シビル・ウォー アメリカ最後の日のレビュー・感想・評価
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そして少女は記者になる
映像美と音楽のマリアージュ。
今までにない
新しい切り口の
とてもいい作品。
戦争モノだから
仕方ないのですが
凄惨すぎて疲れましたが..
まず特筆すべきは
要所要所で魅せる映像美。
その映像にピッタリ合う音楽。
この映像と音楽の
マリアージュを
映画館に浸りに行くだけでも
この映画はとても価値があり
素晴らしいです。本当に。
もし、戦闘シーンと
残酷なシーンを
省いてこの映像と音楽
だけの特別編集版があったら
また何度でも観に行きたいなと思う。
それ位に映像と音楽が素晴らしい。
ストーリーは
説明しすぎず
観る側に判断を
委ねて、ある種の余白が
散りばめられた作品です。
その余白がある事により
想像を巡らせたり
考えさせられる事が
こう言った作品の
楽しみだと思います。
主人公を含む
主要な人物が
4人出てくるのですが
観る人の性別や
年齢などによって
感情移入する対象が
変わってくると思います。
主人公が完璧で
全てが正しいと言う描き方
ではないのです。
観る側の自由度が高い作品。
そういった難しい
作り込みが
決してごちゃごちゃ
するでなく、
シンプルに上手く
まとまっています。
人がバタバタと
死ぬ戦争モノが
苦手なのですが
結果、観て良かったです。
戦闘シーンの緊迫感、残酷さは現実感がありすごい迫力
"28日後"の脚本家らしいCIVIL WAR
初めて28日後を観た時のあの閑散としたイギリスから今回はアメリカへ。
ド派手なドンパチが描かれる戦争映画を期待していると肩透かしに合うくらい地味な映画だが、退廃的でリアリティのある人間描写と容赦ない暴力シーンで、今回はゾンビは出ないがより人間の残酷さ儚さが際立っておりドキュメンタリー映画のようなリアリティある作品だった。
連邦政府側が弱すぎるような気もするが、ワシントンD.C.へ向かう道中は誰が敵か味方かわからない怖さ、結局のところ対話を望まない西部勢力の暴力には暴力で対抗するしかないという今の世の中にはピッタリなメッセージ性の強い映画だった。故に笑えない映画だ。
エルトン・ジョンかよ!笑 ってくらいふざけたメガネで登場するジェシー・プレモンスが存在感があってよかった。話の通じないヤバい奴をやらせたら天下一品。たまたま妻のキルスティン・ダンストの付き添いでいたら抜擢されたという話だそうで。
あの結末で、これが娯楽映画として上映出来てしまうアメリカはやはりすごいと思った。
内戦は今もドコかで起きている
舞台は近未来の米国。
米国だからSFっぽいというか奇異なものと思いがちだが、世界のドコかで今も内戦は起きている。
ミャンマーとか、シリアとか。
本作では、独立側と連邦側、どっちがどんな主張をしているのか一切描かれない。
それは、その主義主張に焦点が当たってしまうこともあるが、
「特定の国ではなく、普遍的な物語」として描くためだったのではないだろうか?
(本作を左右対立として描かなかったのも同様。そのために、左派カリフォルニアと右派テキサスという、今の主義主張からはありえない組み合わせとしたが、これは「金持ち連合」という意味かも)
そうすることで、
「他人事」ではなく「もしかしたら自分の身に降りかかるかもしれない」
と臨場感、緊張感を持って見られるから。
日本だって他人事じゃない。
もちろんドンパチやるような内戦は起きないだろうが、
「暴動」みたいなのは起こり得る。
大昔の安保闘争みたいなモノが現代にも。
(ここ何十年とそれが無かったのは、たまたま国民が豊かだったから。今後、それは期待できない)
「戦争映画」の傑作として、今後も語り継がれる作品だと思う。
凄まじいリアリティ
迫力ありましたね。死と隣り合わせの日常生活を スゴくリアリティに 描かれてて 完成度の高い作品で 見応えありました。戦場カメラマンの 生々しさは ゲロも吐く程の 精神的にも肉体的にも ギリギリの所で 闘っているのが スゴく分かりました。
話の展開としては 中盤の台詞で 最後は こんな感じに なるんだろーと 思えてきたのと 実際に そーなってしまった事で そこは 残念な感じで そーなって欲しくない と願っていましたけど。。言うことを聞かず 好き放題やって 足を引っ張るとか その人がいると不幸を招くとかって 最後の最後まで それが死と直結していて 腹立たしい気持ちで した。こーいう映画は ハッピーエンドは ないですもんね。。戦場は ホントにヤバいです。
もし現実になったら?
