「なかさんぞー」かなさんどー uzさんの映画レビュー(感想・評価)
なかさんぞー
いきなりだけど、何故冒頭にあれを持ってきたんだろ。
「どうやってここに繋がるか」という“惹き”と、「どうせこうなるんでしょ」という“引き”。
本作では後者の方が強い気がします。
終盤で「あの裏側でこんなことやってたのね」という狙いもあるかもだが、あまり効いてもないし。
そこからの水鉄砲や車椅子との譲り合いは笑うとこなの?
個人的にはギャグの8割はスベっていて、後半の作業着が閉まらないくだりなども無駄に長くて…
病気のことを忘れて(ンなことある?)のサプライズは、演出も半端でシリアスなのかギャグなのか判断に迷う。
松田るかのキレ芸はなかなか面白かったけど。
構成として回想がメインとなっていて、現在における主人公の葛藤などはあまり伝わらない。
しかも決別や遺骨を持ち去るシーンもないので、過去と今を繋ぐ流れも見えず。
日記の内容も“秘密”でも何でもなく、傍目にはお母さんずっと幸せそうだったのを美花が曲解してただけ。
しかも、好きな花を訊かれた日の日記に「今では本当に好きになった」と未来のことが書かれてる始末。
最後の歌唱シーンはちょっとウルッときたが、これは役者の力によるもの。
背景を黒くする古臭い演出や、ラストカットを静止画にして締めるところは逆に冷めてしまった。
美花さん無職のままだし。
大枠自体は悪くないのだと思うが、脚本はせめて誰か協力を入れた方がよかったのでは。
クスリと出来るところはあったし、『レディ加賀』しか知らなかった松田るかのギャップは楽しめました。
なんか最後お父さん、妻の想い出しかなかったので、娘に対する想い出一切なかったんだなぁ、と悲しくなりました。最期なくなる前に娘に「ありがとうね」と一言あれば大号泣だったのですが。