フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーンのレビュー・感想・評価
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この時代のアメリカン・ファッションも見応えの1969年のNASAが...
この時代のアメリカン・ファッションも見応えの1969年のNASAが舞台の映画で、物語の大筋は予告編から想像出来るが最後にどう締めくくるのか?
この作品の見所のファッションやセットや車もいいが、1番はやっぱりスカーレット・ヨハンソン。
なんと当初はヨハンソンとクリス・エヴァンスが主演し、ジェイソン・ベイトマンが監督する予定であったとか。
こういうのを作らすとアメリカ映画は上手い
1 アポロ11号計画を担った現場の労苦と国をあげての騒動を一組の男女を通して描く。
2 封切時に見逃していたところ二番館で見る機会を得た。 歴史的事実として公式発表では、この計画は成功し、人類が初めて月面に立ったことは知っている。また、月面はスタジオでの撮影を流したもので、実際は月には行っていないというでっちあげ説があるのも知っている。なので、一つの史実を映画的にどのように処理されたかを興味をもって見た。
3 物語は、NASAの発射責任者のテイタムと広報責任者のヨハンソンが主人公。テイタムはアポロ計画の当初から係わり、予算確保の困難や飛行士の死亡事故も経験。一本気で責任感がある。ヨハンソンは口先三寸で生きてきた。後ろ暗い過去を持つが、ビジネスで成功を収め、政府からスカウトされた。ヨハンソンは、アポロ11号の計画を各方面に売り込み社会現象を呼び起こすとともに、月面着陸を全世界に中継させた。その裏で、政府は、国家の威信を保つため、月面を模したスタジオで俳優に演技をさせ、そちらを放送させようとした。果たして双方の計画の行方は・・・。
4 本作におけるNASA側の描写は、テイタムを中心にシリアスに徹し、現場の臨場感と高揚感を伝えた。一方、明らかな男社会であるNASAの中で、ヨハンソンは異質な存在。実在のモデルがいたのかは不明であるが、彼女の情報発信能力や柔軟な機転でNASAに貢献した。この硬軟違いの二人のやり取りは良いアクセントになったが、恋愛に発展するのは、表題曲を意識したのかも知れないが、無くても良かった。でっちあげの場面は、スタジオでの人物の動きと飛行士の音声が上手くシンクロできるか疑問に思った。東西冷戦やベトナム戦争などの時代背景をニュース映像などを上手く使っていた。神出鬼没の政府関係者もさもありなんと思わせた。
5 月は人類にとって古来より身近でありながら神秘的な存在であった。そこに人が到達するのは、一つの夢であり、アポロ11号はそれを実現した。劇中、仮想敵国が月に基地を造りレーザー光線を地球にむけて発射する漫画があったが、そんなことが起こらないことを祈りたい。
軽快なコンゲーム要素が強く、スカーレット・ヨハンソンがとてもチャーミングにPRマーケティングのプロ(詐欺師)を演じておりますね。
早稲田松竹さんにてスカーレット・ヨハンソン、チャニング・テイタム出演『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』(2024)を鑑賞。
『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』(2024)
「アポロ計画陰謀論・捏造説」をベースにしたロマンティック・コメディ。
アポロ計画捏造説の代表作といえば、劇中では有人火星探査の設定にしておりますがピーター・ハイアムズ監督・脚本の『カプリコン・1』(1978)が真っ先に思い浮べますね。ジェリー・ゴールドスミスの荘厳な劇伴が印象的な荒唐無稽なポリティカルサスペンスでわたしも大のお気に入りですが、本作は一転してジョージ・ロイ・ヒル監督の名作『スティング』(1973)のような軽快なコンゲーム要素が強く、スカーレット・ヨハンソンがとてもチャーミングにPRマーケティングのプロ(詐欺師)を演じておりますね。
月面着陸にまつわるあのウワサをポップに検証?
ごきげん映画!
陰謀論をネタにした壮大なラブコメです。
フェイク?リアル?観客は掌の上で気持ちよく転がされる
観たのは8月初旬。公開二週間たらずで上映回数激減してました。
夏休みで子供向け映画の枠を広げたいのはわかるが、そんな扱いをするには勿体ないぐらいの良作。
これは1978年の映画【カプリコン1】のアンサーソングならぬアンサームービー?
陰謀論がつきもののアポロ計画。
月面着陸は本当にあったのか。下火になったとはいえ永遠に楽しめるおかず的な論争だ。
その疑問に対して、まるでNASAの代わりに答えるように全面的に成功を「肯定」している脚本だから、NASAの全面バックアップを得られたのだろう。
その陰謀論がもはや第二の常識として社会に浸透していることを利用した脚本に、終始くすぐられっぱなしだった。あの手この手で国民の気持ちを戦争から引き剥がし、一つにまとめるためのプロモーションがあったことは事実。そこにうまく架空の人物を組み込み、シンデレラストーリーとも受け取れるハッピーな作品に仕上がっている。個人的には、国とNASAは実際にこの「プランB」は用意してたんじゃないかと思う。月面着陸は国家の威信をかけたプロジェクトであり、その技術があれば軍事的駆け引きに対して優位にたてることは必然だったからだ。
陰謀論的ストーリーに必要不可欠な「政府の回し者」的存在のモー。彼を登場させることによって、「時に本物はフェイクっぽく見えるだけかもよ」と観客を誘導しつつ、宇宙人は既に地球に紛れてるよ?と夢を与えることも忘れない(煙に巻くともいう)。
しかし、感動から出た言葉には真実味がある。脚本ではあんな名言は作れない。
映画のシナリオを飛び越え、さあ、それでもあなたは陰謀論を信じる?
