「モノクロ映像がリアルな雰囲気を醸し出し、とてもよく出来でいる映画。」ガール・ウィズ・ニードル mac-inさんの映画レビュー(感想・評価)
モノクロ映像がリアルな雰囲気を醸し出し、とてもよく出来でいる映画。
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実話を元にしている。冷静で冷徹で、モノクロ映像がリアルな雰囲気を醸し出している。とてもよく出来ている映画。
第一次世界大戦後のコペンハーゲン。世界に貧困が蔓延している時代。恋人に捨てられて貧困のために赤ちゃんを養子に出さざるを得ない主人公と、養子斡旋をする女性の話。
顔が戦争で滅茶滅茶になった男(元夫)の話も絡んでくる(いつも仮面をつけている)。
美醜、善悪など二元論で語りきれない題材をリアルに抑えた映像で描いてゆく。
養子斡旋をしていた女性は、実は殺していた。その彼女を酷いと言えるのか。貧困から堕胎できず、結局産んでしまった貧困の母親の子を「善意」で処理していた彼女(養子に出す母親には「正しいことをしたね」と伝えていた)は、罪悪感はあったようだが(モルヒネらしきものを常習して現実逃避的な快楽を得ていた)自らが信じる正義で、預かった子を何人も殺して来た。我々は、彼女を本当に一点の曇りもなく非難できるのか。
様々のことと考えさせられる題材を、緻密な画面構成で切り取ってゆく。モノクロの映像は美しさすら感じる。
ラストにちょっと救いがある(ただ何も解決していない)。
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mac-inさんのコメント
2025年6月2日
ノーキッキングさん、共感、コメントありがとうございます。
>いつそんな余裕ができたのか不思議です。いい服着てるし!
そうなんですよね、私もそう思いました!
でも、ちょっと救いが欲しかったのかな〜と思いました。
私も、もしかして、と思ったら、そのようになって。
私には許せるラストでした。