「戦場カメラマンは、記録に徹するマシーンか、心を持った人間か。 赤サングラス男とラストの写真にアメリカを見る。」シビル・ウォー アメリカ最後の日 ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
戦場カメラマンは、記録に徹するマシーンか、心を持った人間か。 赤サングラス男とラストの写真にアメリカを見る。
戦場カメラマンは、記録に徹するマシーンか、心を持った人間か。
ベテランカメラマンは、恩師の死を前に撮った写真を削除する。
若きカメラマンは地獄を見て心を塞ぎシャッターを切る。
これが成長というなあら何と悲しいことか。
彼女の撮った初めての大スクープ!
ラスト・カット、大統領と兵士の記念写真が衝撃的。
皮肉にも、いかにもアメリカと感じた。
物語冒頭では、内戦はすでに始まっており、政府軍は壊滅状態。
ジャーナリストの4人はニューヨークからワシントンD.C.を目指す。
道中で経験するのは内戦の現実。
赤サングラス男に、ここにもアメリカを感じた。
そして、最前線のリアルな緊迫感が凄い。(是非IMAXかドルビーで!!!)
これなら、莫大な製作費のかかる全面戦争のシーンも不要。
さらに、本作は「アメリカの分断は、ついに内戦を引き起こす!」と言う話かと思えば、さにあらず。
何とリベラル・カリフォルニアと保守テキサスが手を組んで、独裁者と化した大統領率いる政府軍を倒す正義の戦争の話だったのだ。
これは実に巧妙です。クレバーなアイディアです。
なぜ実際の大統領選を控えてこのような映画が子製作・公開出来るのか理由がわかりました。
それにしても、若き女カメラマンが同行した時点で、この先の展開もラストもベタな想像がついてしまうことは確かで、いささか残念。
案の定、突如として羽目を外したおかげで、これまた殺されるために途中で合流してきた中国人と香港人だけでなく、恩師まで死んでしまう。
そして、最後は無謀にも銃撃戦のど真ん中に飛び出し、そのせいで自分をかばって憧れのカメラマンだった女性が撃たれる。
ためらわずにその瞬間をレンズ越しに見つめ、シャッターを押す。
彼女はその成長を喜んで息を引き取ったのだろうか?
コメントありがとうございます。
アメリカ万歳って・・どの種類のアメリカだ? カメラマンは成長したんでしょうが、色々喪ったんでしょう。新しいアメリカが安定したらPTSDが・・。