「インパクトのある「脳裏に焼き付く」映画」サブスタンス うすたらさんの映画レビュー(感想・評価)
インパクトのある「脳裏に焼き付く」映画
現在62歳のデミ・ムーアが、50歳のエリザベス役を演じています。エクササイズウェアに身を包んでいるときには素晴らしいスタイルですが、シャワーを浴びているのを見ると年齢相応におなかが出ていたり、たるんでいるところがはっきりわかり、ここまで晒す女優魂には驚嘆しましたし、アカデミー賞の主演女優賞にノミネートされたのもわかります。また、分身であるスー役のマーガレット・クアリーは非の打ちどころのないプロポーションで、見た目の差は歴然としています。
カンヌ映画祭で脚本賞、アカデミー賞はメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞していますが、レヴューア的にはいまいちでした。
サブスタンスは、映画の中で何度も出てくる「一体である」に表される「本体」という訳がぴったりと来る気がしますが、「同一性と変化」という、「テセウスのパラドクス」に表される、哲学的にもとても深い概念を取り扱っている映画です。ところが、分身が生成される方法については、発想の新規性を感じますが、「同一性と変化」に対する切込みは弱く、「本体」が持つある程度の記憶を含む様々な部分を共有しているはずなのに、どこまでが共有されているのかがはっきりしないので、なぜここまで互いに暴走するのかが、明確には理解できません。
最後の15分くらいは、これでもかというくらいのグロのオンパレードで、レヴューアー的には全く受け入れられず、これも評点が低い理由です。
とにかく、いろいろな意味で、インパクトのある「脳裏に焼き付く」映画でした。
粗筋によれば“分裂”時の経験は共有してるハズですが、以後は完全に別個体?
であれば(部屋の汚さや金銭面はあれど)暴飲暴食でスーがあそこまで激昂する理由が分かりません。
安定剤の質に関わるとか何かあった方がよかった。
そもそもスー=若い時のエリザベスなら誰かが気付く。
そうなると、脳移植した別人と同時に存在しているような状況なのでしょうか…
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