音楽の使い方がなんともA24っぽく最高!
まじめに作ればよかったのに
鑑賞動機:アレックス・ガーランド7割、あらすじ2割、A24 1割。
音響に色々と仕込みがしてあるので、やっぱりIMAXにしとけばよかったかなあ。
戦争です。何も起こっていない時/場所でもやっぱり戦争です。何かそんなことありそう、というエピソードを積み重ねたロードムービーになっている。あとで地図を確認したら、ニューヨークからD.C.に行くのにピッツバーグやらウエストバージニア州やらシャーロッツビルだの言ってたから、ぐるっと大回りして反対側から入ったということか。ただあまり現代戦っぽさがないのは、プレス目線だからか。『プライベート・ウォー』と、なぜか『28日後…』をぱっと連想した。
あれ?この人マット・デイモン…じゃないよね、とおもった人がジェシー・プレモンスか。リアル夫婦にやるかやられるかの状況をさせるとは、ガーランド監督はやっぱりエグ…って、いやいやプレモンスの起用を言い出したのはダンストなのか!ほえー。 ソノヤ・ミズノは全然わからなかった。
議会乱入のことが着想の一つなのだと思うが、イデオロギー的な部分はほぼないのはちょっと意外だったが、それによって現実に偏在している「戦争」そのものを解き明かそうとしたように感じた。リーとジェシーの変化が逆方向なのもポイントか。
最後「ハイ、チーズ!」と、セリフを脳内補完するとよりグロテスクになる。
メンタルを揺さぶられる映画
裏テーマは『みんな戦争大好き?』
半年前の米国公開時から期待していてようっっやく観れた!!今年ジョーカーより期待していたと言っても過言でないです。いやあ~自分は期待通りでしたね。
分断されたアメリカ。内戦が発生し、既に政府軍は劣勢な状況に立たされている。そんなアメリカ全土を舞台にした戦争ドンパチ映画かと思いきや、主人公達はジャーナリストでガキとお年寄りも交えてのんびりワシントンDCを目指す、まさかのロードムービー。ここで肩透かしを食らった感は正直否めない。
しかし、あえて安直にマイケル・ベイ的な各地の状況を扇状的に見せるやり方では無く、殆ど見せずに主人公達にスポットを当てて既成事実として当たり前になった状況からスタートさせた方が、アメリカ人的にはよりリアリティを感じたことだと思う。
実際日本の話だとして大阪で反乱が起きました~!!みたいな映像を見せられるよりも既に得体の知れない反政府勢力が結構浸透してますって状況から入った方がリアリティを感じると思うのだ(大阪民スマン笑)。
そうして半分はロードムービー、終盤が期待通りのドンパチという構成になっていて、終盤のアクションは半年待った甲斐が有る圧倒的な迫力と轟音とスピーディーさで最高だった。他の映画の数倍くらいはみんな殺意が強くて、一切の躊躇無しにワシントンの官僚やSP達を殺しまくる。どっちが悪役なのか分からなくなってくるような錯覚に陥るが、本来これが戦争なのだと思い出させられる。
そうして本作は反政府勢力の勝利に終わり、その後は伏せられたまま幕を閉じるのだが、本作の裏テーマとして人の戦いへの欲求があるのではないか?とちょっと深読みしすぎたような持論を述べていきたいと思う(笑)
本作で印象的なのはエイリアンロムルスでも主演を演じて今が旬のケイリー・スピーニー演じるジェシーだが、このジェシーが徐々にジャーナリストとして、いや、戦地を生きる人間として開花していく姿も描かれるのだ。そこには笑顔が常に描写されており、誰かに褒められるでも無く、まさに今銃撃戦が行われている現場で笑顔を浮かべている。そして最後の最後もリーが死んだばかりなのに眼の前の生死に夢中になっている。果たしてそれはジャーナリストとしての魂なのか、それとも人間が本来持つ何かを刺激されて開花してしまった結果なのか?
