ANORA アノーラのレビュー・感想・評価
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映画は18禁要素が終わってから始まります。
ネタバレタイトルで失礼ですが、それがこの映画の要かと。でも、その18禁要素が大事な舞台背景の説明かと思います。
クラブで働くアニーは条件次第で売春も応じるストリップダンサー、大金持ちの御曹司に気に入られ、セックスドラッグの乱痴気騒ぎ。そしてプロポーズ(と金の条件付き)で迫られ結婚。それが親に知れて大騒ぎ。で、映画はそこから。
そのプロポーズがどこまで本気か。特に明示されていないのだけど、遊び歩いて道楽三昧の道楽息子にまともな夫として家庭を築けるなんて思えない。主役のアニーも判っているのかいないのか。離婚を親の部下から迫られても、法と暴力も振るって強気の抵抗。それはどこまで本気なんだろう。お金目当てか、愛情か、ただ負けたくないだけなのか。すでに道楽息子はトンズラして、その振るまいは男としてそれでいいのか。
その対比なんでしょう。(限定的な例えで申し訳ないけど)DETROIT BECOME HUMANというゲームに登場する二人目の主人公にそっくりな腕っぷしの強い用心棒。その彼の男っぷりが実に格好いい。最初は取り押さえられて腕を縛られたアニーとは険悪な仲だったけど、だからこそ、徐々に距離を詰めていく様がとても良い。すかさず突きつけられたバットを奪う手際、他の親の部下達と比べても物に動じない紳士振り、登場する男たちのなかで唯一、鍛えられた「本物の男」だったからこそ、アニーも惹かれていったのでしょう。
距離を詰めた挙げ句、煙草に火を付けてから回す親密さ。にも関わらず、「男色」などと何の根拠もなく煽って席を立つアニーは、ほら来なさいと誘っているに決まってる。
それでも応じない。それでも紳士振りは変わらない。自分がネコババするなどと考えもせず、隠し取っておいた指輪を譲るあたり、惚れない女などいるものか。そして遂に実力行使、忘れたはずの18禁要素で上に乗るけど、ああ、それでも応じない。アニーは苛立ち、果てはすがりついてすすり泣く。その彼女の想いは何だろう。
単純になびかない彼への苛立ちか。散々、金目当てで道楽息子に振り回され、その母親との勝負にも負かされ、何も自分は「本物」、「真(まこと)」を得られない。ストリッパーとして生きてきた彼女に「これでいいのか」という想いがあったのか。やはり、芸者と同様、立派な紳士に身請けして貰うことを夢見ていたのか。それとも、負けたという想いが悔しかったのか。
映画としての絵作りや個々のドラマも非常に面白い。正直、18禁要素も手抜き無く魅力的だけど、アニーが時折見せるシリアスな顔をとらえるシーンが印象的。道楽息子の捜索中、父親の部下が店内の若者達に説教するシーンは、道楽息子を含めて遊びほうける映画そのものの舞台に対する客観視なのでしょうか。
アニーが用心棒にすがりつくシーンをぶった切るようなエンディング。そして無音の無骨なスタッフ掲示のスライドは、自分で感じた余韻を味わえという監督の配慮なのでしょう。
正直、私は上映時間の都合で選ぶしかなく、飛び込みで鑑賞した映画だったのですが、意外にも当たりを引いたと思ってしまってごめんなさい。何の情報も確認せず、18禁と聞いて、それが釣り要素だけの映画なのかという疑いがあったものですから。
静かに心に響くエンドロール
享楽に興じるだけの映像に食傷気味になってきたところから、中盤はガラッとモードチェンジ!イヴァンを探す4人のドタバタが超楽しい!これ中盤から別物の映画やん(笑
アニーは決して大金持ちになりたかったわけではない。(と思う。たぶん。)
本当に大金が目当てなら、離婚にももっと抵抗しただろうし、イヴァンの母親に啖呵きったように裁判でも起こしたはずだが、それをせずに去った。お高そうなミンク(じゃなかったか)のコートさえも投げつけて。欲しかったのは下記のような普通の幸せだったのではないか。
