「ウェルメイドの魅力と限界。」フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
ウェルメイドの魅力と限界。
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月面着陸の陰謀論を肴に、オールドファッションなラブコメを絡めた「はたらくひとたち」への讃歌を描く。なんとも魅力的な企画だし、一定のラインはキープできていると思う。ただ、キャラクターが弾けていないというか、予定調和を超えてくるほどの魅力を引き出せていない。それが脚本なのか、演出なのか、演技のせいなのかは判別がつかないところはあるが、政府の裏仕事を請け負うフィクサーを演じたウディ・ハレルソンの愛嬌と強さが入り混じった演技を観る限り、俳優のせいではないのではないか。ウェルメイドを目指しているにしても、進取の気性や枠からはみだす冒険心があってこそウェルメイドは光るのだと思っていて、カタルシスは感じつつも物足りなさはある、しかし、制作陣が陰謀論を扱っているせいでNASAの協力は得られないかも、と思っていたら、脚本を読んだNASAが大いに気に入ってくれた、という宣伝資料にあった裏話は、とてもいい話だと思う。
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