「縫い針の先を歩く」ガール・ウィズ・ニードル sugar breadさんの映画レビュー(感想・評価)
縫い針の先を歩く
「ゴッドランド」以来のファンのヴィクトリア•カルメン•ゾンネ主演、作品もアカデミー賞国際長編映画賞ノミネートとくれば、これは見逃せないと思っていました。
もっとホラー寄りの作風かと考えていましたが、ことのほか真面目で見応えありました。
悲しみを抱えた人ばかり登場します。貧困に苦しむ主人公カロリーネ、戦争で顔に酷い傷を負った夫ペーター、望まれない新生児の養子縁組を世話するダウマ、その娘、縫製工場の社長、その母親、ダウマの元へ赤ちゃんを託しにくる若い母親たち。
なんとも陰鬱でやり切れない描写が続きます。光と陰、画角の様式美を意識した素晴らしい撮影が、このつらい雰囲気をさらに強調していきます。
長い長い不幸な時間が経過しますが、カロリーネには中毒症状から救ってくれる夫がおり、ラスト 母性に目覚めた彼女が意思を持って一歩踏み出す勇気に、希望の薄日が差してきます。
望まれない新生児と同様、昨今も物議のある人工妊娠中絶。ダウマの行為は論外なのですが、この問題と彼女の主張が重なるところもあります。中絶の権利を認めると同時に、男女問わず(いや特に男性側に)教育や予防を徹底して説いていく必要があると思います。
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映画LOVEさんのコメント
2025年6月8日
今晩は^ ^遅くなりまして…
イイねにフォロー有難う御座います♪♪
宜しくお願いします、確かに最初は顔の重なりシーンから始まり余裕の無さから悪態ついてしまいましたが…最後は自分を取り戻して行く物語だったので安心しましたw

