SCRAPPER スクラッパーのレビュー・感想・評価
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この生き生きしたビジュアルが躍動感を与えてくれる
イーストロンドンの公営住宅に、母亡き後、たった一人で暮らす少女の物語ーーーと聞くと、これは育児放棄、あるいは福祉制度がカバーしきれない闇を描いた社会派映画かなと想像が及ぶ。従来の英国映画ならばこの手の作品をリアル一徹で描き出す手法が主流のように思うが、リーガン監督は少女の現状を決して停滞前線の渦中に置かず、むしろ独自のビジュアルで生き生きと彩り、彼女のポジティブ思考、サバイバル能力、大人を手玉に取るトークスキルで観客を魅了する。そこに突如現れた、まだ大人になりきれない父の存在感を加味。二人の信頼関係は出会った当初から地に落ちたようなものだが、土台もまるでないゼロに近い出発点だからこそ、あとは伸びしろしかないのだろう。かくも逞しいヒロインだが、まだ12歳。鎧を脱ぐように見せる繊細な表情には胸が締め付けられる。小品ながら愛すべきキャラ達の内外面が魅力的に輝き、観賞後の余韻も心地よい良作である。
親になるとは“どういう自分”であり、“どういう関係”を築いていくか、ということ
母親はその身体に子を宿して十月十日を過ごす一方で、父親は実際に生まれてみないと自覚を持てない。
という話は、妊娠中や産後の女性たちの間でいつの時代にもされがちだけれど、ある種の信仰だと思っている。
そうとでも思わないと、十月十日しんどい身体で過ごし、内臓を負傷しながら出産し、何一つ思い通りにならない未知の生き物との生活をやっていけない母親の。
そして、そうと思うことで親になりきれない自分への言い訳にしたい父親の。
日々、身体の中で大きくなる命に愛着が芽生えないかと言ったらそうではないけれど、でもだからといって、周りの友達が遊んでいるのを横目に自分だけが自由を制限されることへの不満、社会との断絶への閉塞感や不安なんかを抱かずに、「親業」に邁進できるわけではない。
産む女も、産まない男も、我が子と向き合って子育てをする中で「親」になっていく。
親になるって、ミルクをあげるとかオムツ替えをするとか以上に、どういう自分で在り、どういう関係を築いていくかだなあということを思わされる作品だった。
本作においてはジェイソンに対して、これだから逃げられていいよなぁ男はよぉ責任を持てないなら(以下略)、という気持ちももちろんなくはないけれど、
すでに12歳になった娘+異性親というのもかなりハードモードだなと思うので、まあまあまあ大目に見たい。
現実社会では許さないし、女だけを吊し上げるこの国のキモさは糾弾し続けるけれど。
だれしも『フロリダ・プロジェクト』を思い浮かべるであろう色彩や空気感、『aftersun』を彷彿とさせる二人の微妙な距離感の変動。
これらの作品で描かれる「不完全な親」を見ていると、自分がいつ一歩踏み外してこちらになるかわからないと思う主観、と同時にそれは自分の中にステレオタイプな「親たるものかくあるべき」像が強くある証拠なのではというメタ視点に囚われる。
本作のちょっと酔いそうになるほどの手持ちカメラのショットは、同じく不完全な親と社会問題を描いた『きっと地上には満天の星』も思い出した。
先日『あんのこと』でも思ったけれど、この社会の過ちや不完全さで真っ先に打撃を喰らうのはいつだってどこの国だって弱者だ。
そんなことを思うか思わないかのところで、希望に向かって幕を閉じる本作。84分という近年にしてはだいぶコンパクトな尺。
長すぎることも不足することもなく、mvを100本以上も撮ってきた監督の実力と、ともすればもっと暗いテンションになりかねないお話を極めてポップに描くその手腕は長編一作目とはとても思えない。
とりあえず『aftersun』が好きだった人には迷わず進めたい一作。
わたしはファーストカットの壁で、『哀れなるものたち』が見たくなってしまったので、Disney+に行ってきます((^-^))
ジョージーの周りの人々へのインタビュー風映像が差し込まれたりする映...
