シビル・ウォー アメリカ最後の日のレビュー・感想・評価
全785件中、701~720件目を表示
期待度○鑑賞後の満足度○ ワシントンD.C.に侵攻してからホワイトハウスに突入するまでは正に戦場にいるような迫真さで魅せる。世界の各地ではこんな事がいま起こってるんだよ、どうよアメリカ?という映画。
①いま、リー・チャイルドの「ジャック・リーチャー」シリーズにハマっている。ジャック・リーチャーはアメリカ合衆国内を放浪していて各州で色んな事件に出くわす。で、いま色んな本を読んでアメリカ合衆国の各州についてお勉強しているところ。
アメリカ合衆国第2位の経済規模のカリフォルニア州と第3位のテキサス州が組めばそりゃ第1位がどんなに頑張っても勝負ついてます、という事ですわ。
でも、映画が始まったらもう内戦は始まっていたし、劇中でも何故こんなことになったのかは一切語られない。
自分には関係ないと思っている国民や、距離をおいていれば良いんだと思っている国民もいる。
その一方、敵が誰でもよくて自分達を殺そうとするからこっちも相手を殺すだけと言う国民もいれば、内戦のどさくさに紛れて大義もなく人を殺す国民もいる。
【shoot】="撃つ"と"撮る"は同じな写真とカメラの暴力性…これは現代の"地獄の黙示録"か!
フロンティアからフロントラインへと、西部劇ならぬ"東部劇"な手に汗握る社会派アクション・スリラー。緩急つけた緊張の展開が続く。興味をそそられる題材だけど、なぜそうなったのかは描かれない(ヒット次第で前日譚製作できそう?してほしくないけど)。キルスティン・ダンスト ✕ ケイリー・スピーニー = ベテランカメラマンのリーと新人カメラマンのジェシーの師弟関係的ロードムービーでもある。アメリカという開拓者精神溢れる起り・歴史とは逆に、西部から東部へ侵攻するWF。戦場カメラマンとして国内に戦争の暴力性・残酷さを伝えてきたつもりなのに、その無力さを露骨に感じては時に打ちひしがれるのか。人間の愚かさ故に様々なキッカケでその発露を求めるような、集団心理的凶暴性(ex.『パージ』)。無論、これが人間の本質だなんて思いたくないが。銃をカメラに持ち替えて、けど結局同じか。
恐怖のショータイム、死のゲームに興じるような赤サングラス姿ジェシー・プレモンスの登場尺に対する圧倒的存在感がショッキング!ヤバイ奴感エグい。キルスティン・ダンストとの夫婦共演と言っても、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』での関係性とは全然違う。恩師の死(※写真を消すの重要)から、カメラを相手に向けることの暴力性を痛感するように、終盤少し躊躇いながらも、報道の役割は時として歪んで伝わることも。逆に新人カメラマンのほうがグイグイと行く。そして、あの最後だから…。その瞬間、彼女は被写体に対する容赦の無さ・ショックな瞬間に対する貪欲さとか"一人前"になったのか、どうだろうか。ラストカットまで本当に引き込まれっぱなしだった。
冒頭A24ロゴから既に、音(楽)がすごい!意表と核心を同時に突くような、思いがけぬ選曲とそのタイミング含め秀逸。効果的な無音…からの心臓に悪い銃声!これはIMAXやDOLBYで見る価値アリ!! その個性的クセ強なフィルモグラフィーで一貫してヘンテコな作品を届けてきてくれたアレックス・ガーランドの新作は、演出意図の伝わってくるような引きのショットや演出が好み。今作でもしっかりとクセがあって、けどそれが超大作らしく幾分か取っつきやすい形になっている気もして、端的に監督前作『MEN』と比べるとより一層。また、力強い役者陣にそれらは支えられて、力強く考えさせられる。曖昧ながら警鐘を鳴らされているのは確かで、本作をどう受け取るかはあなた次第、見る者に委ねられている。ただ、敢えてこう締めくくりたい…"大いに楽しませてもらった"、と。
♪Dream Baby Dseam / Suicide
P.S. "A24最大ヒット"?"全米2週No.1"?…と鳴り物入りな情報など何処吹く風で、前からすごく楽しみにしていた作品の一本。日本では公開順が逆になったけど、『エイリアンロムルス』でも光っていたケイリー・スピーニー!あと、ちなみにニック・オファーマン大統領、眼鏡ソノヤ・ミズノ記者
戦争のリアルを巧妙なプロットで描く大傑作~
