劇場公開日 2024年10月4日

「内容はクソだが見ておいたほうが良いと言える」シビル・ウォー アメリカ最後の日 たまねぎ なきおさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0内容はクソだが見ておいたほうが良いと言える

2024年12月12日
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鑑賞方法:VOD

内容は無く、考察するほどのテーマや哲学もない映画だが2024年〜2025年までに見ておいた方が良いんじゃないかと思える映画

いわゆる戦争映画のようなスケールの映像ではなくテレビドラマ的なカットが多い

もっと重厚な映像を期待していたが
全編FPSゲームのムービーシーンを参考元にしたような
非常に説明的かつ演出的なシーンが多いのがウザく、作品の質を下げている。

あら!仲間の車が道の真ん中で停まってる!
車には誰も乗ってないですよー!
不穏ですねー
死体を沢山埋めてる人がいますよー!?
今映してますよー、見て下さいねー?
きっと怖い人達ですよねー
何か酷いことが起きそうでしょー?

といった映像の説明説明説明。

コンプラを気にしてか登場する軍人やゲリラ兵がどこの州の人間かを絶対に言わないのも冷めるし
どんな理由で独立軍が誕生したのかの言及も無いのでリアリティがまるでない。

かなり低レベルなシナリオと映画なのは間違いないが
見ておいたほうが良いと感じる理由は

GAFA関連以外の経済が低迷しきっている今の米国で、アメリカ国内で内戦が起きるといった題材の映画が出てきた という点が非常に興味深いのである

フィラデルフィアやサンフランシスコの惨状やシカゴの殺人率にニューヨークの異常な物価高やデトロイトなどの産業都市のゴーストタウン化と環境汚染
自己中心的な思想を押し付け合う不毛なデモなど、
かつてはテレビで流されなかったアメリカの暗い部分は2014年頃から
あらゆるアプリやサイトを通し世界に溢れ出るようになってきた。

経済の低迷はアメリカだけでなくヨーロッパや日本も
株式という前借りと虚構の資本で成り上がってきた国は2024年現在 文化的にも経済的にも過渡期を越え
行き先不明の漂流船のような状態なのだが、
そんなアメリカからこういった映画が出てきた という点において非常に高いリアリティを感じるので
見ておいた方が良いと感じます。

バブル崩壊以降、リストラと失業や就職難で喘ぐ日本で
子供たちが日本の為に殺し合いを行うという作品 バトルロワイヤルが出てきた時と近い印象を受ける

たまねぎ なきお