劇場公開日 2025年2月28日

「変幻自在のマイキー・マディソン」ANORA アノーラ BDさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0変幻自在のマイキー・マディソン

2025年3月19日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

監督も主演も、たぶん初見。

プロットだけを見るといわゆるアンチシンデレラなのかな?アメリカの社会事情やマイノリティなどなどの話も記事を見るとあるようですが、一旦それはおいといて。

①スピード感のある放蕩息子のバカ騒ぎ→結婚
②突然、小劇場の舞台演劇みたいになる、両親の手先たちとの丁々発止
③ロードムービー「イヴァンを探して」
④ベガスから帰宅、ラストシーンへ
流れは大まかに四分割されており、おそらく明確に演出意図が組み変わっていて、見ていて飽きなかった。

アノーラを演じるマイキー・マディソン。艶かしくて飛び切りかわいい①、フ⚪︎ックフ⚪︎ックうるせぇ笑②、いい加減ウンザリしながらイヤイヤイヴァンを探す③、最後の最後に思いの丈をぶちまけて、放心状態になる④。
ラブロマンスからコメディ、ヒューマンドラマまでを演じ分け、各パートでは顔そのものも違って見える。まずは彼女のこの表情を楽しむだけでも、この映画は楽しい。

そして構造的に、②③のパートのアノーラは散々叫んで疲れ切っているはずなのに、何か重さを感じさせない。似たような話の映画でメチャメチャ重い空気になる女性役をよく見る印象ですが、この映画に関してはかけらもない。むしろ映画館では笑いが起きていたくらい。これが面白くて、斬新。さらに、最後の最後の1シーン、2時間ある映画のほんの2-3分程度のシーンで、それをさらに裏切って、短くまとまった「重さ」を表現するシーンも素晴らしいと思いました。
エンドロールもまたいいですよね。ワイパーの音だけが鳴り響いて、やがて無音。その辺の、真剣と滑稽のメリハリ感覚が優れた映画と感じましたし、そこに応えるマイキーがとてもいいと思いました。

どんなに深刻なテーマが内在していても、人生なんだか笑っちゃう時は笑っちゃうし、滑稽な時は滑稽。全般的にかっこよく描き過ぎてないところにとても好印象を抱きます。単純に見やすいですし、はっちゃけた映画なのにアカデミー取ってるのも納得。バリバリR18なので複数での鑑賞は注意ですが笑、一見の価値ありじゃないでしょうか。

BD
BDさんのコメント
2025年3月20日

琥珀糖さん

お久しぶりです!
あ、やっぱりそうだったんですね笑
あれ〜フォローしてなかったっけな、と思いながら再度フォローさせていただきました。
引き続きよろしくお願いしますー

BD
BDさんのコメント
2025年3月20日

momokichiさん

共感、コメントありがとうございます!
「ちょうど良さ」みたいな概念ある気がしますよね。
あんまり大きく振りかぶられるとしんどいというか。

BD
琥珀糖さんのコメント
2025年3月20日

お久しぶりです。
以前からフォローしていただいてましたね。
昨年11月末にログイン出来なくなりまして、
新規登録したのです。
「先生の白い嘘」では、コメントのやり取りを
しましたものね。
改めましたね、
また宜しくお願いします。

琥珀糖
momokichiさんのコメント
2025年3月20日

>真剣と滑稽のメリハリ感覚が優れた映画と感じました

大いに共感しました。
最近、「真剣と滑稽こそががヒット映画の法則なのでは?」と思えてきました。日本のアカデミー賞もそうだったし。

momokichi
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