「何で女は男の10倍も美しさと若さを意識させられるんだよ、おかしいだろ、バカヤローという主張。」サブスタンス マサヒロさんの映画レビュー(感想・評価)
何で女は男の10倍も美しさと若さを意識させられるんだよ、おかしいだろ、バカヤローという主張。
僕はホラーは絶対見ないのだけど、たまたま聞いたラジオで(4/29㈫のTBSラジオ)で、町山智宏さんが「サブスタンス」を紹介してて、この映画に込められた監督のメッセージも含めた解説を聞き、面白そうだと思って見ることにした。
監督はこの映画で、外見至上主義が今もまかり通ってることを非難する。この映画の中心テーマである。
エリザベス・スパークル(デミー・ムーア)が、若さと美しさに固執し破滅する姿を描くことによって、美しさ、若さを、最上のものとして女性に強いるのって変だろということだ。
逆に、エリザベスを若くないからと言って降板させた男性TVディレクターとその取り巻きオヤジ連中は、女性には若さと美しさを要求し、エリザベスが若さと美しさが無くなったと言って登用しなくなるのに、自分たちは年を取っても、美しくなくてもそのまま居続ける。
鑑賞前に監督のインタビュー記事(ギズモード·ジャパンとVogue Japan)をネットで読んでおいたので、監督がこの映画で描きたかった社会問題がよく分かった。
ここから監督インタビュー記事の受け売りをグダグダ書こうと思ったけど、めんどくさいのでヤメタ (^^)。
そういうわけで、1番グッと来たところを書く。
指が1本老化したエリザベスが、先日,町で久しぶりに会った幼なじみの男性に会いに行こうとする場面が心に沁みた。
なんか本筋とは余り関係ない部分だ。
この男性は、以前エリザベスと町で会ったとき、彼女のことを今も昔と変わらず美しいと言った人物である。 彼もエリザベスの外見を重視している事に変わりはないのだが、とにかく今のエリザベスを肯定してくれる。
心がちょっと弱くなったときに、1人でも自分を認め理解してくれる人がいると勇気をもらえるというパターンである。
この場面は、無くても物語の展開に支障ないし、外見至上主義を批判したい気持ちも伝わる。ただ、わしゃあ、このパターンに弱いので、グッと来て印象に残っただけである。
しかし、エリザベスは、化粧をし、身なりを整えたのに、彼に会うのをやめてしまう。 今の自分を認めてくれた彼に会うにも関わらず、より若く、美しく見せようとする外見至上主義の自分に嫌気が差したのかもしれない。
結局、このあとエリザベスは、破滅の道を歩んでしまう。何てこったい ( ´△`)
ほいから、アカデミー主演女優賞を26才のマイキー ・マディソンが取り、62歳のデミー・ムーアが逃してる。
皮肉を込めて、「さすがハリウッド、ハンパねえ」 (^^)。
デミー・ムーアに取ってほしかったな。
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