そう観客に対して呼びかけられている気がしました。
文句なし!の
マッチョ男子とジャジャ馬美女の夢物語でした。
アポロ11号は本当に月面着陸したのか。少なくともあの世紀の映像はフェイクではないのか??
世紀を跨ぎ巷間の人々(60代以降か?)が抱き続ける疑問に真正面から答えてくれる近現代史社会派ドラマ、、、を勝手に期待していた私がいけなかったのか。誤解を承知の上で述べるならば、いつの世も民主党支持者も共和党支持派も(特に?)大好きそうなアメリカが輝いていた時代のラブコメの一種でした。タイトルからして、そうでしたね。もちろんベトナム戦争に象徴される当時のシリアスな冷戦状況下での米ソ間での宇宙事業開発競争や、ゲッペルスも驚くような大きな嘘を飲み込むマーケティング競争が支配する世界で一番進んだアメリカの大衆消費社会を揶揄するようなシーケンスもありましたが、、、。
スカヨハさんのバービー人形的ビジュアルがなければ寝落ちしていたかも知れません。
で、肝腎の真実は、あんなふうな脚本では益々藪の中であります。
騙して~!
ロマコメとしてもお仕事映画としても面白い
アポロ計画で常に噂されていた捏造説をうまく取り入れて、笑わせ、ハラハラさせて、最後はロマンチック・コメディとしてうまく纏めています。
本作は、グレッグ・バーランティ 監督による2024年アメリカの ロマンティック・コメディ映画。
ストーリーは、アポロ計画陰謀論を下敷きに、実際のアポロ11号ミッションが成功しなかった場合に備えて、月面着陸の架空バージョンのフェイク映像を作成するように申し渡された、NASAのマーケティング専門家のケリー・ジョーンズ(ヨハンソン)と、計画責任者のコール・デイビス(チャニング・テイタム)の微妙な関係を中心に、奇想天外な極秘プロジェクトの行方をユーモラスに描いたドラマです。
●ストーリー
1969年、1960年代の米国とソ連の宇宙開発競争を背景に、ケネディ米大統領がアメリカは1960年代に人類初の月面着陸を成功させると宣言してスタートした国家的プロジェクト<アポロ計画>は既に8年が経過し、タイムリミットの年を迎えていました。
NASAは何とか1969年7月打上予定のアポロ11号で、人類初の月面着陸を敢行する目途をつけましたが、遅々として進まない計画と、膨らむ一方の予算に世間の風当たりは強く、米国民の月到達への熱意は薄れつつあったのです。
アポロ11号の発射を控え、このようなネガティブな状況を少しでも改善するために、ニクソン大統領の側近と名のるモー(ウディ・ハレルソン)を通して、辣腕で鳴るPRマーケティングのプロ、ケリー・ジョーンズ(ヨハンソン)がNASAに雇われます。
ケリーは月面着陸に携わるスタッフにそっくりな役者たちをメディアに登場させて偽のイメージ戦略を仕掛けていき、11号の飛行士を「ビートルズより有名」にしました。また民間企業を巻き込み、宇宙開発反対の議員をたぶらかし、国民の月への「恋心」に火をつけたのです。こうして月面着陸は全世界注目の話題となり、米国民の熱狂もピークに達ししつつありました。
彼女の手段を選ばないプロモーション活動対し、実直で真面目なNASAの計画責任者コール・デイビス(テイタム)をはじめ、NASAのアポロ11号スタッフは反感を感じ、ケリーと衝突を繰り返していました。
一方、打上げが間近に迫る中、ケリーはモーから、万が一、月面着陸が失敗した場合に備えて、月面着陸のフェイク映像を撮影するように指示される。ケリーはケネディ宇宙センター内部に作られたスタジオで偽の月面での着陸シーンの撮影に取り掛かるが、コールはそのような背信的行為に激しく反発して、彼女と対立します。
●解説
監督はグレッグ・バーランティ。娯楽作品のツボを心得た手際に恐れ入ました。
アポR11号の月面着陸を題材としたこの作品で、最も印象に残る登場人物は、おそらくモーと名乗る中年男でしょう。彼は「トップの助手」、つまりニクソン大統領の側近だといい、物語の鍵を握っていたのです。モーがでしゃばる後半、話はがぜん面白くなります。
モーはコールに、宇宙船への中継用撮影カメラの搭載を強要し、ケリーには、万一に備えて、月面着陸場面のフェイク(偽物)映像を用意しろ、と迫るります。これは77年に公開された「カプリコン・1」を思い出します。この物語の設定は火星探査ですが、着陸場面はアポR11号にそっくりなんです。何より、国家の陰謀という着想がえらく刺激的でした。
そして現在、わたしたちは、政府の謀賂だのフェイクだのに慣れっこになって、やらせ場面には大笑いしてしまいました。〈映画は時代の鏡〉と言う陳腐な感想が真っ先に浮かんだ次第です。
