SCRAPPER スクラッパーのレビュー・感想・評価
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頼れて(られて)良かった
取り立てて大きな騒動が起きたり、命の危機にさらされたりといったドラマはなく、しかも中途半端なドキュメンタリーチックの関連者インタビューが交ざるとか、走るシーンでは手持ちカメラらしい上下にブレブレの映像がスクリーン上に踊り、酔いそうになり集中力が削がれそうになる時もあった。
でも、空に行ってしまったママを追いかけたくて、夏休み中にスクラップのタワー(天井を突き破るほどの)を完成しようとするジョージーの健気さ、そして不器用ながらも妻からのボイスメールでやってきたジェイソンの「えいやっ!」って踏ん切りに良かったと共感し、互いに支え合おうとする姿に安堵しました。
しかしこの作品、BBC絡みということは、イギリスの児童福祉が破綻状態にあることの問題提起が含まれているのかなぁ。
ウィンストン・チャーチルなんて名前のおじさんがいるって説明を鵜吞みにして子供の一人暮らしを容認しているなんて……
少なからず辛い境遇の子供たちが事故や事件に巻き込まれてしまう我が国だけど「子供は取り囲む社会全体で関わり、育てる」ことはまだなんとか意識の中にあるだけましなのかなぁ、なんて思わされてしまう作品でした。
子供は世の宝なんだから。
どうやってこうなったかは理解できないが、ともかく逞しすぎる12歳だなあと思った
2024.7.8 字幕 アップリンク京都
2023年のイギリス映画(84分、PG12)
母を亡くした12歳の少女と、生まれてから一度も会っていない父親との再会を描くヒューマンドラマ
監督&脚本はシャーロット・リーガン
原題の『Scrapper』は「解体する人」が転じて「何かを壊して戦う人」と意味がある言葉
物語の舞台は、イギリスのライムス・アベニュー
母ヴィッキー(オリヴィア・ブレディ)を亡くしたばかりの12歳の少女ジョージー(ローラ・キャンベル)は、親族に嘘をついて、親戚と一緒に住んでいるという偽装工作を行っていた
それを知るのは友人のアリ(アリン・ウズン)だけで、彼女は近くの雑貨店の店員ジョシュ(Joshua Frater-Loughlin)に色んな言葉を喋らせて、それを音声データにまとめて、電話などを偽装していた
彼女はアリと共に路上にある自転車を盗んでは、ゼフ(Ambreen Razia)の店に持ち込んで、わずかなお金を得て生活をしていた
ある日、彼らの元に「父親」を名乗る男ジェイソン(ハリス・ディキンソン)が現れた
生まれてから一度もジョージーの元に来なかったジェイソン
ヴィッキーが死んだことを知らされて、ジョージーの元に来ることになった
親戚の電話に出て、それが間違いないことを知るジョージーだったが、育児放棄をしてきた人物を父親だと認めるのは時間を要していた
物語は、どこから見ても悪そうな大人を父親として認めるかというところが描かれていて、それでも生活のために頼らざるを得ない実情を描いていく
12歳にしては随分と手慣れた生活術だったが、彼女が1人で生きていくことを選ぶ理由は本編からは伝わってこない
親戚との関係が悪いというようなことはなく、彼女が為したいことが終わるまでは、現状を維持したいというのが本音なのだろう
それが秘密の部屋に作られていた天国に続く塔であり、彼女の自転車泥棒のもう一つの目的であることが仄めかされる
すでに天井まで届いているのだが、彼女は屋根をぶち破らない
それは、天国がないことを知っているからではなく、そこに行っても母に会えないことを理解しているからだと感じた
いずれにせよ、粗暴でわがままなジョージーは近隣住民の手に負えないのだが、アリ以外が関わりを持とうとしないのも不思議な感じがした
ジョージーが嘘をつき始めてどれくらい経っているのかはわからないのだが、おそらくは数週間も経っていないのだろう
葬式をどうしたとか、そこら辺はスルーされているので、あくまでも舞台装置としての「初対面の父との邂逅」から起こるものを仮定して描いているように思う
父もジョージーを授かったのがまだ子どもの頃だったというように、未熟な子どもが覚悟を持てずに親になりかけたのだろう
