敢にカメラを構えて撮影に挑んでいく姿とリーがカメラを構えられずにいる姿は対称的で辛い。
この作品に何を見出すのかは観た人によると思うが、クライマックスのワシントンD.C.市街地銃撃戦とホワイトハウス攻略、軍の最高司令官を兼ねる大統領の遺体を前に笑顔でWFの兵士たちがエンドロールで映っている様子は米国の建国の理念でもある「銃を持つ権利」、政府が腐敗した時に市民(Civil)が連邦政府を倒すことを権利として認めているアメリカにおいて、日本人の感覚では分かり得ない感情が込められていると思う。
また銃声や爆発、不意に突如として奪われる人の命が作品全体に緊張感を与えてくれる。
米国では4月から公開され話題となっていたようだが、日本では奇しくもドナルド・トランプ暗殺未遂が2度も起きた後で公開されたように、大統領選挙を強く意識しつつも分断の明確な理由を政治的、政策的背景などをほぼ一切触れない点は見事。
白人男性の"3期目"の大統領はトランプのイメージとも、バイデンのイメージとも見える。
個人的には大統領選挙や政策論争は大切だが、市民の生活はそれとは切り離されて、たとえ分断があったとしても日々の生活と人生は続くのだという事を忘れている人に呼びかけている所までが皮肉なのだと思った。
面白くない。
若き従軍女性記者の成長物語か。
報道カメラマンへの道
「アメリカ最後の日」という邦題と内戦の恐怖と狂気を目の当たりにしていくアクションスリラーという番宣で鑑賞しましたが、内容は報道(戦場)カメラマンの心がテーマで、戦闘シーンには、それなりのお金を投入していますが、アメリカ最後の日なんて、映画の全然テーマには無いです!
新人カメラマンの成長を描いた作品なら、福山雅治さんと二階堂ふみさん主演の「SCOOP!」の方が良い作品だと思います。
特ダネ合戦。
西部勢力と政府軍の間で内戦が起こるなか、14ヶ月取材を受けたことのない大統領にインタビューをとニューヨークからワシントンD.C.にあるホワイトハウスを目指す報道カメラマン達の話。
車で移動しながらも取材先では西部勢力側に動向しスクープを狙う報道カメラマン達だったが…。
内戦で荒れた町中にポツンとあるスタンドで給油なんて思ったが…、なかなか思った様に事はいかず…、銃を構えた連中に拘束され吊るされる2人を見て恐怖する若い女性報道カメラマンのジェシー、場数踏んで肝が座ってく姿が勇敢にも見えたけれど。
ちょっとハメ外して別の四駆に飛びうつちゃって…、助けに来てくれたサミーの死、…ホワイトハウスでのリーの死と、彼女の身勝手な行動で亡くなってしまった仲間達を犠牲にしてまで!?と思ってしまった。
ジェシーと香港の彼が跪いてるシーンはドキドキした。
アメリカ的な能天気さにイライラさせられる
字幕版を鑑賞。原作はなく、監督が執筆した脚本に基づいたストーリーで、アメリカで 19 の州が連邦を離脱して独立しようとして内戦となり、その戦闘を報道しようとするジャーナリストと戦場カメラマンの話である。独立運動を始めた州はカリフォルニアとテキサスが中心で「西軍」と呼ばれており、政府軍は相対的に東軍となる。西軍が独立しようとしている動機などは触れられておらず、映画はアメリカが内戦状態に陥った状態から始まり、いきなり自爆テロが起こって、観客は否応なく戦場の真っ只中に置かれる。
時期的に大統領選が発端かとも思ったが、カリフォルニアは民主党支持でテキサスは共和党支持なので、大統領選が原因ならばこの2州が連合するとは考えにくい。また、民主支持は西海岸のみならず東海岸のバージニア以北の州もそうなので、西軍という分け方にはならず、海岸軍と内陸軍という括りになると思われる。
