「内容はクソだが見ておいたほうが良いとも言える」シビル・ウォー アメリカ最後の日 たまねぎ なきおさんの映画レビュー(感想・評価)
内容はクソだが見ておいたほうが良いとも言える
内容は無く、考察するほどのテーマや哲学もない映画だったが2024年〜2025年までに見ておいた方が良いんじゃないかと思える映画
いわゆる戦争映画のようなスケールの映像ではなくテレビドラマ的なカットが多い
もっと重厚な映像を期待していたが
全編FPSゲームのムービーシーンを参考元にしたような
非常に説明的かつ演出過多なシーンが多い
コンプラを気にしてか
登場する軍人やゲリラ兵がどこの州の人間かを絶対に言わないのも冷めるし
どんな理由で独立軍が誕生したのかの言及も無いのでリアリティがまるでない。
この時点でかなりひどい映画なのは間違いないのだが見ておいたほうが良いと感じた理由は
GAFA関連以外の経済が低迷しきっている今の米国で、アメリカ国内で内戦が起きる といった題材の映画が出てきた。という点が非常に興味深いのである。
フィラデルフィアやサンフランシスコの惨状やシカゴの殺人率にニューヨークの異常な物価高やデトロイトなどの産業都市のゴーストタウン化と環境汚染。
権利と傲慢が混濁となった不毛なデモなど、
かつてはテレビで流されなかったアメリカの暗い部分はネットの普及により世界に溢れ出すようになってきた。
経済の低迷はアメリカだけでなくヨーロッパや日本も、文化的にも経済的にも過渡期を越え
行き先不明の漂流船のような状態なのだが
アメリカからこういった映画が出てきた。という点において何かしらのリアリティを感じるので
見ておいた方が良いと感じる。
バブル崩壊後に
子供たちが日本の為に殺し合いを行う
バトルロワイヤルという小説が出てきた時と近しい印象を受ける