劇場公開日 2025年2月28日

ANORA アノーラのレビュー・感想・評価

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4.5どうしようもない現実の重みが心の奥深くに突き刺さる

2025年2月26日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

笑える

ニューヨークでストリップダンサーをしているアノーラはくだくだな生活にうんざりしている。暮らしに希望は持てないし、仕事はキツいし。それでも日々明るく、気丈に振る舞うアノーラの前に、客としてロシアの新興財閥、オリガルヒの御曹司、イヴァンが現れ、アノーラはいつものようにお決まりのサービスで対応していた。でも、屈託のないイヴァンを側で眺めながら、彼女の顔が一瞬真剣になる瞬間を見逃さないで欲しい。アノーラは迂闊にも、そこにイヴァンとの未来を見てしまうのだ。

『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』や『レッド・ロケット』でアメリカ社会の最下層で生きる人々にカメラを向けてきた監督のショーン・ベイカーのタッチは、今回も鋭く、時に優しいが、過去作と異なるのは、途中からアノーラとイヴァンの暴走を食い止めるための刺客が現れて、ガイ・リッチーの群像コメディに似たカオスに突入する点。そこでの速いテンポと間を外さない笑いは、映画の観客層を広げる役目を果たしている。

やがて訪れる痛ましいエンディングは、ベイカーならではの複雑な味わいだ。根強い人種差別、職業差別、性差別と懸命に格闘しても、どうしようもない現実の重みが、アノーラを介して心の奥深くに突き刺さるのだ。

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清藤秀人

5.0夢見る少女"アニー"から"アノーラ"へ

2025年2月22日
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ヘルスポーン

3.5金銭の会話のみ成立する男

Kさん
2025年2月22日
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鑑賞方法:試写会

“シンデレラストーリーのその先へ”
閃き婚の行方はいかに…。

ずっと弱音を吐かず
強く前向きに生きてきたアノーラ。

生まれながらに自分の人生を奪われ
一瞬一瞬を全力で生きるイヴァン。

登場人物全員の人間ドラマを感じとれて
さすがはショーン・ベイカー監督です。

今まで泣かずに無理をしてきたアノーラの号泣と
初めて人に心を許せた瞬間はぐっとくるものがありました。
ラストは余韻の世界へと誘います。

鑑賞後は改めてアカデミー賞6部門ノミネートに深く納得。
無音のエンドロールがとにかく良いです。

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K

4.5おもしろい!

2025年2月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

試写会で見ました。マイナス0.5なのは、全ての年齢層が楽しめない
という点だけです。

本当におもしろい!!うまい!!

大人はポップコーン片手にただただ
噂話の真相でも見る気持ちで楽しんだらいいと思う。
そのくらいリラックスして見たらふと
そういえばアノーラはこの先幸せなのかな?
幸せにならなそうだとすればなんでかな?
と私のように彼女について夢中になるはず。

他のショーンベイカー作品と同じく、登場人物全員が憎めないずるい作品でした。
必ずまた見ます!!

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ひかりすぎ

4.5風俗嬢とロシアのバカ息子の恋の行方やいかに?

2024年12月2日
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笑える

悲しい

IMDb での評価8.2、61人の評論家のメタスコア平均91、しかも18禁w、どれだけ危なくて、どれだけ傑作の作品かと思いきや、やっぱりこういう話でしたか…。

風俗嬢アノーラ23才、美人だし、スタイル抜群だし、テクニックもすごそうだし(?)。こりゃロシアのイケメン年下おぼっちゃまだって、簡単に堕とせそうです。

ただね、大豪邸に住むのに相応しくないほど、パーティー三昧、ドラッグ三昧、セックス三昧のバカ息子なんですが、やっぱりイケメンの大富豪なら、そりゃ最高の玉の輿。トントン拍子に行くと思いきや、そうは問屋が卸さないわけで…。

実はカナダの若い女の子もパパ活が流行っているらしく、私もしょっちゅう彼氏がいるのかとか、「パパ」(sugar daddy)を探してるのかなど、ズケズケ聞かれたりします。

ただやっぱり、こういう作品を見ると、誰かに依存しなきゃならないうちは、幸せにはなれないんじゃないかなと思います。

心身を削って、若くて美しい身体を目先のお金のために差し出したとして、年を重ねた後に何が残るのか…、ただのエロ映画としてでなく、そんな深いメッセージを込めた寓話として心に残った作品でした。

追記

ちなみに現代版「プリティウーマン」とかいう評判ですが、後味はあんなに良くないですよ。身体を売る女性たちに見てほしくて星4.5とかつけましたが。

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ゆ~きち

3.0みずみずしい画面、グダグダの物語。

2024年10月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

アニー(本名アノーラ)は、ナイトクラブで働くストリッパー。上客を相手にかなりきわどい性的サービスも副業でこなしている。あるときナイトクラブを訪れたロシア人青年は、たちまちアニーに夢中になる。青年は大きな邸宅に1人で暮らしていて、なにやら素性の分からぬ巨額の資産をもっているらしい。彼女が大金を積まれて青年を関係を持つと、青年はさらにアニーに溺れ、結婚を申し出る。アニーは半信半疑のまま青年と婚姻届を出し、ままごとのような結婚生活がはじまる。するとストリッパーとの結婚に驚愕したロシアの親族が乗り込んできて…。

オープニングからしばらくの疾走感、すごいですね。ぶれぶれのカメラ、逆光とハレーション、ほとんどYouTubeみたいなんだけど通俗に転落してはいない。やはりこの監督はかなりの才能。

でも彼はそれだけの才で立派な傑作などを撮るつもりはないらしく、中盤から話はひたすらグダグダになってゆく。グダグダ映画というとカサヴェテスとかジャームッシュとか系譜があるわけですが、あれほどの一種の美意識には到達してないですね、残念ながら。単なるジェットコースター映画に終わっている。これを大傑作と言っているレビュアーは「傑作」を安売りしすぎ。

主演のマイキー・マディソンは今年いちばん大化けした俳優と言われていて、それも納得のいろいろ振り切れた演技がたいへん痛快。彼女の思いきりのよさを楽しむ映画として見れば結構楽しめるのでは。

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milou