米国は世界各地に押しかけて戦争を直接・間接問わず仕掛け、世界の秩序を言い訳に豊富な資金を背景に捻じ伏せてきた。だから北米本土においての戦争は南北戦争にまで遡らなければなせない、すなわちそれ以降は国土が戦争によって汚された事はない。本作は「IF」の前提ではあるものの、近年の社会の分断を背景にあり得るIFを描いてみせた。だからラストシーンで米国大統領自身が「殺さないでくれ」の最後の一言もむなしく、あっけんからんと女性兵士によって銃殺される。そんな馬鹿な?って思うのは甘すぎます、さんざ他国でこれをやってきていたのですから米国は。おまけに死体を前に笑顔の記念撮影! これが戦争なのです。
ハリウッド映画でさんざ描いてきた第二次世界大戦でのヨーロッパ各地での戦争のリアル。のどかなフランスの田園地帯でナチスか否かで疑心暗鬼なシチュエーションで、突然の銃撃の雨と爆撃される家々。それをそっくりそのまま現代の米国の豊穣な農園で展開される恐ろしさ。モールは廃墟と化し遠雷のように戦火が飛び交う。ここはイラクか? ゲームスタジアムはさながら難民キャンプの様相で、遭遇した民兵のような輩に「WHAT KIND OF AMERICAN?」と聞かれる恐怖。同じアメリカ人なんて意識は、もはや通用しない。50年代?と思わせるローカルな商店街で聞かされたのが「関しないようにしている」と。無関心でいられる次元は遥かに超えてしまっていると言うのに。
しかし作者は実に巧妙で、民主党・共和党と2分する現実を取り込まず、カリフォルニア州とテキサス州の西部連合が立ち上がる設定を編み出す。そんな組み合わせあり得ないのが現実だからこそ、架空として観客は受け入れられ、しかも諸々の経緯も一切省略で兵器に訴える結論で本作は始まる。前提条件を描いていたら総ツッコミ必定ですから。描きたいのは本土での戦争そのもの。で、何が起こるか? 極限状態での人間の変わりようなのです。もっとも象徴的なのが赤いサングラスの野郎なのです。アウシュビッツ強制収容所さながらの累々たる死体を前にした狂気の様相なのです。
しかも、ニューヨークがスタート地点で、目的地がワシントンDC、ふたつの市街戦に挟まれるロード・ムービー仕立てってのが冴えてます。狂言回しに戦場カメラマンを据えて、その功罪をも内包し、さらに縦軸にカメラマンの先輩と後輩を配し、軟弱カメラマンを一丁前の報道カメラマンへの成長談として描く巧妙さ。さらにですよ、ピュリッツァー賞のような全世界へ発信する写真の筈が、妙に「その瞬間」のようなタブロイド調に陥ってしまったような描写が一筋縄でゆかない困難さをも描く。
IМAXでの鑑賞ですが、見事に縦も天地までのラージフォーマットで、耳をつんざく銃声の激しさには身が震える程。その銃声飛び交う音響はやはりIМAXならではのド迫力。静逸な田園風景の直後の銃撃音の鋭い事。監督・脚本のアレックス・ガーランドってこんなに巧かった? ドレスを試着する辺りの鏡を多用した撮影は、小娘にほだされる照れまで巧く伝わりました。ラスト近くでは広大な緑地の軍事キャンプでの夥しいヘリコプターや戦車など、相当に大掛かりなロケーションの大作感に酔いしれますが。これで製作費5,000万ドルとは「デューン 砂の惑星PART2」の4分の1とは驚き。
スパイダーマンに逆さキスをされてたキルステン・ダンストがすっかり貫禄増して驚きました。小娘に対する苛立ちを上手く表現して、演技も相当に成長です。その五月蠅い程にハラハラさせ、あまつさえ師匠筋にあたる先輩の死が自らに負うているにも関わらず、その瞬間を撮って悦に入る小娘がケイリー・スピーニーなんですね。「プリシラ」での美少女が、色気もない「エイリアン ロムルス」の少女と同じとは思いもよらず、本作観てやっと繋がった。あちこちで拝見する名優スティーブン・マッキンリー・ヘンダーソンが単なる抑えの役割に留まらない工夫もいい。
そしてなんといっても前述の赤サングラスの男に扮したジェシー・プレモンス(クレジットに記載なし)が圧巻です。近頃いい役で出まくりで「憐れみの3章」でも大活躍。より白っぽい白人でブロンドとくると、往々にして理性を逸脱した〇〇主義者みたいな役が多く。亡くなったフィリップ・シーモア・ホフマンのポジションに収まったかのよう。イケメンとは程遠くアメリカのど真ん中あたりに生息していそうな迷惑男にピタリ。そして彼が実生活では主演のキルステンの夫ってのが凄いよね(結局夫婦愛出演)。
米国本国でも無論ヒットしてますが、今一つ評価が上がらないのは、それはもう我が身を突っつかれている訳で、大統領(3期目とセリフにあるってことは独裁に入ったのでしょう)が情け容赦なく殺されるのもひっかかるのでしょうか。ラストのホワイトハウス攻防は当然に生々しい共和党による襲撃を連想しますが、桁違いの重火器による激しい戦いです。どんな大義も完全無意味、人々は虫けら同然に殺されるのが戦争なんです。
何故内戦を描いたのか?