その先にあるものを夫婦が考えた結果の選択だと思うのだが、いささか意味不明に思えるのは仕方ないのかな、と感じた
思いの外アッサリとした英国らしい小良品。
とても良いメロディでお洒落でポップだけど2分に満たないBritish popって感じの映画でした。the beatlesの曲に例えると「hey jude」ではなく「here there and everywhere」のような小良品ですね。大好き。
亡くなってしまった母親及び元妻の導きにより出会った二人が、その出会いにより成長を始める映画です。携帯に残った彼女の録音音声を事あるごとに聞き返す二人の親子の絆に涙が出そうになりました、司令塔はお母さんですね。正に人生は円で繰り返す、ラスト辺りの塀を乗り越えるシーンも繰り返しでした。
それにしてもヨーロッパは独立心が強いが本心は愛する人を求めてる子供のお話しが多い気がする。
思ったほど感動がなかった。
もっと胸熱系かと思ったら違った。離婚してずっと会ってなかった父が母が亡くなり突如現れ少しずつ父娘の距離を縮めていく物語で、それが上手く感動にもっていけてなく、ちょっとつまらなかった。多分音楽の盛り上げがなかったからな気が。
娘役が可愛く、父は超イケメンだった。ハリウッドに出たらもっと売れそう。
曇り空も突き破るような夏の魔法
《空》ジョージー ✕ ジェイソン = 機能不全で不器用な親子が時間をかけて打ち解けていくさまを描いた英国産良作ドラメディ!ノリノリなハリス・ディキンソンと、魅力的な主人公2人の化学反応がステキ。
同年代の子より早く自立しなければならない理由事情はあるにしても、いくらなんでも自立・大人びていすぎやしないかと言いたくなる女の子(そして作中触れられない補聴器)。例えば、その辺の大人の一人暮らしより色々とちゃんとしていそうだ。常時"ホーム・アローン"でもバレないのか?社会制度の虚弱性を突くテーマ。語り口は時にオシャレに(ウェス・アンダーソンぽさ)鼻につく感じもありつつ、英国らしい空気感で、決して温かみ一辺倒じゃなく、その辺りはある程度リアルに褒められたものじゃないこともする。そうした時にどうしようもないような現実をほどよくファンタジカルに昇華する方法なのかなとも思った。
母親の動画を夜の路地裏に座り込んで見るシーン1回目は感情移入させて、2回目は孤独を際立たせて。また、遊ぶ時間の同ポジ・ジャンプカットつなぎ編集も、近所の男の子から父親へと。なんだか、なんとも愛しい時間が流れる。
I CAN RAISE MYSELF THANKS
THE 5 STAGES OF GRIEF
勝手に関連作品『フロリダ・プロジェクト』『アマンダと僕』『アフターサン』
P.S. 隣には前の座席の間に足を挟み込むイカれクソヤババア
紛いもないクソガキ
さて、別の作品(『WALK UP』)を鑑賞しに来た際に観て気になった本作のトレーラー、帰宅してIMDbやRotten Tomatoesを検索するとなかなか評価が高いようなので鑑賞を決めました。ヒューマントラストシネマ有楽町、土曜の午前回は思ったよりも客入り少な目。席について映画.comの本作へチェックインをしていて気づく(その時点の)評価「2.7」が気になりつつ、スマホの電源を落として上映を待ちます。
で、観終わっての感想は十分に楽しめました。設定そのものは今どきの基準で考えると緩々。また編集も長編作品でこれが通用するのは今だけな感じはしますが、出てくるキャラクターが皆、個性があって魅力的。何といっても主役であるジョージー(ローラ・キャンベル)から目が離せません。「仕事」と憚らずに言い切って相棒のアリ(アリ・ウズン)とやることは「自転車泥棒」。見つかっても、相手を畳み込むように出るに任せて止まらない減らず口は紛いもない「クソガキ」なのですが、彼女も生きるために必死です。また、それ以外の日常を見てみると掃除、洗濯などの家事の仕方など案外「丁寧」なことに気づきますし、おそらくは大好きな母からの教えであり、それを忠実にやり続けていることが想像でき、結局は彼女を想い幸福を祈ってやみません。。
そこに突然塀を越えてやってくる「父親」を名乗るジェイソン(ハリス・ディキンソン)。悪い奴ではなさそうに見えますが、そもそも何の証拠も見せない彼。そんな彼に早々に懐くのが相棒アリってところが、また男子の単純さで微笑ましい。そんなアリも不在となってからのぎこちない父娘二人の様子を見ていると、実は相性が良いだけでなく「やはり父娘」と認めるしかないほどによく似ているように感じます。