もう一つ印象的なのは男性ジャーナリストのジョエルが割と好戦的で銃撃戦の現場でも興奮している姿がはっきりと描かれる事だろう。ジャーナリストとしてベテランだからそうなのか、でもそれならリーは対称的に人間らしくこの状況にどこか陰鬱としている姿が描かれる。これは主役としての補正なのか。どちらかと言うとジェシーは友としてはジョエルと仲が良い感じで、ともするとジョエルの好戦的な性格に影響された結果なのか?
そもそもの内戦の理由がぼかされている点、道中で印象的だった「どのアメリカ人だ?」の赤メガネ、最後のホワイトハウス虐殺。これらを踏まえると、裏テーマとして人は殺しが大好きというメッセージが隠されているのではないだろうか。内戦の理由がぼかされている点に関してはそもそもリアルの情勢を考慮してのことだろうが、赤メガネに関しては死体を見るに人種差別的な思想を持っていそうだったし、反政府勢力なのかどうかも分からず仕舞いで判明しているのは明らかに民間人ばかりを殺していた大量殺人鬼だということ。
そういえば序盤のガソリンスタンドで吊るされていた人間も、家に立て籠もっていたスナイパー対決もどっちがどっちなのかよくわからない存在だった。
本作、一見政府軍と反政府軍との戦いを描いた作品のようだが、道中でかなり曖昧な存在が3回も出てくるのだ。そしてそれらの状況に特に絶望する事も無く、むしろ徐々に好き好んでいくような素振りすら見せていくジェシー。
ホテルのシーンでおじいちゃんが言っていた言葉が印象的だ。どちらかが勝利すれば今度はそいつら同士で争うだろう、と。
政府軍と反政府軍の戦いは序章に過ぎない。今はこうした形が有るだけ。本来、人間は戦争が大好きでみんなその麻薬に染まっていくのだ・・・・・
だってそうだろう?
僕達だって終盤のホワイトハウス攻略戦で興奮したじゃないか^
戦争は最高だ
所詮、戦争に正義はない!
連邦政府軍とカリフォルニアとテキサスからなる西部軍との内戦。主人公は、ベテラン報道カメラマンのリーと新人カメラマンと他2名が、大統領に直撃インタビューを図り、ワシントンDCへ向かう。途中略奪者として同じ隣人を吊るす市民兵や全く無関心の街。暴徒と化した兵隊達。
戦争は、ほんと人を変えてしまう。リーを演じたキルティンダンストがいいね。後味の悪い映画だ。
緊張感がすごい
音の使い方(緩急)がすごくて、視点も面白かった。
題材であるカメラマン視点であり、スナイパー視点のような不穏さもあり。
印象的なシーンがいくつもありました。
レビューというかメモ代わり。順不同
『あなたはわたしが死んだら写真を撮る?』
墜落したヘリを撮るシーンで、ジェシーがリーに聞いたこと。
リーの方が先に死ぬなんてきっと思ってない。
そりゃまぁ駆け出しの新人とベテラン(ヒーロー)だから、その認識も間違ってはいないと思うんですが。
実際はリーが死に、ジェシーは一瞥するだけで撮らずに進む。
人間らしく感情的だったジェシーと、冷静にジャーナリズムを説いていたリーが、ここで入れ替わる。
前半のジェシーはまだまだ新人というか子どもっぽさというか純粋さが残っていて、“危なっかしい”印象。でもリーはそれに救われて(癒されて)いたのかな。
「あの子に厳しいんじゃない。君は自分に厳しい」とサミーに言われていたリー。少なからず昔の自分をジェシーに重ねていただろうなと。
後半、さまざまな経験を経て、ジェシーはどんどん前に、どんどん撮る、どんどん進む。
成長する姿は頼もしくもあるけど、違う“危うさ”を孕んでいって、リーにどう見えていたかな。それが最後に繋がったのかも。
『お前はどの種類のアメリカ人だ?』
ここ、本当にゾクゾクしました。ぞわぞわ。