この作品を見て若いカメラマンが憧れのカメラマンの取材に同行しカメラマンとして成長していくストーリーだと浅はか丸出し感想を書いてしまうとは?何故内戦を描いたかと?対立軸をあえて明らかにしないイデオロギーでの東と西の分断の不明瞭差が言いたいところ。互いにどうでもいいところ共産主義とか極右とか罵りあってるとこんなこと事のななるかもよ?って。
赤いサングラスの男のシーン怖すぎる😱
今回はIMAXで鑑賞。
序盤から丁寧にドラマを描いていて、そのあとアメリカの様子や主人公たちがD.C.を目指す様子が描かれます。
欲を言えばどういう経緯で内戦が勃発したのかも描いて欲しかった。
主人公たちの成長なども丁寧に描かれていてとてもいいと思った。
あと、銃声がリアルすぎていきなり発砲するとき、いちいちびっくりした(笑)
ラストD.C.に着いた時の戦いのシーンは、迫力満点で大満足。
この映画は結構考察しがいもあると思うので、後日よく考えて、自分なりの考察をここに追記したいと思います。
命乞い
世界中に派兵している合衆国が、テロではなく内戦が勃発することを仮想したことを映画化出来ることが驚きであり称賛できる。
でも、
記者ジョエルは内乱後の大統領への最初のインタビューを何にするかと悩んでいて、それが現に現実に実現すると、
ジョエル「大統領、何か一言?」
大統領「殺さないでくれ」
なんと、馬鹿馬鹿しいほど普通の質問に、応答はさらに普通で笑えた。
感情に流されず報道写真家は記録を残すことと言いながら、
新米報道写真家の盾となり命を守ってあげて散っていったベテラン報道写真家リー、
そのリーを亡くし命を守られたジェシーは、覚醒したように脇目も振らず大統領射殺現場に突入し記録写真を撮り収める。
民間ミニタリーマンが、捕獲した記者にアメリカ人とは、どの種類のアメリカ人と詰問する。
さらに南米、中米、何処から来たアメリカ人か?
南北アメリカ大陸、合衆国の成り立ちを想像すると侵略と奴隷のアメリカ大陸が見えて来て笑えてくる。
他にもこの映画は、アメリカ人がアメリカを客観的に俯瞰した謙虚な姿勢で警告を発していることを感じる。
そう、カメラマンもソルジャーのように第一線で任務だけを果たして行くだけでいいのか?
そんな自問に足がすくみだしたリーが取った行動が救いだと感じたが…
大統領の辞世が命乞いだったことも素敵だった。
(・∀・)
シビル・ウォー アメリカ最後の日
劇場公開日:2024年10月4日 109分
「エクス・マキナ」のアレックス・ガーランドが監督・脚本を手がけ、
内戦の勃発により戦場と化した近未来のアメリカを舞台に、最前線を取材するジャーナリストたちを主人公に圧倒的没入感で描いたアクションスリラー。
連邦政府から19の州が離脱したアメリカでは、
テキサス州とカリフォルニア州の同盟からなる「西部勢力」と政府軍の間で内戦が勃発し、各地で激しい武力衝突が繰り広げられていた。
就任3期目に突入した権威主義的な大統領は勝利が近いことをテレビ演説で力強く訴えるが、
ワシントンD.C.の陥落は目前に迫っていた。
戦場カメラマンのリーをはじめとする4人のジャーナリストは、
14カ月にわたって一度も取材を受けていないという大統領に単独インタビューを行うべく、ニューヨークからホワイトハウスを目指して旅に出る。
彼らは戦場と化した道を進むなかで、内戦の恐怖と狂気を目の当たりにしていく。
出演は「パワー・オブ・ザ・ドッグ」のキルステン・ダンスト、
テレビドラマ「ナルコス」のワグネル・モウラ、
「DUNE デューン 砂の惑星」のスティーブン・マッキンリー・ヘンダーソン、
「プリシラ」のケイリー・スピーニー。
シビル・ウォー アメリカ最後の日
劇場公開日:2024年10月4日 109分
娯楽アクション作品ではない。冷たい報道物
109分
おまえはどのアメリカ人
音響がすごい
ですね〜
初っ端から引き込まれました
IMAXかせめてしっかり音に気をつかってる映画館でぜひご覧になって
キルスティンはスパイダーマンのころから好きです。
ラストでびびってた、と思ったら、だてに歴戦カメラマンやってませんね〜
本能的なのは師匠のサミー譲りなんでしょうか。
せっかく大統領にたどり着いたところで新旧交代で、、、
しんみりしちゃいましたが、
若き気鋭の後輩が記念撮影です。
プリシラの彼女だとはわかりませんでした。
彼女の最高のショットはエンドタイトル、スクリーン上で現像、拡大、焼き付けられます。
サミーが語ってた過去の独裁者の現実が想起されました。
一番好きなシーン
山火事?燃える森をプレスカーで突っ切るところ。瀕死のサミーの手が火の粉を追います。
あと、WFと合流してサミーを悼む写真家二人、バックの川面のキラキラ。
音響だけでないですね、撮影も、です。
ライバル的なプレスクルーのビデオマンは
ケビンコスナーの現代西部劇ドラマやシカゴPDに出演してましたねー
映画館でどんどん観たい役者さんです!
