ANORA アノーラのレビュー・感想・評価
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心を抱くということが、どれだけ難しいのかを感じさせる物語だった
2025.3.6 字幕 MOVIX京都
2024年のアメリカ映画(139分、R18+)
ブルックリンのストリップダンサーとロシアの富豪の御曹司の結婚を巡るドタバタを描いたコメディ映画
監督&脚本はショーン・ベイカー
物語の舞台は、ニューヨークのブルックリン
「ヘッド・クォーターズ」でストリップダンサーとして働いているアニーことアノーラ・ミケエヴァ(マイキー・マディソン)は、姉ヴェラ(エッラ・ルビン)とともにブライトンビーチのアパートに住んでいた
店は客の取り合いになっていて、個室に連れていくことで給与に反映されるシステムになっていた
ある日のこと、ロシア人の青年ヴァーニャことイヴァン・ザハロワ(マーク・エイデルシュテイン)が店にやってきた
アニーはロシア語が聞き分けられるとのことで、マネージャーのジミー(ヴィンセント・ラッドウィンスキー)から接客につくように言われる
アニーはカタコトのロシア語で話し、ヴァーニャもカタコトの英語で会話を交わす
そして、二人は意気投合し、そのまま個室にてセックスをすることになった
ヴァーニャはアニーを気に入って、外で会うにはどうしたら良いかと持ちかける
そこでアニーは、友人のダンサー・ルル(ルナ・ソフィア・ミランダ)とともに、彼の家へと出向くことになった
映画はその後、1週間の専属契約してラスベガスでハメをし、そこで勢いのまま結婚してしまう二人を描いていく
だが、その結婚はやがてスクープされ、ヴァーニャの父ニコライ(Aleksey Serebryakov)と母ガリーナ(Darya Ekamasova)にバレてしまう
ヴァーニャのお目付役には、司祭のトロス(カレン・カラグリアン)が任されていて、彼は弟のガルニク(ヴァチェ・トヴマシアン)に事実かどうかを確認させる
ガルニクは何かあった時のための用心棒イゴール(ユーリー・ボロゾフ)を連れて、ヴァーニャのいる屋敷へと足を踏み入れることになったのである
映画は、ヴァーニャを捕まえるシーンのコメディセンスが素晴らしく、色々と残念な人たちのてんやわんやが描かれていく
彼らは至って真剣なのだが、そのひとつひとつが笑いの種になっていて、愛おしくも感じてしまう
さらに両親が登場してからの顛末も面白く、ヴァーニャが確保されてから、ガラッと展開が変わる流れになっていた
基本的にうるさい映画で、前半は音楽がうるさいし、中盤はアニーの絶叫がやかましい
ところ狭しと動き回るシーンが多く、セックスシーンも激しいものばかりが描かれていく
だが、この動の動きの多彩さが、ラストシーンの静の動きの対比になっていた
劇中でヴァーニャとアニーが欲していたものがすれ違っていることがわかり、ヴァーニャはそれを母親には言えない
それゆえにアニーが代弁することになるのだが、アニー自身も相当なストレスを抱えていた
彼女が欲しがったのは純粋な愛で、愛する人と結婚することを夢見ていた
それが叶ったと思ったら、母親から距離を置きたいための道具になっていて、お金さえあればその立場で我慢できるんでしょ?という精神的な乖離が生まれていた
当初はお金と結婚したと思って、それを肯定していたアニーだったが、それらが現実のものになった時、ふと自分が本当に欲していたものに気づいてしまう
そして、そういった複雑な想いが絡まった先に、イゴールとの抱擁があったのである
映画では、アニーは常にヴァーニャのそばにいるのだが、セックスは快楽で愛を確認し合う行為にはなっていない
それ以外のシーンでも、アニーはヴァーニャにはくっついてはいるけれど、抱擁という感じの温もりを与え合うという行為はなかったように思えた