・心から求婚され、愛する人の妻にになること
・家族の一員として受け入れられること
・自分の尊厳を認めてもらうこと
・線路沿いのアパートのルームシェアから抜け出すこと
娼婦のような呼び方にはしっかり抗議し、
嫌われているとは思いながらもイヴァンの母親に丁寧に挨拶して握手を求める。(なんてアサーティブな姿勢)
「結婚は無効よ」という聞く耳もたないイヴァンの母に法的な根拠と対応を毅然と突きつける。イヴァンの母は非合理な苦しい反論。。
極めつけは「イヴァンはそんな母親が嫌いなのよ。だから母親が嫌がるような私と結婚したのよ。そんなこともわからないの?」と核心を突く捨て台詞を吐いて去る。解っていたのか。。
なんて賢くてかっこいい。
でも体つきは華奢で折れそうな女の子なのだ。
車の中でイゴールにまたがりながら、思わず泣くシーン。やっと泣けた。。
雨の中で車のワイパー音だけが聞こえてくる。そこから無音のエンドロールへ。
至極のエンディング。
アニーがイヴァンの家でガルニクとイゴールとドタバタするシーン。私の愛娘の暴れようとそっくりで笑った。(噛みつくところとか、、、。)
どこか重ね合わせて観ていたからか、幸せになって欲しいと切に願う。
※イゴールが親友に似てて笑った。優しく、格闘技が強い。そしてどこかホモッぽい(笑
※上流階級や金持ちに翻弄される悔しさ。。
※イヴァンがアニーや友人たちと遊び暮らすシーン。不思議と誰も心底楽しそうじゃない。
※ラストシーン。イゴールの上で単に行為をして終わるんじゃなくてホッ。だってそれやったらもう猿よ。笑
※大金持ちのくせに、手切れ金がたった1万ドルかよ。中井くんでもその10倍出したぞ。
※前半・中盤・後半でこうもテイストが変わるのをどう評価するか。五月雨でまとまりがない映画ともいえる。そんな小っちゃなこと気にすんな、エモーショナルに作ったらいいんだよ、ともいえる。ふむ。作品賞は評価分かれるでしょうね。(逆に主演女優賞は文句なしだ)
理不尽さを描いてるけどそこまで悲観的じゃない
ほろ苦い現実。
よくみるとポスターのガラスはひび割れているんですよね。
前半のシンデレラストーリーから(のっけから行く先不安しかないが)、一転ロードムービー風になる。一見、なんの共通点もなさそうな四人の珍道中になるが、この四人は「誰からも省みられない」立場にあるという共通点があるのではと思いました。
ちっぽけなプライドにひびが穿たれ、そこから痛みがじわじわとくる感覚。
世の中の理不尽さに社会すべてに憤り、アノーラという仮面をつけて、全身全霊で、がつがつとぶち当たりに行く姿に共感した。
アノーラは、職業人としてイゴールに奉仕したけど、イゴールはアニーの心を求めた。
二人に未来があると信じたい。
涙が止まらない
予告と公式のあらすじを見て思い描いていた映画とは、
3つの点で大きく違った。
まずは、全体のつくり。
環境音以外の音楽は、最初から最後まで一切ない。
つまりは、ドキュメンタリー風味。
カメラも手持ち多し。
次に、構成。
第1部から第3部までに勝手に分けちゃうと、
第1部は「アニーのお仕事編」。
その詳細が緻密に描かれる。
「あの行為」の客観的に見た時の滑稽さがわかるほど、
ベタつきなく描かれる。同時に、アニーが(やむなき)「プロやなあ」ということが分かる。
3つめは、ストーリー展開。
第2部で、まさかあんな展開になるとは、
思ってもいなかった。
そしてこの第2部が、
ワタクシには大好物で、
終始クスクス、ワハハと笑いどおし。
ここから先は、
ネタバレ気味。
* * *
「親バレ」後、
お坊ちゃま君がいきなり家出したあとの、
長年子守役をしてきたおっちゃん及び
その手下のボディガード2人対