今年のベストワンです♪
ソウルの春
割と普通
現実になってもおかしくないリアリティ
アメリカが内戦により分断され、同国内で同国民が殺し合い、命が簡単に失われていく様を
淡々と映し出されるがゆえ、戦争の恐ろしさがよりクリアに伝わってきた気がします。
加えて、音響による演出がハンパなくエッジが効いていて、
何度も「ビクッ」としました。Dolby Atmosで観たため、より一層“音”による迫力があり
圧倒されましたね。
俳優陣、特に主演?のキルステン・ダンスト(リー)とケイリー・スピーニー(ジェシー)が
光っていましたし、ジェシー・プレモンスの不気味且つクレイジーな演技も
素晴らしかったです。
ジャーナリストの視点から描いた内戦・戦争は、
肉眼では悲惨な状況にうつるのに、カメラを通すとどこか人ごとと言いましょうか、
客観的に見えてしまう、そこがまた恐ろしいと感じました。
その点においては、後半に火の粉が舞うなか車を進める主人公たちが映しだされるのですが、
戦火にも関わらず、どこか幻想的で美しくもあり、そう感じてしまった自分に、
そういう感情になっていいのか?と自問自答をしながら観ていました。
底冷えする恐ろしさを感じた次第です。
ロードムービーになっているため、道中含む行く先々の出来事がいちいち強烈で
ラストまでダレることなく一気に観ることができました。
ラストにおけるリーの死は、ワシントンD.C.での戦いが始まると、
リーになんとなく死亡フラグが立っているように見えていたので、納得ではあるものの
ある意味ジャーナリストとしてプロフェッショナルであったジェシーの冷静さに
違和感がありつつも、どこか納得感もあり、鑑賞後感は悪くありませんでした。
なんというリアリティ、なんという没入感、
私的フェイバリットにはならないと思うものの、すごい作品に出会いました。
音響がすさまじさが際立つ戦闘シーンはもちろん、写真家映画としても優れた一作
現実には絶対党派性が一致しそうにないテキサス州とカリフォルニア州が同盟を結び、アメリカ全土が内戦に突入する、という設定だけ聞くと、トンデモ近未来SFみたいですが、変容したアメリカをジャーナリストと戦争写真家の視点で描いた本作は、戦争映画というよりもむしろ、ロードムービーに近い内容となっています。
「内戦」であるため誰が敵なのかも判然とせず、そもそも内戦の状況はどうなっているのかすら分からない中での首都・ワシントンへの旅は、不穏な雰囲気を全編に漂わせていますが(各所での評価通り、ノンクレジットで出演したジェシー・プレモンス演じる赤いサングラスの男の恐ろしさは、やはり際立っています)、その描写は「漂泊するアメリカ」を描いたケリー・ライカートを想起するような、美しさも併せ持っています。
現実の戦場に肉薄した音響を実現したという戦場の場面はもちろん凄まじい迫力で、身がすくむような恐怖すら感じるほどですが、同時に主人公、リー(キルステン・ダンスト)ら戦場写真家が収める写真の美しさが心に焼き付きます。写真という表現媒体の持つ力強さを実感する場面であると同時に、武器も持たず戦場に身を投じ、死にゆく人々を写し取ることへの葛藤と陶酔という、写真家の心理にも迫っていて、戦場写真家の映画としても鋭い作品となっていました。
報道雑誌を連想させるようなパンフレットは、シビル・ウォーの背景を理解するうえで役立つマップや、要所要所で非常に効果的に用いられている楽曲解説など、資料としても非常に優れているので、劇場で販売していたら、購入をお勧めします(品薄とのこと)。
また、本作を通じて戦場写真家について興味が湧いた人には、伝説的な写真家ジェームズ・ナクトウェイの、文字通り彼自身の視点に近接して描いたドキュメンタリー、『戦場のフォトグラファー ジェームズ・ナクトウェイの世界』(2001)をおすすめ!
最後まで
全785件中、701~720件目を表示