「ラストシーンの考察」ANORA アノーラ hama kanoさんの映画レビュー(感想・評価)
ラストシーンの考察
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雪の降りしきる車の中、イゴールはアノーラを送り、別れようとする。
ディーゼルエンジンのエンジン音とワイパーの音が雪の中の静けさと、二人だけの空間を演出する。
暴れたアノーラを押さえつけたシーン辺りから、イゴールがアノーラに興味があるのが垣間見える。
アノーラも徐々にイゴールへの嫌悪感が薄れて行くのがわかる。
それでもレイプ魔だなんだとイゴールをけなすのは、最後の方はアノーラもイゴールに惹かれて行く心の裏返しの言葉に見えた。
イゴールがアノーラへパクった指輪を渡したのは、イゴールの気持ちを表し、アノーラも気持ちを感じ取っている。
別れ際にイゴールの上に跨がり、キスをしようとするが、イゴールはそれを拒否する。
イゴールの気持ちを考察するに、好きが故に成り行きでsexする人間じゃない事を顕示しており、誠実さの表れと思える。
アノーラの行為は自らの惨めさを掻き消すためにそうしたようにも見えるが、イゴールへの好意がそうさせたと思える。
アノーラが泣き崩れるのは、自分の惨めさや、どうせこんな女だと自暴自棄になる気持ちが入り混じり、感情が溢れてしまったのだと思う。
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