「アカデミー賞5冠に期待しすぎたかな」ANORA アノーラ soleilさんの映画レビュー(感想・評価)
アカデミー賞5冠に期待しすぎたかな
体感として全体の
20%:セクシーシーン
20%:桁違い金持ちの勘違い放蕩息子とその仲間達のバカ騒ぎ
50%:優しすぎるお目付け役の大人達の振り回され珍道中
10%:主人公のアノーラの必死に自分の立場を守ろうとするプライド
って感じで、映画館で笑っちゃう演出が多々あるけど、アカデミー賞を5冠も獲る作品なのかな?予告も観てたけど、ちょっと期待しすぎたなー。
23歳。美人でスタイルもよくて稼ぎ頭のアノーラ。でも不安定で不特定多数の男の前で半裸でセクシーに踊って稼ぐなんて若いうちしかできないし、保険も年金もなにもないまま大人になる不安から、豪邸に住む21歳のかわいい男子に大金払うから専属になって、って言われて無邪気な目でプロポーズされたら「あれ?ほんとに、もしかして、玉の輿…?!いや、やってみせる、確実にモノにしてみせる、じっちゃんの名にかけて!!!」みたいな意気込みとプライドと気迫は、ラスト1分まで続く。
思い立ったが吉日でオモチャみたいにポップに結婚して、有頂天になってる2人が空虚すぎて見ててツラい。
そして放蕩息子の親がアメリカに来るって言った途端、アノーラを残して家出するってwお目付け役も優しすぎるしw ロシアのイメージがなんかよくなった。
息子の結婚をなかったことにしようと奮闘するお母さま、あるあるある。ほんと胸糞悪いわー。
唯一、お目付け役のロシア人イゴールは、最初から優しい目をしてたし行動もずっと優しかった。いい男。
離婚してからのアノーラのフォローも最高。
豪邸から結婚する前の家に帰ってきたアノーラ。
車で送ってくれたイゴールから奪われた結婚指輪を「内緒だよ」と渡されて、私のこと好きなんでしょ?これはお礼なんだから、と言わんばかりに無言で運転席のイゴールに跨って挿入する?も無反応のイゴールに「虚勢は見抜かれてる」と気づき、イゴールを叩くがその腕も掴まれて、
あれ?結局イゴールにだけは弱音を吐けるんじゃない??と判断してやっとアノーラは泣くことができた。
最後の最後でアノーラの硬く自分を守っていたプライドが崩れ、やっと1人の女の子に戻った時、最初のストリップ店や享楽の爆音とは真逆の無音のまましんしんと雪が降る中ワイパーの音でエンディングを迎える、というなんとも切ないラストだった。
あれ?
なんかいい作品だったのかも。
あ、ストリッパー役の女子達のスタイルはすごかった…ポールダンスもできてるから鍛え上げられてるんだけど、なに食べたらああなるんだろ。