「私にとっては大切な映画である」メガロポリス アベちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
私にとっては大切な映画である
コッポラ監督が映画人生をかけて世に出した作品にも関わらず、どの映画サイトも投稿してる皆さんの評価が極めて低い。カンヌでの公開以降、批評家がこぞって酷評したからなのか?ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)で最低監督賞を受賞したからか?レビューを見ると、宮崎駿監督「君たちはどう生きるか」と同じく巨匠は晩年に好き勝手な映画を作る。それに対する違和感あり。って感じの意見もいくつかあった(わかる気はするが、どちらも巨匠の巨匠たる所以を感じる傑作だと思う)。
コッポラが生まれた頃からアメリカはずーっと世界をリードし良くも悪くもアメリカの意向で歴史は作られてきた。第二次世界大戦後の軍事戦略では多くの国に基地を張り巡らし世界警察をも自認し戦争と紛争に関わった。ありとあらゆる産業を生み出し経済的な富も得た。原子爆弾もインターネットもiPhoneもアメリカの発明であった。そんなアメリカに綻びが生まれ、世界をリードするどころか世界を混迷に陥れてているのが、まさに「今」なのである。
アメリカを古代ローマになぞり、共和国にし、ニューヨークをニューローマとする発想がいつ生まれたかはわからないが、富裕層が享楽にふけ貧困層が食うに困る生活に苦しむ超格差社会は「今」のアメリカそのものであり、世界の国と国の格差も同じである。
アダム・ドライバー演じるカエサルはメガロン(よくわからないが凄い新素材)を発明することにより今の社会を変え、人間が幸せに暮らす理想郷である「メガロポリス」を作る為に全知全能を傾ける。そして不慮の事故で亡くなった前妻も新しいパートナーとなったジュリアも愛し、授かった子供に愛情を注ぐのである。カサエルの時間を止める特殊能力とか、近未来都市とかの画像とかでSF的な映画に見えるが、色んなものを取り除くとこの映画は「アメリカン・ドリーム」であり壮大な「ラブストーリー」なのではないか?が私の解釈である。
今の世の中のこの映画の酷評はどうでも良い。私にとっては大切な映画なのだ。
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