白い粉(?)を撒いてるときも、死体が荷台に引っかかってても、どこの誰かも分からん記者が必死こいて命乞いしてても、全体的にあんまり興味なさそう。
興味なさそうっていうか、感情の動きがないというか。
何が正解か分からない。
必死に、慎重に生存ルートを探るジョエルたちと、淡々と作業し、淡々と問い、淡々と殺す赤サングラスの兵士(本当に兵士なのか)の対比。
このシーンから狂気がどんどん加速していく。
『いい知らせだ。』
こんなに不穏なことある?ってくらいえげつない空気感から始まり、来ると思っててもびっくりしちゃう銃声。
運転手ジョエルの判断、さすが慣れてる。
「相手は何だ?」
「分かった、お前バカなんだな。」
相手が何だとか、誰だとか、そんなん言ってられない。
撃たれたから撃つ。殺られる前に殺る。
お前バカだな。そんなの当たり前だろ。
こんな世界でよ。言わせんじゃねぇよ。
一瞥すらくれないスナイパーも合わさって、
個人的にはめちゃくちゃ好きなシーンだった。
『なるべく関わらないようにしてるの。』
観客にも刺さった人がいるんじゃないかな。
わたしはぶっ刺さりました。
ぶっ刺さってなお、映画を観終わって、好きな音楽を聴きながら平和な街を歩いて、安全な水とごはんでお腹を満たして、のんきにレビューなんて書いている。
あの街の優雅な生活や人々がわたし達なら、戦地の日常や狂気もまたわたし達のものであり得るということですね。
何を象徴しているのか考えながら観れば…ただ疲れます
評価3.5というところなんですが、悩んで3にしました。
とびきり観賞後の満足感が高いというわけでもなかったので…。
アメリカ合衆国が政治的派閥により分断されてしまった世界で、ジャーナリスト数名のパーティーがワシントンDCを目指して旅する話です。
予告観ての予想では、もう少しエンタメよりなwell-madeな作品かと考えていたのですが、仮想のジャーナリズムというか、凄惨なシーンが主人公たちによって次々写真に納められていく…という表現です。
とにかく緊張感がすごいです。気が緩むシーンがほとんどないので正直疲れます。映画好きな人が観に行くのは良いのですが、ファミリーやらカップルやらがいくのはお勧めできません。
さて、ここからネタバレかつ鑑賞の仕方についてです。
こうしたスリル満点の映画において、見始めたとき、なぜ戦うヒーローではなくジャーナリストを主人公に設定したのか、そこから考え始めました。
この映画は今のままアメリカ国民を分断させ続けると、いずれこういう未来が現実になるという、アメリカ国民への警鐘として撮られていると思います。
すると監督もアメリカ国民なわけで、わかりやすい対立構造の中でヒーローが敵方を倒してしまったら、そのまま政治的主張ととらえられかねません。
そうしたことを避けるために、どこかの派閥が悪いのではなく、分断そのものが悪なのだということで、この設定になったのだろうと考えました。(話の構造上は分断を煽っている大統領が悪ということになっています)
この捉え方を皮切りに、それぞれの登場人物が何を象徴しているのか、順に考えていくと、最終的に以下のようになりました(すみません、名前を覚えるのが苦手で…鑑賞していただければ誰のことを指しているのかはすぐわかると思います。)
主人公…現状を憂えている中年層
浮かれ男…分断を面白がっている中年層
少女…現状に課題意識は持っているが、世の中のことをわかっていない若年層(あるいはこういう若年層が現れて欲しいという監督からの希望)
老ジャーナリスト…現状を変える気力も力も持たず、達観してしまっている老年層
あまりアメリカ国内の派閥と地理的関係性は詳しくないのですが、州ごとに細かく別れているはずです。が、複雑すぎると海外視聴者がついていけなくなるので、大雑把に、西海岸(リベラル・裕福)、東海岸(保守・エリート)、中央(労働者・貧困)位の分け方にしているんだと思います。
