「母に習った詐欺を合法的に使える!」フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン ジョンスペさんの映画レビュー(感想・評価)
母に習った詐欺を合法的に使える!
ライトスタッフ、アポロ13、ドリームなどなど宇宙飛行ものには感動する気質である(あ、ファースト・マンはイマイチ、イマニだった)。本作はアポロ計画+カプリコン・1+ラブコメだが、生来筋肉バカのニンタム(チャニング・テイタムの略称)がNASAのエリートとして語りかけるスピーチ場面や、ロケット発射のカウントダウンだけで涙がじんわり。スカヨハ姐さんもハマりすぎで、広告の本質そのものを表すような嘘で固めたケリーの生い立ちにも泣けた。
発射→着陸→中継→帰還という行程のためクライマックスに地味さはあるが、発射成功だけで大喜びしない節度や、事実は決しているホラ話だけに全体にやりすぎ感がなくて好感。直近に観た韓国版月映画に対してもハリウッドの余裕が感じられる(競っちゃいないけど)。露骨なニクソンと共和党嫌悪は(最近までトランプ優勢と伝えられていた)大統領選を見据えての揶揄だろうか。
フェイクニュース(という言葉)がまかり通る現代だが、劇中では実際のアポロの映像が流されていた(っぽい?)。ロケットに部品が使われるテレビはSONYだったけど、さすがに配給に気を遣ったのかと思いきや、トリニトロンの米国発売が1968年のようなので実はリアル(かも?)。
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