アニーの「たたかい」(ここはカギ括弧をつけたい)と、
なぜかそのあと呉越同舟で
お坊ちゃま君を探すロードムービーが、
一挙手一投足、台詞のいちいち、
隅から隅まで面白くって。
さらには、
お坊ちゃま君の両親が自家用ジェットで駆けつけた第3部。
母親との闘い(ここはまさしく「闘い」)の推移(と周りの対応)がまた見もので。
そしてそして、
あの彼の台詞と行動、
途中からある程度予想はついたけど、
その予想を超えてきて。
と思いきや、アニーは、
やっぱり「プロ」根性というか職業病が抜けなくて。
ここからは、
完全にラストのネタバレ。
* * *
ラスト、
職業病的対応をして、
相手が「心通じたか」と思って反応しようとしたら
職業的反射的拒絶反応が出ちゃって、
でもほんとのラスト、
それを自覚して。
きっとこれで、アニーの、
フロリダ出身で、ディズニーとシンデレラが憧れだったアニーの、
いや、本人は「アニー呼び」にこだわってたけど
「俺は、アニーよりアノーラの方がいいと思う」
と言われたアノーラの、
心のどこかしらが、
ほどけたに違いない。
今思い出しても、
涙。
そこで、タイトルが出る。
アニー、ではなく、
Anora
と。
さらにさらに、涙涙…
「It's a good name.」
前半は、おままごとの時間。時折息継ぎをする様に宙を見つめるアノーラ。対するイヴァンの目は散漫で何も見たくないと訴えている、目を合わせようとすればサングラスの後ろに逃げ込んでいく。どちらも目の演技がうるさく観ていて少し疲れる。親の描き方、アノーラとイヴァンの抱える葛藤、どちらも古典的。だが、葛藤の現れ方が今の時代を上手く表現しているので、荒唐無稽な設定なのに妙に身近に感じる。
後半、使いっ走りの男三人とアノーラがイヴァンを探し回る。何処かコミカルで虚脱的でアキ・カウリスマキやジム・ジャームッシュを思い起こさせる。
そして終盤、2時間程過ぎた頃から漸く物語が動き出す。最後、イゴールに跨ることで気持ちを表現するアノーラ。その姿はとても切なく悲しい。確かに、人はそんなに簡単に変われないよ。それでも、イゴールが隣に居てくれたら、アノーラの未来は決して暗くはないんじゃないかなと思える。無音のエンドロールを見ながら、残響の様にそんな事を考えていた。
結論、戦士イゴールは偉大なり
生きる女性
喜びも辛さも経験してきた女性を通して描くシビアな現実社会での生き方。
どの世界にもあるだろう詰みそうな人生(盤上)からの起死回生の男と信じて進もうとする姿、そして自分を見失わずもがくことで活路を見出していく女性の生き様が素敵でした。
そしてシリアスかと思いきや、かなり派手なやり取りや笑えるシーンもあり良かった。
キャストの演技は良いが、それ以外は普通
教養のないアニー、甘やかされたボンボンのイヴァン、中間管理職のトロス、ヘタレチンピラのガルニク、寡黙なイゴール、冷酷な母親であるガリーナ等、演じる俳優はそのキャラクターにバッチリハマっている。しかし筋書きは終始ドタバタ劇で視聴者の予想範囲内から外れず意外性がない。演出も特段秀でているわけでもなく、楽しめない映画ではないが期待しすぎると肩透かしを食う。
カンヌ国際映画祭でパルムドール受賞したアメリカ現代のシンデレラストーリー
映画好きの友人に誘ってもらって映画館で観ました。
終わった後の感想は、「面白かった!」
140分という短くはない時間でしたが、描写が切り替わるスピードが早くてあっという間。
憧れではなく、現実、と書かれているように、本当に現実で、ジェットコースターのように一瞬の出来事で、圧巻でした!
個人的には、主人公アノーラが、どんな状況に置かれても、
誰に対しても、自分を貫こうとする姿勢に感動しましたし、
その努力が叶わなかったと気付いた時に流した涙に、私も涙が出てきてしまいました。
マイキー・マディソンが凄すぎる!