イゴールとのセックスも当初はヴァーニャと同じような激しさだけだったが、イゴールはそれを拒み、彼女をしっかりと抱きしめていた
そこにはアニーが求めていたものがあって、それゆえに彼女は本当の涙を取り戻すことになる
イゴールがアニーの求めるものを与えられるかはわからないが、少なくとも、彼女が欲しかったものを再確認させる役割を担っていて、ある種の絆というものが生まれたように思えた
また、イゴールは事あるごとに「おばあちゃんのもの」というのだが、アニーのおばあちゃんはアメリカに来て英語を話さない人だった
それがアニーに夢と希望を与えたのだが、同時に絶望を味あわせることにも繋がっている
そう言った面も含めて、うまく練られたシナリオなんだなあと思った
いずれにせよ、お子様が見てはいけない映画なのだが、それはシンデレラを皮肉っている部分が多いからなのかな、と思った
お金を持った王子様はお母様の言いなりで、家族を持つという意味の深さにも繋がっていく
成人になれば本人の意思で結婚はできても、いずれは避けられない家族の問題に直面していく
ヴァーニャが何を求めているのかにアニーが向き合えばここまでのことにはならなかったし、ヴァーニャも最初からその欲求というものを仄めかしている
失敗から学ぶことは多いとは思うが、煌びやかに見えるものには多くの闇が隠れていると思うので、そう言ったところをしっかりと見極めることも、自分の幸せにとって必要なことなのかな、と感じた
コンパートメント症候群
2023年の『コンパートメントNO.6』が非常にいい映画だったので、気になっていたユーリ・ボリソフが出演というのと、海外での評価が高い、との前情報のみで鑑賞。
個人的には前半の、ストリップバーでの酩酊感と若さゆえのキラキラ感、スピード感が良かった。ただ、その前半の輝かしさも、海外に行ってみると割と普通に見かける光景。豪勢な暮らしとは裏腹、御曹司とのセックスは実にありきたり。後半失踪したイヴァン探しのドタバタ劇からは失速気味で、イゴールの意味有りげなアップから、さあどうなる?と期待したが、結局は一緒に疲れる感じで正直ウンザリさせられた。ただ海外で暮らしたことのある者、または英語ネイティブには、彼ら/彼女らのやりとりは実に滑稽に映るかもしれない。
イゴールのアノーラに対する気遣いも、われわれが日常で見かける思いやりの域を出ないように感じ、特別彼が優しいとは思えなかった。
最後、セックスでしかお礼をする術のないアノーラの悲しい性は堪えたが、よくわからないフワフワした結婚がふいになって、”夢物語?ううん。これが現実”とするくらいなら、イゴールが最後は拒んだうえで「アノーラ。自分を敬えない人間は、他人からも敬ってもらえないよ」と諭して、前向きに歩いていくアノーラを描く、くらいはしてほしかった。現実だって夢なんだから。
まあそうなるとまた別の映画になってしまうだろうが。
そんな中、劇中でわずかに映る、幸薄そうな家政婦のほうが個人的には強烈だった。アノーラは華やかな世界に身を置きつつも等身大の若者っだったので、ああいうのをメインに添えると面白い映画になるんだよなぁ...と勝手に妄想が膨らんでしまった。
その後の2人を想像してみる
心ある人間いるじゃん?!友達になれそうだよ!あんな形のお礼になっちゃうアノーラ、自然とキス求めるイゴール。泣けちゃいましたラストシーンは。元の仕事に戻る…なんて事はしないよね、アノーラ、いや…戻っちゃうかな~。見る目養って逞しく体を武器にしていくか、敏腕弁護士にでもなってほしい(実は頭良さそうだし)。イゴールもバカ息子に「謝るべき」楯突いたしアホ臭すぎる一族にウンザリして転職…。3年後に偶然再会し、過去から成長した2人、今度はアノーラがイゴールのピンチを助ける。ホンネぶつけられる親友関係始まる、とボンヤリと想像を巡らせます。
いまだに身分の差?-こんなに笑える作品だったとは!
