ガール・ウィズ・ニードルのレビュー・感想・評価
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望まれない子
WW1終戦後のコペンハーゲンで秘密裏に養子縁組の仲介業をする女と、自身が産んだ赤ん坊が切っ掛けでそこの世話になる女が知った闇の話。
終戦間近、夫が行方不明になり家賃を滞納して家を追い出された女が、自身の働く縫製工場の社長と良い仲になって巻き起こっていくストーリー。
突然帰ってきた夫を追い出し、社長に妊娠を告げて結婚かと思いきや、ママの登場であっさり捨てられ…と展開して行く。
ていうか、公衆浴場で公衆欲情ですか?
この当時の女性が1人で行きていくのは難しいのはわかるけれど、カロリーネはなんだか寄生思想がチラホラ…そして自己中な感じも。
そしてドライにみえてなんだかんだ面倒見の良いダウマは実は…というところから、倫理観と現実とそれぞれの正義の形みたいなものをみせる流れ。
言いたいことはわかるし、一応最後は問題提起みたいな取り上げ方になってはいるけれど、カロリーネの人間性や話しの進め方から、問題提起というよりも単なるショッキングなドラマにみえてしまう。
それにこの展開は想像ができてしまうから、ドラマとしてみせて終わりだとちょっと弱かったかな。
あっ、現在はエーテルなんか飲んじゃダメだからね。
貧困と尊厳
今の自分なら色々言えるが、同じ立場だったらどうだろうか・・・。
主人公は貧困、無教養、世間知らずの3拍子が揃った23才の未亡人?
晩年のアルパチーノ(まだご存命だけど)を思わす風貌だけど、あちらでは美人なのかな。
闇で養子斡旋をしている女性は主人公女性の面倒まで見るなど、心底困っている人を助け正しいことをしていると考えているが、裁判であの女性を責めた母親たちが多かったことの方がより驚かされる。
主人公同様に面倒見れきれなかったから預けたのではないのか。
ただ本作に登場する女性たち皆を一様に責める事はできず、モヤモヤした感じで映画館を出る、そんな映画でした。
またモノクロってあんなに清潔感がなく見えるものなのかと何となく思いました。
「あんな悲惨な時代だったから仕方がない」で済ませてしまって良いのだろうか?
最初の頃は、誰が主人公で、どんな話なのかがよく分からない。
やがて、勤め先の御曹司の子供を身籠り、戦争から傷痍軍人として帰還した夫に「出て行け」と言い放つ女性が、主人公であると分かるのだが、余りに自己中心的な振る舞いのせいで、中々感情移入することができない。
案の定、御曹司から捨てられた主人公が、サーカスの見世物になっている夫とよりを戻し、出産した子供を養子の仲介者に託すところで、ようやく、どんな話なのかが分かってくるものの、ここまで、プロローグとしては長過ぎるのて、もう少しテンポ良く描けなかったものかと思ってしまった。
物語のポイントとなる養子の仲介にしても、「闇」でやっていて、しかも、子供を預ける側から手数料を徴収している時点で、その実態が容易に想像できてしまい、それが明らかになっても、さほど驚きを感じなかった。
ここでも、案の定、悪事がバレて、乳児たちを殺めた犯人は逮捕され、裁判にかけられるのだが、その一方で、主人公に何のお咎めもないことには、どこか釈然としないものを感じざるを得ない。
例え、知らなかったとは言え、主人公は、乳児の殺人に明確に関与していた訳だし、麻酔薬のせいで意識が朦朧としていたのだとしても、主犯の女性と共に、1人の乳児を死に至らしめたのも確かなのである。
「子供は宝だから絶対に手放すな」と言っていた主人公の夫が、終盤、子供を手放したことを「それが一番だ」と言ったことにも、今一つ納得することができず、ここは、身勝手な主人公を非難するような一言があっても良かったのではないかと思ってしまった。
悲惨な物語の末に、主人公が、同居していた少女を養子として引き取るラストからは、仄かな希望が感じられて後味は良いのだが、その一方で、「あんな時代だから仕方がなかった」という理屈で、主人公のすべてが許されてしまったかのようにもなっており、「本当に、それでいいの?」という疑問も残った。
夫は戦場へ行った
モノクロといい、第一次大戦といい、かつての名作を彷彿させられました。カロリーネが帰って来た夫に向かって、「出て行け!ここから出て行け!」と怒鳴り散らしたのは、これから始まろうとする、救われる人生の為(私はそう思いますが)なのが、癒されの想いを持ちました。
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