「フォーカスが自然と変わる不思議さ」ANORA アノーラ 松たけ子さんの映画レビュー(感想・評価)
フォーカスが自然と変わる不思議さ
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鑑賞前には事前情報を何も知らずに見たほうが
感じ方が様々で、楽しいと思います。
ひとりで見るのをおすすめします。
以下、感想。
見た人はわかると思いますが、裸祭り!と言わんばかりのオープニングからスタートします。
御曹司の息子アイヴァンと夜の蝶、アノーラの刺激的な出会いから、淡々と愉楽な生活と、享楽的な毎日が映し出されます。
繰り広げられる情事に、アイヴァンに振り回される周りの人達の展開。感情ブチギレのアノーラに、ひとりひとりの個性がぶつかり合います。
この映画に出てくる人は皆正直で、偽りがない。
だから、手に負えない。
中盤、あーなんか退屈と、中弛みする感は否めないのですが、ふとした仕草と視線に、妙にソワソワ、なんか気になり始めて、自分の心が、急にフォーカスオンする。
あれ?なんか見ている視点がモードチェンジした?って、変わるのが、不思議。
つかず離れつしている気持ちが、つり積もる想いと雪が重なるよう。
結局は、相手を大切に思う気持ち、想像以上の愛に完敗な気分になる。享楽を超えた愛の深さ。
極めて、観る側の想いの深さが求められる映画らしい映画だと思いました。
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