主人公らは内戦状態にある国土を西軍に従ってニューヨークからワシントン DC に向かって移動し、大統領にインタビューするという無謀な目的を持っている。政府軍ではジャーナリストを大統領の暗殺を目論む危険人物と断じていて、大統領に接近しようとするジャーナリストは無条件で射殺されるというので、無茶にも程がある。一行はベテランのジャーナリストとカメラマンなのだが、そこに若い女性カメラマンが加わる。
その若い女性カメラマンは、今時フィルムカメラを使っていて、現像してフィルムスキャナでスマホに取り込むという手間のかかることをやっている。速報性を求められる戦場カメラマンがフィルムカメラを使うことなど何のメリットも感じられず、一体何のための設定なのかと非常に困惑させられた。
この若い女性カメラマンは、典型的な現代的なアメリカ女性で、緊張感のなさと未熟さが許し難いほどである。仮にも内戦状態にある市街地で簡単に単独行動を行ったり、ふざけて別の車両に乗り込んだりと、到底付き合いきれない。車内が血まみれになってしまったのを他人が綺麗に拭き掃除しているのを目にしながら、全く手伝おうとしないなど、未熟にも程がある。しかもその血は、自分を助けてくれようと体を張ってくれた人の血だろうに。流れ弾にでも当たって早々に消えるのではと思ったが、予想は大きく裏切られた。やがて未熟な行動の代償を支払うことになるが、その相手が戦争犯罪者というのはあまり釈然としなかった。
戦時下であっても、意図的に戦闘員以外を殺害するのは殺人であって、重大な犯罪である。軍服を着た者が、敵か味方かわからないまま民間人を大量に殺害しているというのは、アメリカの民度が問われる表現だと思うのだが、これで問題にはならないのだろうか?この犯人がアメリカ人とそれ以外に対して明確に違う態度を見せるのは、トランプ批判のように感じられた。このシーンで赤いサングラスをかけた兵士役は、当初別の俳優が当てられていたが、トラブルで降板したため、急遽リー役のキルステンの実の夫が代役を務めたらしい。代役とは思えない迫力ある演技だった。
この映画のタイトルは「シヴィル・ウォー」ではなくて、「戦場カメラマン」だろうと思ったが、いくら何でも突入部隊の先頭集団と一緒に行動するというのはやりすぎだと思った。ヘルメットも身に付けずに銃弾の交錯する中に身を晒してシャッターを押すなどというのは、時代遅れのヒロイズムにしか感じられなかった。この時代なのだから、ドローンを飛ばして遠隔で撮影すれば十分ではないか。ベテランの男性ジャーナリストも、戦場の真っ只中で飲酒して寝落ちするなど、正気かと言いたいほどの能天気さが神経に障った。
戦時下であるのに水道や電気などのライフラインがほぼ正常というのは緊張感を欠いていたし、副題の「アメリカ最後の日」とは何を指すのか意味不明だった。虚偽広告と言われても反論できないレベルである。そもそも兵士でなくてジャーナリストが主役というのには鼻白むものがあった。戦場の事実を報じるとかご立派なことを言いながら、所詮は他人を出し抜いてスクープをものにすることしか考えておらず、報道の自由とか綺麗事を言いながら、自分に都合の悪いニュースは報道しない自由を行使する連中である。この映画の主人公が新聞記者だと知っていたら観に来なかった。音楽もまた緊張感を欠くばかりで、何の役にも立っていなかった。もっといくらでも面白くできた話だろうにと、残念な思いを持て余した。
(映像5+脚本3+役者3+音楽1+演出3)×4= 60 点。
戦争映画だが戦争映画ではなかった
庶民の夢
エンディングで「永遠に夢を見続けろ」という歌詞の曲が流れた。
ああ、これは多くのアメリカ人(庶民)が望む夢の話なんだと思った。
主人公の女性報道カメラマンに憧れる少女の成長物語でもあった。
ガソリンスタンドで宙吊りにされて暴行で血だらけで片目がふさがった男。それを見てショックでクルマの中で震え、遺体を埋めるお濠に落ちて這い上がり車内で嘔吐する。
そんな少女がいつしか銃撃戦が行われてる現場で活き活きとし始める。