つまりこの映画の舞台設定は、自らが当選し権力を握るために対立を煽る大統領と、富裕層の対立の間で、周りから与えられる力に翻弄され不満を蓄積させている労働者・貧困層の目で分断の状況をつぶさに観て回る、という構図なのです。
旅の途中、牧場のようなところでライフル射撃に逢い、対立している一方と会話するシーンがあるのですが、相手方は倒した後まで全く姿が見えません。他に主人公一行皆殺しの瀬戸際に立たされる場面もありますが、暴漢が何にどうして怒っているのか全くわかりません(劇中の主人公達にも理解できません)。これはつまり、今の分断・対立構造はお互い相手の何がいけないのか、何に怒っているのか当事者でも理解していないということのメタファーだと思います。
最初は好奇心だけで着いてきた少女は、こうした過酷な旅を経て成長していきます。DCでは流れ弾に当たるリスクをも恐れず、兵士に混ざって射線上に立ちながらカメラに収めていきます。
これは結局、(劇中でWFが大統領を殺害して解決したのではなく)分断を解決し、状況を打開するのは意識ある若年層しかいないという監督からのエールだと捉えました。
クライマックスで出過ぎた少女を庇って主人公は撃たれます。映像的には、調子に乗りすぎると痛い目に遭うぞ、と警告しているようにも見えますが、ここまでの全体像から俯瞰すると、希望であるこうした若年層をそれ以外の年代の人々が命がけで守っていかなければならない、というメッセージではないでしょうか。
総括です。
ヒーローがドンパチやって生き延びるアクションものを期待すると完全に裏切られます。また、映像そのものから鑑賞者が全ての情報を得られることを期待するような見方をする向きには、説明不足な作品だと思います。
捉え方は色々だと思いますが、私のような視点で解釈しながら観るのが一番スッキリするのではないかと…。結局武力による対立は映像上のメタファーでしかないので、精神的なものであれ、こうした分断分裂が起きるというのは、どの国でも考えられうる話かなと思います。日本でも徐々に中流層がなくなり分断されつつありますので、さらに先の未来として、こんなことにならないようにしなければ、と考えさせられる映画ではありました。
意味がわかってなくても人は殺し合える?
予告編に興味がそそられたが結論としては題材は面白そうなのに意味不明のオンパレードで残念な内容
内戦に至った理由描写や説明がなく、わかる施策でいうとプーチンの揶揄?なのか大統領が3期務めてたりとかFBI解散させたとか
説明がないからなぜなのかよくわからないけどそんなことで内戦しないでしょ
なんで保守のテキサスとリベラルのカリフォルニアが手を組んでるのかもわからない
とにかく説明がないから理解しようとしてもよくわからない
道中のガソリンスタンドで吊るされてるおじさんとか誰と戦ってるのかよくわからないスナイパーや山賊みたいな赤メガネとか
関わらないように努めていれば表面上は平和ですったって暴徒はそれでもやってくるのに
結果、内容もありそうでないし、誰目線で何を描きたいのかわからない
なぜ内戦が起きているのかわからない以上、人にあてるしかないんだろうけど野良ブン屋のロードムービーなのか、日中にネガを広げちゃうヒヨッコカメラマンのサクセスストーリーなのか、ヒヨッコを守るために冷静なジャーナリストが死ぬ話なのか何がなんだかさっぱり
サザンの曲の歌詞に「カメラがあれば覗きも仕事と呼べる」とは良く言ったもの
しかし、なんでヒヨッコはフィルム式なんか使ってるんだ?意味不明
ジャーナリストなんてただの野次馬が野次馬で飯を食ってるだけの崇高な生き物じゃないっていうことを言いたいだけだったのだろうか?