開始直後のパリピ的なノリから、結婚を無かったことにしようとする両親とその手先たちが登場してからのスラップブティックなドタバタ劇への怒涛の展開を経て、諦観へと続いていくテンポが抜群に良い。
前半ではR18+に当然なるような性描写がてんこ盛りではあるが、あっけらかんとし過ぎていて余りいやらしさすら感じない。セックスワーカーの仕事としてこなしている様は、家政婦が部屋を掃除しているのと何ら変わらない。
アニーが好きなプリンセスはシンデレラだという台詞が出てくる。舞踏会で夢をみるシンデレラは午前零時を迎えると魔法が解けてしまう現実を抱えている。しかし、魔法が解けたら終わりなのではなく、それでも自分は自分なのだというブレない芯の強さをアニーは持ち合わせている。彼女の職業に対しては嫌悪感を持ったとしても、この強さに共感し応援したくなる女性も少なくないのではなかろうか。
にも関わらず、如何ともし難い状況のやるせ無さにも直面し、思わず涙をこぼすアニー。朝ドラの『虎に翼』ならBGMにインストゥルメンタルで「うちのパパとうちのママが…」と流れてきそうな展開。セックスワーカーを見下し、蔑みの目で身分の差を突きつけてくるイヴァンの母親に象徴される資本主義的階級社会の冷酷さ。そこでは弱いものどうしが支え合っていかざるを得ない。
だが、アメリカ合衆国という国が、そもそもの成り立ちとして、信教の自由とともに(プリンスやプリンセスが存在し、身分が生まれながらにして定められている)階級社会からの自由を求めて旧世界からやって来た人々によって建国された国では無かったのか?
自由と平等を希求する人々の国だったはずなのに「独立宣言」の理想を覆すように自らを「王」と称する男が大統領になり、大富豪が貴族のように振る舞っている。そして、大国ロシアが隣の小国を蹂躙している。そんな現実世界に思いをつい馳せながら観ていると、小娘だと思っていたら意外と手強かったのは誤算だった、という場面で劇場に笑いが起きる。
あれだけ身体を張った演技をしたんだから、ご褒美にオスカーの主演女優賞が与えられてもバチは当たらないよね。
ビッチなシンデレラ。面白くて、切ない!
ショーン・ベイカーは負け犬を描かせたら天下一品だな。
●ヒロインをあくまで売女として描いたのがいい。自分本意で身勝手で欲深な女。性的表現も妥協なく、シンデレラの要素はカケラもない。だからこそ自分を嘆くラストが胸打つ。
●登場人物、全員が自分本位な言動ばかりで笑える。ちょっとお前らだまれよ、一斉にしゃべるな!…なノリ。現実世界であるある、こんなシチュエーションあるって。
●自分本位なのに後ろめたくてちょっと優しい。それも人物たちがリアルで豊かに感じる。
ありがちなのは娼婦を銃で始末するみたいな展開はなく、攻めた後、ちょっと悪かったなぁって感じがいい。
●雪がいい。やたら寒い寒いと連呼してマフラーのための伏線かと思ったら、窓辺に立つと雪。ゾクッときた。
●雪の車内。ばあちゃんの車。最後に情感が盛り上がる。
●最後の涙。シンデレラになれなかった。なれないんだと思ったら、本当に切なくなった。
そして悪態ばっかりついていたアノーラがどういう人だったか初めてわかるのだ。
このラストに痺れた!
笑った、ハラハラした、そして泣かされた。
美人じゃないのに段々彼女の魅力にハマってしまう
アカデミー賞おめでとう!
楽しい映画でした。
出だしのノリのいい映像の編集と音楽で、一気に引き込まれる。
(ちょっと映画「マイアミバイス」の出だしを思い出す)
で、アノーラにとっての夢のような前半の後…。
後半が面白い。前半は映像のノリで引き込まれるけど、後半は、痛いドタバタコントの趣もあり、こちらは話で引き込まれる。
で、ラストにこの監督らしいサプライズが。(見ながら、絶対サプライズがあると思っていたけど、案の定)で、ちょっと深い。
主役のマイキー・マディソンは見ながら誰かに似ているな、と思ったら、後半ダメ亭主を「ヘタレ」と言っていたのを聞いて思い出した。「カーネーション」の尾野真千子だ〜!
