劇場公開日 2024年10月4日

「圧倒的没入感でホワイトハウス陥落を目の当たりに!」シビル・ウォー アメリカ最後の日 辻井宏仁(放送作家)さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0圧倒的没入感でホワイトハウス陥落を目の当たりに!

2024年10月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ラストの15分ほど、
余りにも衝撃的なシーンの連続に
鼓動が早くなり呼吸が荒くなった。
エンドロールが始まった時に
我に帰り、息と心を整えるために深呼吸をした。
そんな体験は初めてのことだった。

息を潜め爆音と共に押し寄せる残酷な瞬間に耐えて
全ての瞬間を目撃しなければならない、
まるで自分も戦場カメラマンになったような
感覚を味わった。
要するに現実感を失うほどの作品だった。

物語は年齢や性別の異なる
4人の戦場カメラマンがワシントンを目指す旅。
戦場と化したアメリカを行く前半は
疑似家族のロードムービーを通して
分断されたアメリカの惨状を、
後半は従軍記者となった彼らの目線で
ワシントン陥落を
それぞれリアリティを突き詰めた映像で描き出す。

アメリカ版地獄の黙示録、
アメリカ版フルメタルジャケット、
と銘打っても足りないほどの衝撃作。

悲壮感を放つキルスティンダンスト
開花していくケイリースピーニー
対の存在となる2人が素晴らしかった。

全てのショット、編集、そして音楽に至るまで
非の打ち所がない完璧な映画。

辻井宏仁(放送作家)