「モノクロームの社会派ドラマ」ガール・ウィズ・ニードル kinako-catさんの映画レビュー(感想・評価)
モノクロームの社会派ドラマ
モノクロームの映像で綴られる見ごたえある社会派ドラマ。
白黒の画面から、生活にあえぐ庶民の苦しい生活にリアルさがにじみ出る。
戦争で男性達は徴兵にとられ、女たちの働く工場は軍服を縫製する。
(一応、工場勤務なのに家賃滞納を続けてしまう主人公は、借金? ホント何に使っているんだろう?)そこら辺不思議には思うけれど、家を失い追い詰められた主人公が、さらに絶望の底に落とされる。
やっと帰ってきた夫への態度も、優しくもあり酷くもあり、揺れ動く心模様が、これまたリアル。
自分の苦境から、中年女性にすがりつき、歪んだ共依存が引き起こす、不協和音アンサンブル。
女性たちも、美しく見える瞬間も有り、不潔さが際立って見える瞬間も有る。
逃げ場のない世界の絶望の中で、ラストに少しだけ光が見えた。
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