パワフルな演技は、尾野真千子を思い出す。で、とても魅力的(美人じゃないのに段々彼女の魅力にハマってしまう。)
それと、今回の助演男優賞にノミネートされたユーリー・ボリソフがいい。で、とてもいいヤツなんです。彼も大好きなキャラでした。
アカデミー賞主演女優賞、脚本賞、編集賞、監督賞は納得だけど、作品賞は別の作品の方が…。
面白かったけど、アカデミー賞の作品賞の作品じゃない思った。
監督賞は、取れてよかった。やはり気になる監督ではある。それにこの監督は編集を自らやっているので、編集とセットだね。この監督の良さは。編集賞も取れて良かった。
観る前にハードル上げすぎたかな・・・。
ショーン・ベイカー監督の作品といえば、前作の「レッドロケット」が衝撃的に面白くて自分好みでしたが、R18だし「絶対にメジャーヒットは無理」って感じの印象でした。今回、カンヌとアカデミーのダブル受賞ということで、大いに期待して鑑賞したのですが、感想は満足感と物足りなさが入り交じりましたね。
アンチシンデレラストーリーとはよくいったもので、確かにこの映画を的確に表現していると思います。ただ、「レッドロケット」のような、意外な展開はなく、「こんなバカ息子と結婚なんかしても上手くいくわけないやん」と思って観てたら、ある意味当たり前に強制離婚という顛末で終わり。なので、ストーリー自体の面白さとしては物足りなかったかな。
大満足だったのは後半展開される、どこか憎めない連中とアノーラとのバトルチックなやりとりで、ショーン・ベイカーらしさ全開でした。普通なら観てて不快になるようなケンカのシーンが、おかしくて仕方ないというのは、脚本・演出・演者が全部そろって上手いからでしょうね。
あと、ラストシーンとエンドクレジットがそれまでのタッチから急に変わった(ように感じた)ので、少し戸惑いました。観る人によっていろんな解釈ができるラストだと思いますが、イゴールと結ばれてメデタシ、みたいなロマンティックなものではなく、そもそも彼女の人生はまだ続くのだということを示すために、あえて終わりっぽくないエンドロールにしたのかと。とにかく余韻の残るエンドロールでした。
それにしてもこの映画がアカデミー賞作品賞を受賞するというのは、時代の変化を感じます。昔はカンヌ受賞作はアカデミー賞にノミネートされることすら少なかったのに。アカデミー賞らしい、メジャー大作で質も高いという作品が少なくなっている昨今、当面こういう傾向が続くのかなと思いますが、こういう賞って個性があって全然別の映画が受賞するほうがファンとしては楽しいのですが。
前半、後半でガラリと異なる展開。ラストは意味深
ストリップダンサーではなく、性的サービスをする風俗嬢アノーラ。
そこに遊びに来た、世間知らずの金持ち息子。性的サービスに大満足しすぎて出張サービス、さらには7日間の契約まで求めます。金持ちの道楽に付き合う程度でいたアノーラでしたが、この男からのまさかのプロポーズ。遊びの延長か勢いとしかおもえないのですが、あまりの真剣さに同意して結婚してしまいます。「プリティウーマン」ばりの恋愛ドラマ展開と思いました。ところが後半は急展開に、バカ息子のお目付け役が登場して後始末をつけようとします。するとバカ息子は逃亡。お目付け役とアノーラでバカ息子を探すロードムービー展開となります。恋愛とは打って代わり笑い飛び交う珍道中です。オチはどうなるのか?親の反対を押しきり女性を一途に愛する男となると期待するも。生々しい現実でバカ息子はバカ息子のままでした。家に帰るアノーラでした。彼女はシンデレラストーリーを夢みたのではなく、一人の女性として幸せを求めたのでした。しかしそれは叶いませんでした。ラストをどう解釈するかでこの作品の評価となります。お目付け役イゴールがバカ息子に返さなかった結婚指輪を渡します。アノーラはイゴールの上に乗りセックスをします。イゴールがキスをしようとすると拒むアノーラ。そしてイゴールの胸で号泣します。
