「ハードなシナリオ」シビル・ウォー アメリカ最後の日 永田製麺さんの映画レビュー(感想・評価)
ハードなシナリオ
理念の先にもし分断が加速したら。
SFテイストな、僕らのちょい先に有るかも知れない物語なんだけど、少女の成長物語としての一面も描かれる。
未熟を乗り越え人としてアップデートするのが成長なんだけど、本作は報道と言う少し特殊な世界のルールな訳ですよ。
ラスト少女の目の前で大変な事が起き、普通なら取り乱し、とても耐えられないような事態に落ち入るんだけど彼女はラスト、静かに客観としてシャッター切るんだよね。
アレを非人道的、心の無い行為と捉えちゃう人も居るでしょうけどアレが報道なんだよな。
世界に事実を伝えると言う仕事は客観で在らねばならない、ただ現実のみを淡々と嘘無く伝え、主観とメッセージを乗せないのが正しい報道なんですよ。
世界に有る事実が応援協力すべき事なのか?否定すべき許せない事なのかの判断は見た側がすれば良い。
だってそこに伝える側の主観主張乗せるのは思想コントロールになっちゃうじゃん。
それはルール違反だよと僕達が戦争の歴史で学んだ事じゃん。
だから報道は時に個人を捨ててでも客観を獲得しなきゃいけないんだよな。
そこを主観と感情、思想で進んだのがそもそものこの戦争なんじゃん。
それを静かに決断、成長と描く少し残酷にもハードで強いシナリオだったな。
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