劇場公開日 2024年10月4日

「寓話の中の真実」シビル・ウォー アメリカ最後の日 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5寓話の中の真実

2024年10月7日
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 投票妨害する、内なる敵には、州兵でも連邦兵でも動員。これを討つ…。そうのたまうヒトが、大統領選に出馬しています。西部共同軍が結成されるのも、時間の問題ですね…。

 こういう映画造る、現在のユナイテッド・ステイツに、心底恐怖を覚えます。

 この映画は寓話です(今のところ)。ただこの映画の描写するものは、寓話でしょうか(そんなわけないよね)。ウクライナの首都、キーウ近郊のプチャと云う街には、知られたくない現実があるそうです(きっと、紅いサングラスした兵隊も、いたんだろうな…お前は、どの種類のウクライナ人だ?)。興味のある方は、調べてね。その上で、この映画の、とあるシーンを思い出してほしい。きっと貴方も吐きますよ。

 …あんな世界にしたくなかったから、写真を届けた。でも、あんな世界になった…。
 祖国の今に背を向けるリー姐さんと、祖国の今に立ち向かうことを選んだジェシー。皆様なら、どちらを選択します?。私なら、見て見ぬふりしそう(屋根の上のスナイパーも、見て見ぬふり)。
 例えば「フルメタル・ジャケット」。ヒトがヒトを殺す愚かさを、冷徹に描くことで、ヒトの狂気を浮かび上がらせました。ところが、本作は、そんな愚かささえも、あざけ嗤うような、当事者特有の狂気に満ちています。人の命?。それにどんな価値がある?。そもそも俺たちは、人殺しの末裔だぜ?。
 かつて市民革命が、絶対王制をギロチンにかけたように、耳障りのいいポピュリズムが、民主主義を絞首台におくる日が来るのでしょうか。

 アメリカ国内でアンケート。自分の信じる政治信念が実現するのなら、暴力を含むあらゆる手段が認められる。そう思うヒトが、8%くらいいたそうです。

 さて、皆様は、誰に投票します?。その投票用紙は、政敵を血祭りにあげる道具ですか?。あるいは…。

機動戦士・チャングム