指輪を戻してくれたイゴールへのお礼がセックス。しかしキスをしたらイゴールが勘違いして愛してくるのではと思い拒んだ。もうこんな恋愛はこりごりという号泣と解釈しました。
なるほどそう来たか
ラストシーンが全てか。そこまで持っていくためにドタバタ劇を長々と流したのか。主役をアノーラとイゴールと見做せばシックリ。アニーはイゴールに跨る。イゴールが拒否しないのを責めるのは酷。パンフレットのコメント欄で、ここの受け取りが私と異なる意見があった。しかしイゴールが欲しいのはセックスよりキスだった。明らかにアニーに対して情が湧いている。同情より愛情だろう。そりゃあ、あの立場で親分の息子に謝罪を求めたのは相当な覚悟だったと思う。アニーはイゴールのキスを拒む。これは予想通り。身体を提供すること以上にキスは特別なのかもしれない。どう対応すべきかわからなかったのだと思う。その過程を経ての最後もたれかかっての涙は、ポジティブに受け取って良いと思う。二人は恋心を確信したはずだ。
タイトルなし(ネタバレ)
始めの方はコメディ要素強めで、その後どんどん奇想天外になって行くが、始めから「こんな結婚は長続きしないだろう」と観客も気付いてるはず。同僚のダイヤモンドの様に。
最後まで見て破局は「もしかしてアニーも予想の範囲内だったのかも知れない」と思った。
イヴァンが馬鹿と気づいてる上で結婚したから。ただし「破局を決めるのは私たち夫婦で、他人にどうこう言われたく無い!」と言う強い思いがあるハズ。アニーは自分の仕事に引け目は感じていない自信家だし。
しかし結婚前後は本当に幸せそう。
とにかく出来事やトークバトルが面白かった。
最後に車の中でイゴールにお礼をするアニーだが、言葉で言えずヤッタ自分の行動に自信が無くなって悲しくなる。仕事とプライベートを分けるべきプロとして2度目の崩れた瞬間だと思った。
アカデミー賞の作品賞や主演女優賞を受賞したが、破天荒なアニーを演じたマイキー・マディソンにオスカー像を渡すのが、前年に破天荒なベラを演じたエマ・ストーンだったのは面白い。
制作費は『デューン 砂の惑星 PART2 』の50分の1くらいで、ショーン・ベイカー監督は受賞式のスピーチで「インディペンデント映画が苦境にある」と語っていた。
次回作も期待したい。
いいラスト・・・って、いやいやいや
思わず感動しかけたけど、ラストの号泣シーン、合体したままですよね?・・・などと野暮なことは言いませんけどね。あの号泣からの、BGMなしのエンドロールは中々印象的。
劇場の予告しか情報入れてなくて、「現代のプリティウーマンかあ?ロミジュリかあ?」って思ったけど、逆にぼっちゃんが予想通りなクズでよかった。
前半、中盤、後半と味変もよかった。ハリウッドもまだ、こういう新機軸を出せるんだ!と感心しました!
うん、面白かったよ。
冒頭の出会いの部分はぼっちゃんのセレブぶりを見せつけられすぎてちょっと、あれだったけど、ぼっちゃん逃走後からのあの怒鳴り合いの掛け合いや、なんだかわかんないけど行動を共にするところ、手下の1人との微妙な距離感の変化など、
いいねぇ
さすがオスカー取るだけのことはある。極悪非道なキャラがいないことで、コメディタッチが生まれ、シンデレラストーリーがハッピーエンドにならない流れなど、上手かった!
当然★5+パンフですわ!
好きなのは「名もなき者」だけど、面白かったのはこっちかな?