ジョージーの周りの人々へのインタビュー風映像が差し込まれたりする映像演出があんまり好みではない。
父親役の俳優さんかっこいいけど絶妙に腹立つなーって思ってたけど、逆転のトライアングルの人だったのでなんとなく納得。
ジョージー役の子は、良い演技だった。
似たもの同士ゆえに反発するし、悪いとこも似ている2人の心が近くなっていくお話で、子供をあまり子供扱いせずウェットすぎないのも良かったが、ショーン・ベイカーの下位互換の様な雰囲気だなと思ってしまいあまり乗れず、、。
ジョージーとアリの関係性や、自然な空気感は良かったし、コインランドリーのシーンも良かった。ので良い箇所もいっぱいある。
アリのいるシーンは、全て良かったように思う。
主人公ジョージー(12歳)の大人っぷりに驚き!
シングルマザーの母親が他界し、ひとりで暮らしている12歳女子ジョージーが主人公ですが
その大人な発言や破天荒な行動に、冒頭から驚きを隠せませんでした。
いやぁ、どうしたらこんな12歳に育つのか、相当壮絶だったのかな・・・と思いつつ
恐らくは親友アリの存在が彼女の支えになっていたであろうことも、何となく感じることができます。
そして彼女の前に突然父親を名乗って現れるジェイソン。
幼いぞ!ジェイソン!!とツッコミたくなるくらい、精神年齢がジョージーと近そうな父親。
一緒に自転車泥棒するってどんな父親やねん!と無言でツッコミを入れている自分がいました。
でも、彼なりの娘への寄り添い方なんでしょうね。
なんかサッカーして遊んでいたりするし、子どもか!と。
でも、その父親がなぜ彼女の前に現れるのかが明かされたとき、
ちょっと感動しちゃいましたね。そこはよかったな〜と思いました。
84分とサクッと観れるところも嬉しい本作。
監督も撮り方などいろいろチャレンジしているので、今後に期待したいですね。
ダメ父
盗んだ自転車を売り飛ばして暮らすような生活を送っている娘の下に、長年別れて暮らしていたダメダメな父親が戻って来て娘と向き合うというお話です。
丁度似た設定の『ブリーディング・ラブ』を先月観たばかりだったせいでしょう、本作の方がアッサリに感じてしまいました。ちょっと物足りなさもあったかも。小さじ半分程度、コッテリの味付けがあってもよかったのではないかな。
【”天井を突き破る。そして二人で新しい色を塗る。”今作は、母親亡き後に、12年振りに会った父娘の関係性が再構築していく過程を、センス溢れる色彩豊かな映像で描いた作品である。】
■病気で母親を失った12歳のジョージー(ローラ・キャンベル)は、母亡き後も伯父と同居していると児童相談所を欺き、親友のアリ(アリ・ウリズン)と自転車の窃盗を繰り返し日銭を稼いで独り暮らしを続けている。
そこに、父と名乗るエミネムのように頭髪登頂部を白く染めたジェイソン(ハリス・ディキンソン)が突然現れ、強引にジョージーと同居を始める。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・序盤は12歳のジョージーのタフさが、観ていて切なくも面白い。
ー 近所の兄ちゃんと”会話”する中で”キーとなるワード”を録音しておいて、児童相談所からの電話に対応するシーン。”大丈夫だよ。””問題ないよ。””有難う。”ウーム、ジョージーやるなあ。-
・アリと自転車を窃盗する時にも、所有者が来た時には機転を利かせてキッチリ、対応する。クスクス。
■ジェイソンが突然現れた時も、半信半疑なのだが(そりゃ、そーだ。)徐々に距離を縮めていく二人の姿が、素敵である。
駅のプラットフォームで、反対側のプラットフォームで話している男女の姿を見て、”アテレコゲーム”をする二人。可笑しい。
ヤッパリ、父娘だからウマが合うんだろうなあ・・。
■沁みたシーン幾つか
1.ジョージーが一人で部屋を掃除する際に、母がいた時のようにソファの位置を直すシーン。スマホに母親がソファで寛いでいる姿がキチンと入っているのである。
そして、ジョージ―は時折スマホの中の生前の母の元気な姿を撮影した動画を見て、ひとり涙を流しているのである。
強気で、しっかり者のジョージーだが、ヤッパリ12歳の女の子なんだよね。
2.ジョージーが、ジェイソンと自転車窃盗をしている時に、警官に見つかり逃げるシーンからの、ジョージ―の携帯が無くなってしまい、夜になっても必死に探す姿。
母親の元気な姿はスマホの中にしかないんだものなあ。