シンデレラストーリーにしては危ない橋を渡るなぁとヒヤヒヤさせられ、
長期的にみたらイゴールの言うとおり、一族に入らなくてよかったと思いましたが、
めいいっぱい情を尽くしてきた本人としては悔しいだろうなと感情移入してしまいました。
ショーン・ベイカー監督の他の映画も気になるので、観てみたいと思います。
なんだかんだ心に残る映画
鑑賞後1ヶ月以上経ってしまいましたが、ラストシーンの余韻が今も残っています。
「プリティ・ウーマン」を引き合いに出していたのですっかり騙され、途中までくだらない映画だと思いながら見ていました。2人に愛がないのは明らかで、勢いで結婚したバカップルの話なのか、と。
その後の珍道中も個人的には楽しめず、どう終わらせるのかと思ったところへあのエンディング。音楽の無いエンドロールも相まって忘れられない1本になりました。
性の奉仕でしか感謝を表現できず、イゴールからのキスを拒み泣き崩れる姿が哀しい余韻を残しました。
鑑賞後にポスターをよく見ると、カップルではなくアノーラにフォーカスした構成なんですよね。そして下部には不穏なひび割れ。ポスターからして「プリティ・ウーマン」とは全く違いましたね。
”ファニーな3人組”
2024年制作(アメリカ) 監督:ショーン・ベイカー 点数:4.0
< あらすじ >
ストリップダンサーとして働いているアノーラ(愛称:アニー)は御曹司イヴァンと出会う。アニーはイヴァンと店外でも会うようになり、1週間の彼女になることを契約、ラスベガスでの旅行を経て結婚するに至る。
しかし、イヴァンの両親にそのことが知れ、結婚をなかったことにするために男たちが送り込まれる。両親もアメリカから来ることになり、両親から逃げるイヴァンと彼のために振り回されるアニーと男たち。結果、2人の結婚はなかったことになり、アニーは短い夢に涙する。
< 感想 >
鑑後感はスッキリとしたもので、面白かったと思える作品だった。
特にトロス、ガルニク、イゴールの3人組が振り回される様がファニーで最高だった。
過剰すぎるくらいに間抜けで強引ではあったけれども。
ただ、アニーがイヴァンと結婚するのを決めるシーンにはあまり納得がいかなかった。
イヴァンを金づるとしてしか見ていないと思っていたのに、アニーにとって、彼女契約を結んだ1週間は結婚してもいいと思うほど幸せだったのか。
最後のシーン、イゴールに体を預けるアニーの心情は正直あまりピンとこなかった。
終盤での悪態をつきあいつつも仲よさげな2人の関係性は良かったが、ラストシーンにモヤモヤが残る部分があった。
うーん🤔
ラスベガスもロケ地に出てくるから、けっこうハイテンションで激しい話し?とは思っていたけど、たしかにハイテンション、あり得ないような豪邸に暮らす彼氏。典型的なお金持ちのボンボン息子ではあった(笑)お金持ちゆえに、ほんとに女性に惚れるとかはなさそうだし、寂しいからゲーム?実際ゲーマーだし、それで契約結婚した感がした。たしかにお金は大事よ。けど彼女置いて逃げ出した時点で弱いでしょ。
あっさり捨てんのね。そして最後に車の中で泣く、あたし何やってんだろ?悲しくはなるよね。送ってくれたこの人とは⋯親しくなることもないか⋯
アカデミー賞にはついていけなくなった。
アニー(マイキー・マディソン)は、キュートだったし、体当たりの演技でした。自分の幸せを掴もうと努力する?姿は、ある意味素晴らしことだと思いました。ただ内容的にはどうかしら?という感じです。前半はエッチシーンもそこそこあるし、 後半はドタバタ劇みたいで、私には響きませんでした。最近のアカデミー作品賞ノミネートは「哀れなるものたち」とか「エブエブ」など、私にとっては「これがノミネート?」という作品が多くなってしまいました。昔みたいに「炎のランナー」とか「ガンジー」のような作品は、最優秀賞を取れなくなってしまったのでしょうか?時代についていけないシニアの私を自覚しました😭
手下①ヒゲ
平日にいつもの映画館で
いつの間にか最終日になってしまい
仕事を3時間早退して滑り込み
日曜日にエミリアを観たばかりだったので
リピーター割引で料金は1,100円ナリ ありがとうございます
ざっとあらすじを読んだだけであまり予備知識なし
18禁…序盤から数多く繰り出される描写にあぁなるほど
これくらい振り切らないと乱痴気ぶりは伝わらないのかも
21世紀のシンデレラ
基本ずっと笑いっぱなしで楽しい120分超
登場人物が同時にガチャガチャしゃべりまくる
ヒロインが酷い目に遭わされるのが常道だと思うが終始強気
一方の手下①ヒゲ…
相手役のバカ息子っぷりが最高
親からもバカ息子って言われる
なかなか演じられないだろこれ 助演男優賞だ
ラストはプラトニックにさわやかに…
ほうなるほど…いいなぁ
エンド画面に切り替わる瞬間が素敵だった
駆込み鑑賞は成功だった
大人の映画
この映画のどこが良いのか、中盤ぐらいまでよくわからないままみていた。ただのランチキパーティ好きのバカ息子とストリッパーのラブストーリーくらいのつもりでずっと続いていたので、どこかに捻りがあるのだろうとは思っていたが、最後にそれがあるとは。乾いて狂った世界にも、救いがあることを暗示させる最後。このひねりのために、延々とsex描写がある。とても良い映画だが、さすが18禁だ。普通のロードショー館で、大ヒットとはいかない映画だが、これを選ぶとはさすがのアカデミー会員達だと思う。相手がロシアの大富豪という舞台設定にも皮肉が効いていて、救いもロシア男というところも、何かを暗示しているのか。
面白いけど、あれがベストな終わり方だったのかな?