2025年度劇場鑑賞12作品目
面白くなかったわけではないが……
なにを見せられたのかがよくわからなかった
序盤は、主役ふたりのラブラブを見せられるわけだけど、なんで結婚したいと思ったのかよくわからず
イヴァンが逃げたあとの捜索もうるさいだけで捜索が長く、コメディタッチなのはわかるけど、あまり笑えるものでもなく……
ロシアの両親が到着したあとも、なにか反撃があるのかと思ったら単に罵っただけで、ただここはロシアのお父さんが高笑いしてたのは良かった
最後、指輪返してもらって、また、いろいろな道中の間に気を許したのはわかるけどいきなりそういうことするのか、って感じで……うーん多分倫理観がnot for meだったのかなあ……
ばかにするなとがんばるアノーラのキャラが最高! 自然と付き合わされる男連中が笑える
祝、まさかのアカデミー賞主要部門独占!そこまで良かったか?とも思いますが。
シンデレラストーリーのその先を描く。
まずは、セレブの若者連中のバカ騒ぎラブ・ストーリーで始まり、結婚。
しかし、思った通りの現実に還る。
あれだけ虚勢を張って言い切っていた男が、両親が来るとなると途端に態度を変えて、女を守るどころか、置いて行って一人逃走。
遺されたアノーラは、彼の重り連中と共に男を探しまわる羽目になる。
ます、男連中に負けじと抵抗するアノーラの大暴れに応援したくなる。
男の方が、世間知らずからの「純愛」かと思えば、アノーラをそういう仕事の女として話すような、救いようのないバカ息子として描かれているから、全面的にアノーラに感情移入してしまう。
脱ぎっぷりもよくて、からみのシーンもあっけらかんとしていて全くいやらしく見みれてしまう。
自然と付き合わされる男連中が笑える。
その常に前向きに頑張って前へ前へと進むキャラクターが最高でした。
ついにその緊張の糸も着れて、泣けてしまうところもまた可愛らしい。
Greatest Day
祝アカデミー賞作品賞受賞という事で、R18+ですがどうにかヒットしてくれ〜と思っている今日この頃です。
ストリップダンサーのアニーが金持ちのボンボンのイヴァンと出会ってエッチしまくって結婚までしちゃって…そこまではシンデレラストーリー、そこからは怒涛の展開が巻き起こるヒューマンドラマで、パリピな雰囲気こそ苦手だなぁとは思いつつも、絶対後々効いてくるんだろうな…とじっくり構えながら観ていました。
日本でもこういうお店があるとは思うんですが、これって何が楽しいんだろう?と思っていましたが、こういう楽しみ方があるってしっかり視覚化できていたので、こういうのが好きな人もいるんだよな〜世界回ってるな〜ってなりました(すっとぼけ)。
アニーとイヴァンが幸せになっていくのか?と思ったら、結婚した情報が流れてお付きのものたちと部下たちがやってきてイヴァンを連れ帰ろうとするけれどイヴァンはそそくさと逃亡して、アニーはブチギレまくってるというスクリーンの情報量が過多していましたが、ハイテンションプリプリな神父のトロス、どこか抜けててドジしまくりなガルニク、屈強で冗談が通じないスキンヘッドのイゴールとなんだか憎めない3人組とアニーとの珍道中が始まって行ってからは面白さが加速していきます。
画面の中で罵声と怒声が溢れかえっていて、ロシア語と英語の字幕もごっちゃになってるっていうカオスな状況下なシーンが延々続くんですが、もうとにかく言い争っているのがだんだん面白くなってきて、段々優しい目で見ていられるようになる不思議な体験ができました。
この手の言い争いって基本顔を顰めたくなるくらい不毛なものだったり、ただただ気分が悪くなるものが多いのに、コメディっぽくなっているのはバランスの妙だなと思いましたし、重苦しくなく観れたのも良かったです。
イゴールが生温かい目で見守り、トロスが自論垂れ流しまくりで発狂、ガルニクが嘔吐と披露でぐったりばったりとそれぞれの役割を果たしに果たしまくっており、ボケとツッコミどっちもできるアニーが右往左往したりと、スクリーンに一切映らないイヴァンを巡っててんやわんやする流れがとても好きでした。
イヴァンがクソ野郎なのはもちろん、自分で何も判断できずに無闇に暴走しているというのは甘やかされていて、かつ親からの愛情を一心に受け取っていない感じの解像度がめちゃくちゃ高かったです。
酔っ払いまくってまともに会話をもできない状態のくせに悪態はついたりと、アニーがそそくさと突き放してくれてスッキリしました。
両親はやはり難ありで、母親は愛情を与えているように見えてどうにも自分のための保身に走っているようで、周りへの態度もキツいときたもんですからイヴァンの親だなぁって感じでしたし、父親は無関心に近い感じだったので、イヴァンもそりゃそうなるよと頷きっぱなしでした。
ラストにかけてはそれまでのハイテンションっぷりはどっしり抑えて、しっとりしたイゴールとアニーのやりとりが哀愁を感じられるものになっていてじっくり眺めることができました。
ラストシーンのゆったりと引き締まった空間からのやり取りなんかもなるほどなぁ〜と自分なりの納得をしながらエンドロールに持っていくもんですからにくい演出でした。
役者陣は最高でマイキー・マディソンの体の張りっぷりと強気な態度はとにかく見応え抜群で、ユーリー・ボリソフのニヤッとする感じの演技も良い味出しまくっていました。
若干長いかなと思うシーンはありましたが、最初から最後まで妥協なき責めっぷりに圧巻されました。
こういうテイストの作品も偏見なく評価されるのはいいなと思ったので18歳以上の方は映画館に駆け込んでいきましょう。
鑑賞日 3/2
鑑賞時間 17:45〜20:15
座席 D-10
まさに今の世界そのもの
めちゃくちゃ面白かったです!