シンプルなストーリーですが、要所要所での何気なく出るキラーフレーズも感じよく、終始微笑ましく観られます。劇場必至な作品ではありませんが、監督も役者も若く将来を見据えるためにも観て損はないかな、と。気になる方は是非。
自立し過ぎ
2人暮らしだった母親を亡くし、おじさんに面倒をみてもらっていると嘘をつき1人で暮らす12歳の少女と、彼女のもとにやって来た父親の話。
近所に住む悪ガキ仲間のアリと自転車を盗み、それを売って暮らすジョージーのもとに、突然父親と名乗る男がやって来て巻き起こっていくストーリー。
もちろん疎ましく思い避けようとするジョージーだったけれど、悪ガキの心を知っている大人だけど子どもな父親と少しずつ距離が近くなっていく感じは、お互いに不器用ながらも寂しさを埋め合う感じで、哀しさと温かさとがあって、それでいてコミカルな要素もあって、少しハズしちゃってる感じもあったもののなかなか良かった。
自分勝手でわがままな父と娘
若くして娘を授かったものの、努力すること無く娘と母親をおいて出て行った父が、母子家庭で育った娘が母を亡くし一人暮らしとなった娘と親子の絆を取り戻す話(説明長…)
パターンでプロセスも目立った展開は無し 金曜日のサラリーマンには辛かった…
発展途上父娘の愛情物語
母を亡くして悲しい日々の中でもたくましく生きる少女ジョージーの前に、自分が父親だと名乗るジェイソンが突然現れた。そりゃ戸惑うよね。このジェイソン、ダメな父親なんだろうけど、なんか憎めない。子供がそのまま大人になったような男で、ジョージーとの距離を詰めようと一緒に自転車泥棒やって警察に追いかけられるなど、娘に負けない位のやんちゃさ。
ジョージーもなんのかんの言ってもまだ12歳の子供。一人で生きて行くなんてとても無理な話。
この二人ちょっとづつちょっとづつ距離が近くなっていく感じがいい。
娘ジョージーに対して愛情を感じてはいても、自分が育てて行くのは不安な父ジェイソン。
死期を悟っていた生前の妻のメッセージに残されたジョージーの側にいて欲しいと言う言葉。
俺に何が出来るんだ?
何も出来なくてもいい、ただそこにいるだけでいい。
最初に出てましたよね。
「子供は地域で育てるもの」
そうだ、地域の力を借りて一緒に育ててもらうのがいい。
ついでに父親の方も地域に育ててもらいましょう。
友達のような、相棒のような、きっと素敵な父娘になることでしょう。
金属探知機で見つけたあのブレスレットは、最初から父が仕組んだ娘へのプレゼントだったのかな?
いい映画を見ました
少し退屈な親子物語でした
唐突すぎる父親の登場は新鮮だが、ラス前のネタバレまで設定が呑み込みにくく退屈な前半。ありがちなストーリーだが、娘の置かれている環境演出に力を入れているようで、周囲のコメントがキモなのか最初はチンプンだが、ラストでダメ押しする監督のドヤ顔感が思い浮かび食傷気味。ストーリー自体は凡庸な感じだし、ラストの娘の徒歩圏内のサッカー?コートにいるジェイソンは何?😪ここの工夫が物足りないので、感動も涙も出なかったです
以外とテーマがしっかりしていた作品
よくある父娘親子関係映画だが、予告編以上にテーマがしっかりしていた。
娘のジョージー、父のジェイソンの二人は最初、再会した時はぎこちなかったが、
段々心が通じ合い関係が修復した。ジョージーは母が亡くなり大変だったが、しっかりしていたし、友達のアリがサポートして強く生きていた。しかし、母がいないと寂しいんだなと
スクリーンから感じ取った。こういう不器用な親子関係でも関係修復する見本を見せてもらった。
昨年の父娘親子関係映画アフターサンとケースは違うが、比べて観るのもあり。
興味深い作品でした。
不器用な親子の物語
盗難した自転車を転売して暮らす12歳の女の子ジョージィ。突然父親と名乗るジェイソンが現れます。母親が居なくなった本当の理由とは...不器用な親子の距離が次第に縮まっていく様子が良かった。
機内鑑賞
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