「どんな状況でも光は差す」私たちが光と想うすべて うすたらさんの映画レビュー(感想・評価)
どんな状況でも光は差す
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2024年カンヌ映画祭でグランプリ(審査員特別賞)を受賞した、パヤル・カパーリヤー監督作品のインド映画です。原題はAll we imagine as lightです。是枝裕和監督が「傑作だ」としているのを見て、興味を惹かれました。
インドのムンバイが主な舞台ですが、都心の超高層ビル群と、そのまわりの古い町並み、割と空いているきれいな地下鉄と、満員のきれいとはいない通勤電車。郊外の窓のしまらないアパート。ムンバイの南にある、自然の中で用を足す田舎町のラトナギリ村。ヒンディー語が苦手なマラヤーム語話者。貧富の差。男尊女卑の社会。50ルピー(85円くらい)のとれたての鯖…。と現代インドのリアルがわかる映画になっています。韓国のいまがわかる、ポン・ジュノ監督作品の『パラサイト 半地下の家族』が、カンヌでパルム・ドールを受賞したのは2019年でしたが、こういったその土地固有のものを紹介する映画が受賞する傾向にあるのでしょうか?
個人的にはそれほど心に響かなかったですが、マノージ先生の詩が妙に心に残っています。たしか、光についてのものだった気がします。
インド映画お約束の踊りは、最後ではなく、映画の途中で少しだけですがでてきます。
ラストシーンが、どんな状況でも光が差すことはあるということを象徴している気がして、美しかったです。
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