あっという間のラスト。
とにかくアノーラたちの言い争いが面白い。
そのテンポやバランスがまぁ見事。
こんなにたくさんの言い争いで溢れている映画ってあるんでしょうか?
私は初めての体験だったので、すごいなこの作品とそこでもう衝撃を受けました。
ただこの作品、そんな表面的な面白さだけではないのですよね。
私にはアノーラに起きた出来事=ウクライナがロシアから受けている侵略戦争にしか見えなくて。
戦争って各々の国の主張のぶつかり合いなんだと、すごい具現化を見せられたなと思いました。
なので面白いけどとても辛くも感じました。
トロスのボスの命令が何よりで、それには警察だろうが何だろうが他人の都合お構いなし、自己中心的な行動は正に軍の侵略。
そして極めつけはイヴァンの母親!
プーチンそっくりの顔だったのでここまで似せてくるか、と笑ってしまいました。
父親は中国ともアメリカとも取れるのかな。
おそらく他にもっと何層にもメッセージが隠れているのでしょうね。
他のミネート作品をまだ観てないので何とも言えませんが、私はアノーラはアカデミー作品賞を取るに十分適した作品だと思いました。
ラスト、イゴールがイヴァンに「謝ったほうがいい」と言い、アノーラに何もせずただ優しく受け止めてくれたことが救いでしたが…。
でも今の世界にこの存在がいるんだろうか。
私たちはなれるのだろうかと考えさせられます。
エンドクレジットの無音の黒画面が現実を有り有りと突きつけてくるようでした。
明るい気持ちになる映画ではありませんが、私はこういうやるせない気持ちになる作品も大好きですよ。
そこに愛はあるのかい
ストリップダンサーのアノーラがお金持ちの御曹司と出会い結婚するも、御曹司の家族から反対されてしまうというお話です。
前半の結婚に至るまでの盛り上がりにワクワク、アノーラの見事なプロポーションに私もドキドキしちゃいましたよ。
後半は洗礼を退席しちゃう口の悪い神父と、使いの係り2人とアノーラがイヴァンを探すためにニューヨークの街を転々とするのですが、これが面白い。皆んな言いたいことばっか喋るからかなりやかましい笑
掴んだ幸せを信じて喰らい付いていくアノーラがとても逞しかった。あの息子は働くよりも更生施設に入れないと…。
最後は娼婦でもエロティックダンサーでもエスコート嬢でもなく1人の女性として咽び泣くアノーラに胸を打たれました。
カムダウン❤ナチズムももうすぐ100年!
