「やや暗い話題ではあるがおすすめ枠か。」ガール・ウィズ・ニードル yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
やや暗い話題ではあるがおすすめ枠か。
今年137本目(合計1,678本目/今月(2025年5月度)22本目)。
※ 時間調整のために「プリンセス・プリンシパル」を見てからになりますが、憲法論的な解釈が存在しない映画は観てもレビュー対象外です(しかも60分ほどで、いわゆる「つなぎ」的なストーリーだったのでちょっとがっかり)。
こちらの作品です。
2025年に放映される映画で、しかも大手の映画館でオールモノクロというのはものすごく珍しい(大阪市でも好んでモノクロ映画を流す映画館はありますが(シネヌーヴォ等)、それはただ単にフィルムの問題に過ぎない)のですが、本映画は作品自体が復刻版ではないので、狙ってそうなのだろう、というところです。
第一次世界大戦の戦中戦後のデンマークがテーマですので、このあたりの知識に明るいと有利かな、といったところですが、なくても「何とか」なります。この時代のデンマークですので、男女同権思想は「この時代を考えれば」まだ(当時の年代基準を考えれば)先進国ではあったものの、いわゆる男女同権思想の話は全く出ないわけではないものの、それを全面に押さない点はある意味びっくり。
全般的に重苦しい、あるいは「みていて憂鬱になる」映画のタイプで、また明確に「誰が悪い」ということを「一概には」論じにくい(この点は当時の人権感覚等も考えたときのお話)点もまた、フランス映画っぽく「結論は自分で考えてね」みたいな論点があり、決してこう、爽快感がどうこうというような映画ではないですが、そのように問題提起型の映画、あるいは「考えるのが好き」という方にはおすすめといったところでしょうか。
採点上特に気になる点までないのでフルスコアにしていますが、デンマークの戦中戦後の歴史があればベスト、第一次世界大戦の一連の流れを理解していればベター程度なので、ある程度の知識を仕入れてからの視聴をおススメします(パンフレットを買おうと思ったら、大阪市でも超絶賛放映中の「うたのプリンスさま」が放映しすぎて売店にすら入れなかった…)。