劇場公開日 2025年3月28日

「何かと風変りだが、楽しめた」エミリア・ペレス 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5何かと風変りだが、楽しめた

2025年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

キャスティング重視で作品を選ぶ俺にとっては、全くキャスティングに惹かれるものはなかったが、予告編を観て設定に興味を引かれた。麻薬王が性転換して「女に生まれかわりたい」って??

性転換後何したか知りたくて観賞。

【物語】
リタはメキシコの優秀な弁護士だったが、報酬には恵まれず、苦しい生活を送っていた。あるとき、謎の電話を受けて指定場所に向かうと、その場で拉致されてしまう。 連れ去られた先で会わされたのは麻薬カルテルを率いるマニタスだった。リタは彼から思いもよらぬ依頼を受ける。

マニタスは妻子ある中年の男性だったが、残りの人生を性転換をして女性として生きたいと吐露する。そして手術と手術後の新生活の手配を高額な報酬を条件に依頼する。リタは依頼を引き受け、世界を飛び回って執刀医と性転換後の生活拠点を手配し、マニタスを失踪させた上で、敵対勢力に殺されたと見せかけ、“マニタス”を抹消することに成功する。

数年後、高額報酬を受け取り弁護士人生が好転し、イギリスで新しいスタートを切ったリタの前に、かつてのマニタスがエミリア・ペレスという女性として現れ、新たな依頼を持ち掛ける。

【感想】
冒頭でいきなり歌い出し、踊り出したのには驚いた。シリアスな作品だと思って観ていたので。全編ミュージカルみたいな、あるいはインド映画みたいな作風なのかと思ったら、そうでも無かった。中盤以降はそんなシーンは無く、なぜ序盤だけ、ああいう演出なのかは謎。

観終わると、むしろ「モデルとなる実話があるの?」と思わされるリアリティー溢れる作品だった。が、帰ってネットで調べた限りでは実在モデルは無く、完全なフィクションのようだ。

メキシコって国は映画くらいでしか知らないのだが、映画で出て来る描写はいつも危険な裏社会。特に麻薬取引がらみで舞台となることが多く、治安が悪いのが常だ。実際そうなのか?  そう言えば劇中でもメキシコの行方不明者の数は数十万人単位であることが話されていたので、リタがされたような拉致・監禁・誘拐は日常茶飯事なのかも知れない。そんな緊迫感も十分感じられる演出。

ストーリー展開も退屈しなかった。興味の有った性転換後の展開も「そっち行くのか・・・」という感じで意外性もあったし、終盤に差し掛かる頃には「元麻薬王が幸せなまま終わるのか?」気になって来たが、納得の結末だった。

役者で言うと、マニタス役がちょっとビックリ。性転換前後で役者を変えているのかと思ったが、一人で演じていたとは。 でも、役者本人がトランスジェンダーだと知って納得。

作風がハリウッドっぽく無いし、英語でも無いのでメキシコ制作なのかと思ったが、フランス・ベルギー制作と知ってもっと驚いた。 なぜ、メキシコ舞台にこのフィクションを制作しようと思ったのだろうか?
実話でないならフランスが舞台でも成り立ちそうなんだけど、物騒なイメージを出すのにメキシコ???

泣き虫オヤジ
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