「人間性のリアルな現実」シビル・ウォー アメリカ最後の日 グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
人間性のリアルな現実
この監督、かなりのリアリストですね。
人間は自分の情動をどれほどコントロールしようと思ってても脳の生化学的な反応には抗えない、ということをよほど経験的に知ってるのだと思います。
だから戦争なんて、所詮はただの殺し合い。
戦場に出れば、崇高な理念も大義もなく、恐怖のタガが外れた者からどんどん残虐になるし、恐怖に負けた者も自分を失い、どんどん残虐になる。
つまり、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンなどの脳内伝達物質は一定の状況になれば、程度の差はあるのだとしても、自分の意思とは関わりなく、働いてしまうということ。
たとえ、砲弾飛び交う現場からは遠くても、ドローン兵器を操るだけの者でも、気が付けば人命への呵責などより命中させることへの快感に溺れてしまう(ことだってある)。
戦争は始まってからコントロールすることはできない。そんな当たり前のことが恐ろしいまでにリアルに突きつけられる。
グレシャムの法則さんがおっしゃる事、めっちゃ分かる気がします。
最後に大統領を殺した兵士達が、まるで熊でも仕留めたかのように笑顔で記念写真撮ってるのが何とも象徴的でした。
コメントありがとうございます。ジェシーがもうかなり最初の段階で「怖くなかったけど、生の高揚感を覚えた」というようなことを言ってたと思います。一方でリーは終盤、仕事としての理性は保ちながらも強烈な恐怖感で動けなくなってました。この二人のそれぞれを思うたび、戦場カメラマンという仕事がなくなることはないんだろうか、戦争そのものがなくなることはないんだろうか、とかなり絶望的になりました
コメントありがとうございます。
そうですねぇ違う! とは言い切れない。プライベートライアンの終盤が嘘っぽく感じられて、男同士の絆にも疑義が生まれてしまいますね。