3.ジェイソンが、ジョージーが住んでいるアパートの中の施錠された部屋の鍵をペンチで切って中に入ると、そこには自転車部品で作ったガラクタ自転車が天井に向けて走っている形に固定されていて、天井には”突き破る”と書いている文字が書いてある。
母親は亡くなったら”空にいる。”と教えられていたジョージ―の母親に対する気持ちが表れているシーンなのである。
4.ある日、ジェイソンが居なくなりジョージーは、母がジェイソンに遺したヴォイス・メールを聞くシーン。
そして、ジェイソンを近所で見つけたジョージーは、彼から”俺は、未だ子供だったんだ・・。”と少し申し訳なさそうに、ジョージーに語るのである。
だが、ジョージーは、彼の手を取り再び彼と家に戻り、二人で壁を黄色に塗って行くのである。
<今作は劇中に登場する、お洒落な服を着た黒人少年トリオや、ピンクの服を着た5人組の少女達がジョージーについて語るシーンも良いインパクトになっている、12年振りに会った父娘の関係性が再構築する過程をセンス溢れる映像で描いた作品なのである。>
<2024年8月17日 刈谷日劇にて観賞>
色んな細かいとこ抜きにして
鑑賞後
ただただ、ほっこりできました
親子なら
似たもの同士仲良くやって行けるよね
この娘を愛して欲しい
お母さんの切なる願い
想いを受け取って来てくれた
ジェイソンが、思った以上に優しくて
ちゃんと(?)大人になってて
よかったぁ♡
人に優しくされたいと願うのは
大人も一緒。
疑うばかりじゃなく、
信じて観察して考察してみてね。
私事ですが
久々の頭痛で辛かったけど( ੭⌯᷄ω⌯᷅ ).。oஇ
遅い時間わざわざ足を運んで正解だった
即興の歌とダンスを踊る2人を観てたら
私の心も一緒に軽やかになってました🎶
自転車泥棒父娘
血は争えないと言いますか。
カエルの子はカエルと言いますか。
でも、なんだかホッとする。
アリがほんとにいいやつ。
彼のお母さんも。
ハリス·ディキンソンお目当てで観たら、天才少女発見。
イギリス映画なのにアメリカのインディーズ映画のニオイがする。
悲しみの終わりの方
母を亡くし、ひとりぼっちになった少女の元に12年振りに父親が…。空回りする不器用な2人の絆を描いた作品。
友人アリと共に自転車を盗みながら生計を立てる等素行に問題のあるジョージー。そこに前触れもなくヌルッと父を名乗る男登場。
2人のチグハグな生活が始まっていく。
涙腺崩壊モノのドラマ作品かと期待していたが、割と淡々としており、これといってドワッと盛り上がるようなシーンもなかったかな。
逆に言うと、わざとらしく泣かせに来ているような感じがないのはそれはそれで良い感じ。それに加え、ちょくちょく意味ありげに携帯を手に取ったり、謎の部屋の存在だったり、後半に向けての展開が気になるつくりもグッドですね。
お気に入りキャラはやはりジェイソンですかね。まだまだ大人になりきれていない感じがありつつも、要所要所で父親としてのムーヴをしっかり見せてくれるし、その不器用さはまさに愛すべき青年ですね。
ジョージーも、12歳とは思えないしたたかさを見せつつも、例の計画のくだりなんかには、母を亡くした寂しさを抱える子どもの一面も。健気だねぇ…。
90分弱の尺も素晴らしい♪
いうなれば、このクライマックスはまさに”始まり”であり、これからの2人生活を是非ドラマ化してほしいと思った。
強いてツッコミ所を挙げるならば、普通に考えて、福祉局(?)に通報されるのが嫌だからと言って、見知らぬ男が家に上がり込んで来たら間違いなく警察に言うでしょw
んで、すぐに受け入れられないのは当然として、父親であるということは特に疑ってないのねw
さておき、地味な印象がありながらも、コミカルさに加え心にじんわりと広がるモノも確かにある良作だった。
Lose Yourself
前半はちょっともたついた感があって、まあまあかなぁと思っていたけど、予告編でも使われていた逃走の辺りからだいぶ好き。
スクラッパーってそういう事なのかとタイトルの意味を知り、そしてジェイソンがやってきた理由を知り、二人の親子がとても愛おしく見えた。
通販番組のアテレコごっこの回収も良かった。
やっぱりイギリス映画は好きだなぁ、ずっとビミョーな空模様だし。
ちょいちょいセリフが口悪くて好き。
もっと掘り下げてほしかったなあ
「フロリダ・プロジェクト」を思わせるパステルカラーの色使い、さらに主役の二人が魅力的。
離れていた若い父親と娘が心を通わせていく話だが、あっさりしすぎ。社会的背景など、もっと掘り下げて描いてほしかった。
ジョージーのキャラが可愛くて、 ジェイソンもなかなか良かった 2人...
