「圧倒的没入感でホワイトハウス陥落を目の当たりに!」シビル・ウォー アメリカ最後の日 辻井宏仁(放送作家)さんの映画レビュー(感想・評価)
圧倒的没入感でホワイトハウス陥落を目の当たりに!
ラストの15分ほど、
余りにも衝撃的なシーンの連続に
鼓動が早くなり呼吸が荒くなった。
エンドロールが始まった時に
我に帰り、息と心を整えるために深呼吸をした。
そんな体験は初めてのことだった。
息を潜め爆音と共に押し寄せる残酷な瞬間に耐えて
全ての瞬間を目撃しなければならない、
まるで自分も戦場カメラマンになったような
感覚を味わった。
要するに現実感を失うほどの作品だった。
物語は年齢や性別の異なる
4人の戦場カメラマンがワシントンを目指す旅。
戦場と化したアメリカを行く前半は
疑似家族のロードムービーを通して
分断されたアメリカの惨状を、
後半は従軍記者となった彼らの目線で
ワシントン陥落を
それぞれリアリティを突き詰めた映像で描き出す。
アメリカ版地獄の黙示録、
アメリカ版フルメタルジャケット、
と銘打っても足りないほどの衝撃作。
悲壮感を放つキルスティンダンスト
開花していくケイリースピーニー
対の存在となる2人が素晴らしかった。
全てのショット、編集、そして音楽に至るまで
非の打ち所がない完璧な映画。
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