話が面白いし、観ていて楽しいし、「おっ!」となるカットがあった。
ただ終わり方は、「どうなんだろう?」という感じ。イゴールはちょっと不気味だがアノーラを心配して気遣っている。最後に彼はアノーラに指輪を返す。アノーラはおそらくその「お返し」に性行為をしようとする。しかし、イゴールは多分喜んでいないし、そもそもそういうつもりで指輪を返した訳ではない。それに気づいたアノーラは怒り、悲しみを彼にぶつけ、彼の胸で泣く。彼女の怒りと悲しみは多義的で、流した涙にはこれまでの色んな感情が蓄積されている。自己嫌悪もあるだろう。イゴールはそんな彼女をそっと抱きしめていた(気がする)。なんだかイゴールが主人公のハードボイルドもののようで、アノーラというけばけばしいキャラがイゴールに包まれてしまったような気がする。アノーラは当然人間だから弱さはあるし、ずっと戦うのも無理で、泣く時はあるだろうけど、男の胸で泣く姿がこの映画の終わりとして相応しかったのかな、という疑問が残る。それと、イゴールのことあれだけ信頼していたのが意外だった。
アメリカン・ニューシネマの片鱗を感じさせる
前半30分はとにかくヤりまくりで、そらR18になるわ、という印象だったが、追走劇のような中盤を経て、ラストのワイパーのシーンは流石としか言いようがなかった。展開にやや粗さはあったが、終わり良ければ全て良し。ラストシーンのほか、フレンチ・コネクションを彷彿とさせるアノーラの自宅界隈など、アメリカン・ニューシネマを強く意識させられる。やはりこういう監督がハリウッドにはいてほしい。
これが受賞作品かぁ
アカデミー賞でいくつも受賞してたことなど全く知らずに、事前知識もほぼなく鑑賞
娼婦のシンデレラストーリーなのかなー?と思ってたらとんでもないバッドエンド迎えてましたね
娼婦という設定からも、終始女性が弄ばれる内容なので、同姓からは胸糞な映画になってもおかしくないかなと
ありきたりなストーリーではありますが、それなりに楽しめました
カップルで鑑賞してた人いたけど、マジでチョイスミスでしょ...
カップルと女性には全くオススメできない映画なので、男性1人で見に行ってください
スタローン映画の見過ぎな僕
見終わった後、少し物足りない気がしました。
これがアカデミー賞?
アノーラは魅力的だし、イヴァンはクソだし、イゴールはいい奴。それだけか?
相手はロシアだ!ここからイゴールと一緒に敵地に乗り込んでひと騒動あるのかなあと思ってたら終わり。
他の方のレビュー見て、なるほどと思い少し印象が変わりました。
スタローン映画の見過ぎだと思いました。
もう一度観たい脳汁飛び出すほどの快楽の日々。
ストリッパーとして働く主人公がある日、客のロシア人御曹司と出会い、1週間限定の彼女となる契約を結び、しまいには勢い余って結婚してしまうが、そこに向こうの家族の手先が来て婚姻無効の手続きを迫られるという話。
ストーリーはわかりやすく、テンポ感もいい上に色々な感情を抱かされ、この物語の行先から目が離せなかった。
特に前半の酒、セックス、ドラックの快楽の日々の描写はまさに脳汁ドバドバそのものといった感じ。
そこからロシアの刺客が来るところから物語は急展開。
夫の逃走や喧嘩、罵倒、途中笑いも挟みながら物語は進んでいく中で刺客の男・イゴールだけが最後までアノーラの気持ちに寄り添っていたことに主人公は気付いていたのだと思う。
ラストシーンの涙はセックスだけが自分を取り戻す手段であるためか、信じていた人から自分に愛されてなどいなかったからか、娼婦などと散々に言われて存在を拒否されたからか。
色々なことが起きた1日が終わり、必死に堰き止めていた感情が涙となって溢れ出す最後のシーンには感動した。
そして何よりこの主人公のパワーが凄いと思った。
もうここから2人の元通りの生活を取り戻すのが難しいだろうなという局面においても、主人公が離婚を拒否するのは2人の愛よりもむしろ自身の尊厳のために闘っているように見えた。
アンチ・シンデレラストーリー、ちょっとビターで最高に刺激的。
まさにその言葉通りの傑作でした。
シャボン玉
一気に観れた。
が、終わってみればやるせない話だったし、嘘のない話だった。
劇中でアノーラは自身の事をシンデレラに例える。御伽話と違うのは、王子が絵に描いたようなクソ野郎で、王家が寛大な心も持たず、社会には身分も階層もあると認知し行使してる普通の権力者だった事だ。
ラストのSEXは悲しいなぁ…。
強がり100%というか、初め自分が返してあげれるのは身体くらいしかないって事なのかと思ってたけど、アレは施しだったんだな。マウントを取ろうとした相手に同情を向けられたら情けなくもなるわなぁ。
悔し涙だったんだろうか…ありもしない幸せを夢見た自分への怒りなのだろうか?