ジョージーのキャラが可愛くて、
ジェイソンもなかなか良かった
2人の台詞の言い回しが、
所々とっても良かった
こんな英語表現で話してみたい
この映画の名言集があったら買う
Malicia
チャリを盗んで売って生計を立てているジョージーが、蒸発したはずの父親ジェイソンが自宅に帰ってきて、距離感を伺う…みたいな作品で、親と子という特別な関係性から繰り広げられるぎこちなさを楽しむ作品だなと思いました。
結構重めのバックボーンのはずなのに、それを感じさせないジョージーやジェイソンなんですが、それが今作の軽い雰囲気を作っていて、良いと思う反面、少しでもいいから深掘りして欲しかったなと思うところもありました。
家族関係の社会派な問題に切り込むという点では弱さが目立ってしまったかなぁと思いました。
監督は今作が長編映画デビュー作というのもあって、監督が編集をされているかどうかは分かりませんが、カット割りの感じがMVのそれで、映画でそれやられるのはな〜ってなりました。
途中途中祇園を挟んでの場面転換もあまり好きではなく、映画としての編集が良かったなと思いました。
ただ、監督の遊び心の蜘蛛が喋るシーンは結構好きで、こういうテイストできたら面白いものもっと作れる人なのかもという着眼点はありました。
役者陣はどの方も良くて、ローラ・キャンベルさんのクソガキ感(褒めてる)は天性のものだと思います。また違う作品でお目にかかりたいです。
鑑賞日 7/8
鑑賞時間 20:25〜21:55
座席 G-7
思いの外アッサリとした英国らしい小良品。
とても良いメロディでお洒落でポップだけど2分に満たないBritish popって感じの映画でした。the beatlesの曲に例えると「hey jude」ではなく「here there and everywhere」のような小良品ですね。大好き。
亡くなってしまった母親及び元妻の導きにより出会った二人が、その出会いにより成長を始める映画です。携帯に残った彼女の録音音声を事あるごとに聞き返す二人の親子の絆に涙が出そうになりました、司令塔はお母さんですね。正に人生は円で繰り返す、ラスト辺りの塀を乗り越えるシーンも繰り返しでした。
それにしてもヨーロッパは独立心が強いが本心は愛する人を求めてる子供のお話しが多い気がする。
思ったほど感動がなかった。
もっと胸熱系かと思ったら違った。離婚してずっと会ってなかった父が母が亡くなり突如現れ少しずつ父娘の距離を縮めていく物語で、それが上手く感動にもっていけてなく、ちょっとつまらなかった。多分音楽の盛り上げがなかったからな気が。
娘役が可愛く、父は超イケメンだった。ハリウッドに出たらもっと売れそう。
曇り空も突き破るような夏の魔法
《空》ジョージー ✕ ジェイソン = 機能不全で不器用な親子が時間をかけて打ち解けていくさまを描いた英国産良作ドラメディ!ノリノリなハリス・ディキンソンと、魅力的な主人公2人の化学反応がステキ。
同年代の子より早く自立しなければならない理由事情はあるにしても、いくらなんでも自立・大人びていすぎやしないかと言いたくなる女の子(そして作中触れられない補聴器)。例えば、その辺の大人の一人暮らしより色々とちゃんとしていそうだ。常時"ホーム・アローン"でもバレないのか?社会制度の虚弱性を突くテーマ。語り口は時にオシャレに(ウェス・アンダーソンぽさ)鼻につく感じもありつつ、英国らしい空気感で、決して温かみ一辺倒じゃなく、その辺りはある程度リアルに褒められたものじゃないこともする。そうした時にどうしようもないような現実をほどよくファンタジカルに昇華する方法なのかなとも思った。