物語の鍵を握るもう1匹の存在が黒猫のミスチフの存在です。
前半で、何度か黒猫が登場し、「黒猫が横切ると不吉な事が起きる」との俗説を職員が囁き合っていましたが、後半のミスチフの乱入シーンでこれが伏線だったと気がつきました。
クライマックス、月面着陸に合わせてフェイク映像を撮影しているシーン、2台のモニター画面にはフェイク映像と本物の映像が並んでいますが、どちらがどちらか見分けがつきません。モーも立ち会っていますが、ハナから本物の映像を使う気はないようです。さらにケリーは「最後のウソ」として、本物の月面着陸の映像を中継しながら、偽映像を流しているかのように現場のモーを騙す作戦を実行するのです。これでは観客もどっちがどっちなのかさっぱりわからなくなります。
そこに黒猫のミスチフが紛れ込んで撮影セットはめちゃくちゃになり、大混乱となるのです。月面セットに黒猫が映り込むなんて、放送事故なんて生易しいいものじゃありません。フェイクがバレれば国家の威信は完全に地に落ちるからです。それこそ、月面着陸は捏造だと騒がれかねません。
果たして今全世界に放映されているのは、フェイクの方か、リアルな月面映像か…ハラハラさせられます。結果は、ご覧の通り。ここでは書きません。
●感想
作品としてはまぁまぁ面白かったと思います。アポロ計画で常に噂されていた捏造説をうまく取り入れて、笑わせ、ハラハラさせて、最後はロマンチック・コメディとしてうまく纏めています。
この物語が良く出来ているのは、キャッチコピーにもある“リアルか、フェイクか”は、月面映像が捏造されたフェイクか、リアルな映像かという真相暴露の展開に見せかけて実はケリーのフェイクな生き方と、コールの真面目でリアル重視の生き方との対立を見せつつも二人が恋に落ちる落とし所を用意している点です。
ケリーは辛い過去から自分を守るために人生全てを“広報”にしてきました。ケリーという登場名も実は偽名という徹底ぶりなのです。でもコールとの出会いによって嘘ばかりでなくてもよいと知ることになったのです。
アメリカの威信
大胆かつ斬新な物語だった。
「月面での第一歩は捏造である」
そんな都市伝説?陰謀論?を真っ向からネタにした作品で、その成り立ちも含めて楽しめる稀有な作品だと思われる。
作中では月面のフェイク画像が撮影される。おそらくその技法は連綿と語られる「こうやればその映像は作られる」って事の再現なのではと思われる。
で、そこに至る経緯、キャラの配置が実にスムーズ。実際とフェイクがほぼ同じって設定が小憎らしい。
世界最大かつ最高のハリウッドって母体のクオリティまでアピールしてくる。
膨大なデータとそれを再現するに至る技術力。役者がヘボでもデレクションが生み出す魔法とか、噂を全て肯定した上で、それら全てを蹴っ飛ばす構成は楽しかった。
なんせ、捏造した映像は実在したと言っちゃうのだ。黒猫の飛び入りはすっごい刺激的だった。
たった1人の観客であるモーの脳裏には何が浮かんでいたのであろうか?
たった1匹の黒猫によってもたらされるアメリカの失墜だろうか?…目の前が真っ暗だったと思われる。
前半のキャラ紹介を含めた様々なエピソードが煩わしい事もあるのだけれど、当事の報道や情勢に明るい人なら思わずニヤけてしまう事も多いような気がする。
実際、この作品自体が大いなる茶番劇でフィクションなのであろう。とはいえ、映画の本質に忠実とも言える。創造し再現する。その原則に則った極めて正当な製法で作られているようにも感じる。
ただ、まぁ、この開き直り感というか、嘘を嘘と思わせない姿勢には感服してしまう。
主人公のキャラも楽しくて、詐欺というか虚構を生きてる女性なのだけれど、案外正直な部分も多くて、その印象も含めて、よく練られたキャラだった。
エンディングの滑り出しもそうだけど、あんな映像実際に撮れるわけがない映像だ。
単純に言えばヨリからヒキに、延々と引いていくのだけれど、このまま宇宙空間まで行くのかと思う程引いていく。
そんな結末を見ながら見るモノ聞いたモノが「真実」である事の境界線があやふやになっていくような感覚を覚えて、実に小気味よいエンディングだった。
そして、
アポロ11号から届けられる音声。それは疑いようのない事実として認識してはいるのだけれど、この作品を通して、ホントなのかなと疑ってる自分もいる。
さて、この世に溢れる情報や歴史にどこまで誠実さを求めていいのだろうかと、そんなへそ曲がりな感想をも抱く小癪な作品であった。
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