女性カメラマンと相棒の男性、他社の新聞記者の高齢男性と少女の4人は疑似家族のようだ。
高齢の記者が「ここは危険だ。死を感じる」というのも聞かずに少女を助けようとする主人公。そして死の危険を救ったのは…
中半までは抒情的なシーンが挟まれて若干退屈だったがそれ以降はスリリングで面白かった。ショッピングモールの駐車場に落ちてるヘリや落書きだらけのアメフト競技場、生々しい遺体などリアルだ。
西部軍の集結地にヘリが飛び交うシーンの重低音の迫力は劇場ならでは。
政府軍が簡単に敗れるのは疑問だが、それが多くのアメリカ庶民の夢なんだろう。
STAY OUT
地獄の黙示録+ キルステン・ダンスト
近現代に内戦を経験した国なんてのは結構あるが、これを現代のアメリカに当てはめると背筋がゾッとするものがある。アメリカで分断を促すようなことをやっている人々にはこれを見てほしい。あなたたちは、こうなりたいのかと。
観始めるとパーソナルな映画だと気づく。内戦の行方を描くポリティカル・スリラーな盛り上がりを期待したら全然違った。登場人物の心象描写を切り取った内省的なロードムービー。予告編とは全く違う。「アメリカ最後の日」というサブタイトルは完全なミスリードだ。
そして、映画をある程度観ている人なら、おそらく途中で気づく。これは「地獄の黙示録」(=コンラッドの闇の奥=ダンテの地獄巡り)の焼き直しじゃないかと。
4人の記者が車に乗りワシントンでの大統領インタビューを目指す。これがベトナムでカーツ大佐を目指す旅に重なる。70年代風のロックが流れ、プレイボーイショーや民間船の殺戮、フランス人植民地の人々、それぞれをモチーフにしたかのようなシーンがあり…本作とは無関係だが、キャメロン・クロウが「地獄の黙示録」を撮り直したらこんな感じになるのでは。そんな作風を感じる。
キルステン・ダンストは有名な戦場カメラマンという役柄(カメラの”SONY”ロゴを消しているのは映画会社的にライバルだから?”NIKON”はそのまま)。「エリザベス・タウン」のイメージが強かったが、ちと雰囲気が変わったか。
散文的なシーンが多くて脚本は薄めである。キルステンの無言しかめ面カットも多い。もう少し彼女が何かを語るシーンがあっても良さそうだが。因みに、赤いサングラスの兵士を演じたのはキルステンの夫、ジェシー・プレモンス。撮影時は、カメラを止めると共演者が泣き出してしまうほど緊迫した雰囲気だったそう。
地獄巡りの終着。反政府軍に同行した彼らはワシントンの凄惨な銃撃戦に飛び込む。ホワイトハウスを攻撃する異常なシチュエーションもあってかなりの緊張感。ゲートに戦車砲を撃ち込み、抵抗するシークレットサービスをなぎ倒し、強大なアメリカの力の象徴が崩れ去る現場を目の当たりにする。
地獄の黙示録的ロードムービー
ミリタリーアクションを期待して観に行くとあれっ?ってなると思う。
何の説明も詳細も省かれいきなり戦争状態になってる。
カメラマン目線で描かれていく。
カメラマンとしての拘りが随所に見え隠れしてる。
途中で現像してるシーンとかで振り方とか見ると写真家から見ると完璧ってなるしストーリーがどんどん進み少女が成長していく過程をカメラのストラップの捌き方がプロになってくところとかでさりげなく表現している。
確かにツッコミどころはあるが総じて良いロードムービーだったなと感じた。
途中でインサートされるカントリーミュージックも効果的でしたね!
僕はネイティブなアメリカ人じゃないのでその土地や出身者が何処とかのちょっとしたところのニュアンスが肌感でわからないのでそこはアメリカに住んでる人から聞いてみたい。
エンドールで現れる写真が広角で撮られてるのに劇中では広角使ってなかったなぁ
でもあの写真を見せたかったんだろうなぁ笑
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