母親の動画を夜の路地裏に座り込んで見るシーン1回目は感情移入させて、2回目は孤独を際立たせて。また、遊ぶ時間の同ポジ・ジャンプカットつなぎ編集も、近所の男の子から父親へと。なんだか、なんとも愛しい時間が流れる。
I CAN RAISE MYSELF THANKS
THE 5 STAGES OF GRIEF
勝手に関連作品『フロリダ・プロジェクト』『アマンダと僕』『アフターサン』
P.S. 隣には前の座席の間に足を挟み込むイカれクソヤババア
紛いもないクソガキ
さて、別の作品(『WALK UP』)を鑑賞しに来た際に観て気になった本作のトレーラー、帰宅してIMDbやRotten Tomatoesを検索するとなかなか評価が高いようなので鑑賞を決めました。ヒューマントラストシネマ有楽町、土曜の午前回は思ったよりも客入り少な目。席について映画.comの本作へチェックインをしていて気づく(その時点の)評価「2.7」が気になりつつ、スマホの電源を落として上映を待ちます。
で、観終わっての感想は十分に楽しめました。設定そのものは今どきの基準で考えると緩々。また編集も長編作品でこれが通用するのは今だけな感じはしますが、出てくるキャラクターが皆、個性があって魅力的。何といっても主役であるジョージー(ローラ・キャンベル)から目が離せません。「仕事」と憚らずに言い切って相棒のアリ(アリ・ウズン)とやることは「自転車泥棒」。見つかっても、相手を畳み込むように出るに任せて止まらない減らず口は紛いもない「クソガキ」なのですが、彼女も生きるために必死です。また、それ以外の日常を見てみると掃除、洗濯などの家事の仕方など案外「丁寧」なことに気づきますし、おそらくは大好きな母からの教えであり、それを忠実にやり続けていることが想像でき、結局は彼女を想い幸福を祈ってやみません。。
そこに突然塀を越えてやってくる「父親」を名乗るジェイソン(ハリス・ディキンソン)。悪い奴ではなさそうに見えますが、そもそも何の証拠も見せない彼。そんな彼に早々に懐くのが相棒アリってところが、また男子の単純さで微笑ましい。そんなアリも不在となってからのぎこちない父娘二人の様子を見ていると、実は相性が良いだけでなく「やはり父娘」と認めるしかないほどによく似ているように感じます。
シンプルなストーリーですが、要所要所での何気なく出るキラーフレーズも感じよく、終始微笑ましく観られます。劇場必至な作品ではありませんが、監督も役者も若く将来を見据えるためにも観て損はないかな、と。気になる方は是非。
自立し過ぎ
2人暮らしだった母親を亡くし、おじさんに面倒をみてもらっていると嘘をつき1人で暮らす12歳の少女と、彼女のもとにやって来た父親の話。
近所に住む悪ガキ仲間のアリと自転車を盗み、それを売って暮らすジョージーのもとに、突然父親と名乗る男がやって来て巻き起こっていくストーリー。
もちろん疎ましく思い避けようとするジョージーだったけれど、悪ガキの心を知っている大人だけど子どもな父親と少しずつ距離が近くなっていく感じは、お互いに不器用ながらも寂しさを埋め合う感じで、哀しさと温かさとがあって、それでいてコミカルな要素もあって、少しハズしちゃってる感じもあったもののなかなか良かった。
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