当然どっちのアメリカ人だ?はブン屋も同じでこの人たちが書くものもプロパガンダになるからどっち側について原稿書くんだ?という意味もあるだろうし
アメリカ人同士がイデオロギーもよくわからないのに憎悪でもって殺し合ってますよってことなのかもしれないけど、グロを撮りたいだけならセンスないなあと思った
戦場カメラマンの意義は伝わるが
アメリカ社会が孕む狂気と、幻想の平静
米国内で起こった国を二分する内戦を描いた作品であり、近年叫ばれる「分断」というキーワードがおのずと浮かび上がる。しかし、この映画からは「分断」以前の、アメリカ社会の根底にある底しれぬ狂気が見え隠れする。
アメリカは、なにより自由と権利を大切にする社会だ。Youtubeにはアメリカ警察が犯罪者を取りしまるボディカムの映像が多数公開されているのだが、富裕層から貧困層まで、実に多くの人が犯罪取締に自らの権利を盾に立ち向かう様子が見られる。
アメリカ市民(=civilian)の権利のなかには、銃器で武装し自衛する、という権利も含まれる。事実、人口3億3000万人以上の数の銃器がアメリカで正規に登録され、所持されているという。真っ当な市民であれ、極端な人種差別主義者であれ、等しく武装し自衛する権利を持つのが、アメリカ社会の特異な点と言える。
この映画には、おそらく州兵とみられる反乱軍兵士のほか、武装市民が多く登場する。ミリタリー好き的な視線で戦闘シーンを観ると、「そんな風にヘリは編隊飛行しない」とか、「兵士の分隊行動がまるで素人」といったいちゃもんを付けたくなるのだが、そこは映画の核心ではないので、ハリウッド映画のご都合ということでいいと思う。
映画全体としては、ジャーナリストである主人公たちが、合衆国大統領への単独インタビューを敢行するために首都ワシントンDCを目指すロードムービー的な流れで、近年の戦争映画にありがちな過剰演出されたドンパチの戦闘描写は一部に限られる。むしろ、主人公たちが道中出くわす人々が引き起こす事件を通して、主人公たちの心の変様に丁寧にスポットを当てることで、アメリカ社会に潜む狂気をじわりとあぶり出すような描き方がなされている。
映画の中で登場する、その狂気じみた人々は、小学校の同級生だった人を「泥棒をしようとした」としてリンチして吊り下げたり、アジア人だから、というだけの理由で躊躇なく虐殺したり、またある街の人々は「内戦には関わらなければいい」と言いつつ、遠くからスナイパーライフルで主人公たちに銃口を向ける。そのどの人物も、ガソリンスタンドの単なる店員や農場主や、アパレルショップの店員という「平静」なふるまいと、銃で武装し、時には理不尽に人に暴力を加えて死に至らしめる「異常さ」を併せ持っている。
平時のアメリカでは法の支配の下に「平静」が社会を成り立たせているが、ひとたび内戦にでもなろうものなら、「異常さ」が逆転して表出する。この危うい2面性こそが、この映画における狂気の正体だ。
作中、あるシーンで主人公たちは森林火災のなかを車で走り抜ける。カメラは、燃え盛る狂気的な炎と、幻想的に舞い上がる火の粉を交互に映す。銃弾を受け、息も絶え絶えなひとりは、その光景を笑みを浮かべ、光悦とした表情で見つめる。その異様とも言える光景が、本作のテーマを示すもっとも象徴的なシーンだ。
鑑賞後の素直な感想としては、「やっぱりアメリカとは仲良くできないかなぁ」というものだった。日本にももちろん、理性的な普通人から根っからのワルまでピンキリの人が社会に存在し、それはアメリカと違いはない。しかし、アメリカではその振り幅が極端に広く、善と悪の人口分布も日本よりずっとフラットだ。
倫理観も思想も信条も、多様であっていい。自由で多様な社会はしかし、極端な格差と過剰な権利主張を伴って分断を生み、ややもすれば自分とは異なる思想の他者を排除したり、暴力を生んだりする危うさをも孕む。この映画はそんなことを伝えようとしたいのではないか。
他の終末ものとは一味違う、荒廃した国土のロードムービー
内戦により荒廃した国土を縦断するロードムービーは、絶妙なバランスで進行していく。
何よりそれは、「戦場メディア」の視点だから。
彼らは武器を持たず、自分を襲う民兵たちに抗う手段を基本的にもたない。相手を攻撃したり、殺すという選択肢は無い。
また、銃撃の中でも、報道人であるがゆえに、少なくとも表向きは攻撃を受けないという体になっている。
終末もの映画の中で、主人公が人間やゾンビを倒しまくる場面に慣れてしまっているのでそれだけでも新鮮。
重たい音楽と、まるでドキュメンタリーのような戦場のシーン、ほぼすっぴんで表情を見せるリーは映画に説得力を与える。
ロードムービーから一転、ラストのワシントンDCの銃撃戦は緊張感が高まる。
大統領を問答無用で射殺するのも
ラスボスが逃げたり、死んだと思ったら生きていたりなんていう、B映画とは一線を画す。
星0.5マイナスなのは、ラストのリーの死のためのきっかけでしかない、彼女の飛び出しが見え見えなので。。。
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