主人公はSEXワーカーで、大富豪の息子と知り合い結婚する。バカ息子がホントにバカっぽくて恐れ慄く。彼がこの作品にもたらした功績は計り知れないように思う。俺は彼を見て「この作品は面白いかも」と思った。
なるほどと思うのは「結婚」が実行されるまで、彼女は幻想を抱かないのだ。コレは仕事。対価として金を要求し、バカ息子の甘言にも振り回されはしない。
男は21歳、女は23歳。
口約束ではない、法的に認められている「結婚」をする。…どう考えても男に誠実さはない。アノーラも愛している風でもない。
でも、彼女はこの契約を機にクソみたいな自分の現実から這い上がろうと必死だったように思う。
いや…たぶん俺がそう解釈したいだけなんだけど。
そんな彼女はなかなかにタフだ。
屈強なボディーガード達に屈しないし、怒鳴り散らす後見人に言い負かされる事もない。
この男達が登場してからは、かなりコミカルなシーンが続く。
ただ、敢えて面白い事をするわけでもなく、間がいいというか、笑えてしまうと言うか…ボディーガードの登場は車内のツーショットで長回しなんだけど、なんいい。すこぶる気負いがないし、なんなら脚本の所在も忘れてしまいそうだ。
口論してる4人(参加してるのは3人だけど)のシーンも、のべつまくなしに喋りまくる。おそらくアノーラの台詞はほぼアドリブじゃないのかと思うのだけど、噛み合ってる。
不思議なんだけど、英語を話せない俺ですらそう思う。長いシーンなんだけど全く飽きないのだ。
皆様勿論、芝居巧者なのだけど監督のセンスも光るシーンだった。
坊主のボディーガードもいい味出してて、コイツだけが常識人だった。片方のデカいのは途中からずっとラリってるし。
イヴァンが逃走してからは、ホントに色んな事が差し込まれる。笑って見てられるのはどれもコレもキャラに沿ったエピソードのように思うからだ。正直あんなに長くやる必要はないのだけれど、ラストに向かう肩慣らしだったんだろうなぁと思う。
結局、2人は離婚する。
高慢ちきな母親はナイスなキャスティングだった。「母親が嫌いだから、母親が嫌うような女と結婚したのよ」って捨て台詞は強烈だったけど、それに大笑いしてる父親とかワザありな演出だったなぁ。
きっと父親もあの奥様には手を焼いてて、浮気もしてるし、興味ないんだろうなぁって。
全て手に入れてるであろう上流階級の人々でも、金を払っても買えないものが「愛情」なんだなぁなんて事を思ったカットだった。たぶん婿養子なんだろうなぁとか…w
終わってみれば、当初から彼女が予想していた現実は、なんら覆る事はなかった。
シャボン玉は割れるのだ。
でも、アノーラは
「本気なの?」
「本気だよ」
その言葉を真実にしたかったんだろうなぁって思う。自分の居場所を作りたかったんだろうなぁって。
遊女の手練手管じゃないけれど、行為の一環としてする告白など信じるられるような境遇ではなかったのだと思うんだけど、日常に擦り潰され、粒子程の大きさになっても、唯一残された彼女の純潔が「結婚」だったようにも思えて、切なかった。
縋りたくもなるよなぁ…。まやかしだと思っていても、目の前に結婚証明書なんて現実があれば。
センセーショナルなトップシーンからは想像もつかないような切ないラストカットだった。
アカデミーでは編集賞も取ったそうな。
なるほど、と思う。
面白いアングルはいっぱいあったし、編集する事で倍増する箇所も多々あった。加速したりチェンジアップがあったりと楽しかった。
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