ANORA アノーラのレビュー・感想・評価
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第77回カンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得した「ANORA アノ...
第77回カンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得した「ANORA アノーラ」(Neon)は、公開2週目を迎え、18位から8位にジャンプアップ。ニューヨークでストリップダンサーとして働くアノーラ(マイキー・マディソン)はある日、ロシアの新興財閥の息子・イヴァン(マーク・エイデルシュテイン)と出会います。“契約彼女”から始まったふたりは距離を縮め、瞬く間に結婚することになりますが、反対するイヴァンの両親がやってきて、大騒動へと発展します。ショーン・ベイカー監督(「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」)がメガホン
みずみずしい画面、グダグダの物語。
アニー(本名アノーラ)は、ナイトクラブで働くストリッパー。上客を相手にかなりきわどい性的サービスも副業でこなしている。あるときナイトクラブを訪れたロシア人青年は、たちまちアニーに夢中になる。青年は大きな邸宅に1人で暮らしていて、なにやら素性の分からぬ巨額の資産をもっているらしい。彼女が大金を積まれて青年を関係を持つと、青年はさらにアニーに溺れ、結婚を申し出る。アニーは半信半疑のまま青年と婚姻届を出し、ままごとのような結婚生活がはじまる。するとストリッパーとの結婚に驚愕したロシアの親族が乗り込んできて…。
オープニングからしばらくの疾走感、すごいですね。ぶれぶれのカメラ、逆光とハレーション、ほとんどYouTubeみたいなんだけど通俗に転落してはいない。やはりこの監督はかなりの才能。
でも彼はそれだけの才で立派な傑作などを撮るつもりはないらしく、中盤から話はひたすらグダグダになってゆく。グダグダ映画というとカサヴェテスとかジャームッシュとか系譜があるわけですが、あれほどの一種の美意識には到達してないですね、残念ながら。単なるジェットコースター映画に終わっている。これを大傑作と言っているレビュアーは「傑作」を安売りしすぎ。
主演のマイキー・マディソンは今年いちばん大化けした俳優と言われていて、それも納得のいろいろ振り切れた演技がたいへん痛快。彼女の思いきりのよさを楽しむ映画として見れば結構楽しめるのでは。
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