暫くぶりの亀有。
やっぱり、ホームグラウンドだね。
かなり以前から言われている2029年問題。つまり、アメリカ資本主義の最初のつまづきから
100年。それは第二次世界大戦後を引き起こすきっかけとなる。さて、そうなるまではこの映画のスラップスティックな出来事がアメリカに蔓延していただ。つまり、この映画は、これから起こるかもしれないアメリカ資本主義の終焉を匂わせている様に感じる。
そして、現在の壊滅寸前(かもしれない)のアメリカ資本主義は、ロシ○や他国に追い撃ちをかけられる。(かけられている)
そこで、満身創痍のアメリカはこれ以上悪い状況を払拭するため、仮想敵国をあえて受け入れて行かねばならない。
映画は「まざーふぁっかー」にこてんこてんにやられ、同じく「サナダびっち」の息子は、空気の読めない愚行を繰り返す。
映画は、全てデフォルメしている。勿論、鑑賞者はその状況に「カムダウン」と言い、ヘキヘキするだろう。
しかし
この映画の様に、突然切れて、その後、切れまくるキャラクターが多いのは日本の「ジジィ」くらいで、○シアにもアメリカにもいない。勿論、変な奴は沢山いるが、勝手にクレ○ジーな存在でいる場合が多い。
トラ○プ大統領の思惑もそう言った所にあるんじゃないかなぁ。相手がクレイジ○でも、どこかで身をひかない限り争いは終わらない。
アカデミー賞と言うよりも、ノーベル平和賞向きの映画だ。
ストリッパ○はあくまで男性社会を象徴する職業で、本来はあってはいけないものである。アメリカのストリップと日本のストリップは多分違うものと思われる。つまり、春を売る物理的女性の昔からの仕事なのだろうと思う。
ロシアは違法だがドイツ、オランダ、ベルギー等等の資本主義先進諸国は合法である。勿論、日本は形の上で1955年に違法となり、それは持続している。(?)
さて
日本人がストリップと思っている踊りは
「ポールダンス」と言うはずだ。、
何を観させられたんだろう
アカデミー賞ホイホイで(自分もそのうちの1人ですが)平日朝イチの回なのに、半分ほどの入りの劇場で鑑賞。
…ごめんなさい。
2時間20分、苦痛の時間でした。
主人公2人がクズすぎます。
ドラ息子はもう仕方ないとして、アノーラが最後までビッチ…(心はどうあれ、やっていることは…)だったのが、女性の自分には受け付けられませんでした。
ショーン・ベイカー監督のこれまでの作品を見たことがありませんが、移民やマイノリティ、セックスワーカーに寄り添った作品で定評があると。
セックスワーカーの汚名をそそぎたい、って、これは逆効果なのでは?とすら思ってしまいました。
ビッチなのも含めて肯定しなきゃいけないのだとしたら…少なくとも、ロシア系アメリカ人に何の思い入れのない自分には無理だー。
最初の50分はただただ、主役の二人が素っ裸でセックスしまくり(たぶん10回ぐらい)、酒やら薬やらをキメるシーンが出てくるので、そういうのが苦手な方は回れ右です。
次のドタバタコメディパート、劇場では笑いが起こっていましたが、私はクスりとも笑えませんでした。ただfuc○ing、を言わせればいいってもんじゃないよね。
本筋と関係ないパートで脇役たちに小話をさせて笑いを取るって、かなり高等テクニックなんだなと。(タランティーノはやっぱりすごいですね)
以下、あまりに退屈だったのでスクリーンを観ながら考えていたこと。
・アニー役のマイキー・マディソンって、まぶたが奥二重で蒙古襞もあって、日本人ぽい目だな。西洋人にしては珍しい。
・ロシア人にも罵られるアルメニア人て、あちらではどんな位置付けなんだろう?
申し訳ないが、日本人からみたら目糞鼻…
・t.A.T.u. を30年ぶりに映画館で聴くなんて!
・お母さん役の人、メラニア夫人に似てるなー。ロシア系だし、たぶん整形してるだろうし、同じ顔になるんだね。
・もしかして、監督は最初主人公を女性ではなく、ゲイの男性ストリッパーを主役にして脚本を書いてた、って可能性はないか?不自然に、同性婚とか、ホモ野郎、みたいな台詞が出てきたので。いや、そっちならあの救いのない結末もまだ納得がいくというか。
…すみません、完全に戯言です。
改めて言いますが、かなり観る人を選ぶ作品かと思われますので、アカデミー賞受賞、につられて観に行くのは厳禁です。
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