「1960年代のアメリカ。アポロ計画に真剣に取り組む人と、PR活動に全力を注ぐ人と、失敗を恐れ要らんコトをしてしまう人とが織りなす人間ドラマです。見応え有り。」フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
1960年代のアメリカ。アポロ計画に真剣に取り組む人と、PR活動に全力を注ぐ人と、失敗を恐れ要らんコトをしてしまう人とが織りなす人間ドラマです。見応え有り。
この作品の紹介を読んでいたら、昔無料招待券をもらって
観に行った作品のことを思い出しました。
「カプリコン・ワン」(1977)
コンセプトが似ているような違ってるような。うーん・-・;
とても気になってしまったので鑑賞です。
(” カプリコン・ワン ” は有人火星探査のお話です)
さあ鑑賞開始。
アポロ計画の真っ只中だった1960年代のアメリカ。
宇宙開発競争で、ソ連に遅れをとった米国の威信にかけて
どの国よりも先に「月」に人類を送り出す。
幾度かの失敗が続き、アポロ計画への国民の関心が薄れつつ
ある中、NASA(アメリカ航空宇宙局)に一人の女性が
送り込まれます。
彼女の名はケリー(スカーレット・ヨハンセン)。
色々な大企業のPR活動に携わってきた女性。
その実力を知る政府の要人が彼女に目をつけ、アポロ計画の
ことを国民にアピールするために抜擢したのだ。
ケリーがやってくる事を知らされておらず寝耳に水のNASA。
NASAの発射責任者がコール(チャニング・テイタム)
アポロ計画には1号の時から参画していた。そして堅物。・-・;
アポロ計画に携わることになった二人なのだが
どうやって宇宙開発をアピールするか が大事なケリー。
どうやってアポロ計画を成功に導くか が大事なコール。
当人たちの性格が正反対なら、仕事の方向性も正反対。
色々なところで衝突も発生するのですが、どちらかというと
ケリーのペースに巻き込まれながら計画が進んで行きます。
アポロ計画の予算確保のためにケリーが立てた企画。
#腕時計のメーカーとのタイアップ(オメガから費用ゲット)
#計画に消極的な議員へのアピール(議会での予算承認へ前進)
# 宇宙から見た地球の映像を流す(タイアップしていたか忘却…)
#TV番組へのコールの出演(…これはTV局に嵌められたかも)
コールは、ケリーが打つ手が的確で効果的な事を知り
ケリーは、コールの計画に取り組む熱意と過去を知り
互いに認め合い信頼して、計画もPR活動も進むのですが…
アポロ計画とPR活動に割り込んでくる政府要人のモー。
大統領直属部門の人物らしいのだが、正体不明。名前も偽名か?
重要なポイントで「上の意志」を伝えてきます。
” アポロ宇宙船にカメラを搭載し、月の映像を放送する ”
この話が出た際に、コールたちスタッフは不可能と一蹴するが…
# 宇宙で使えるカメラが無い ⇒ 軍事機密のカメラを準備 あら
# 7㎏ものカメラは搭載不可 ⇒ 大統領が望んでいると熱弁 あらら
ネジ一本の軽量化にも神経を使ってているのに… (同情)
伝家の宝刀(=大統領の希望)の効目は抜群だ。うーん。
そしてある日、モーが言い出す。
” 月面での映像を、地上ロケで再現する ”
フェイクの映像を撮影できる環境を準備し、万が一の事態に備える
というのだ。「万が一」とは、月面着陸の失敗のことを指す。
これを聞いたケリー。悩む。
着任直後ならいざ知らず、今となってはアポロ計画に取り組む
スタッフの想いを知ってしまっている。特にコールの熱意を。
” コールには絶対に知らせる訳にいかない ”
こうして、
実際に宇宙飛行士を月まで運ぶ、当初からのアポロ計画と
失敗に備えて地上で月面映像を再現するアルテミス計画が
並行しながら進んでいき、そして打ち上げ当日へと…
◇
と、このような感じのストーリーが進行しますが
思ったより遥かにしっかりとした人間ドラマでした。・_・ビックリ
NASA内部を再現した、発射基地やサターンⅤ型ロケットの
映像、そしてロケット打ち上げシーンは迫力満点。 @∪@;
とても壮大なスケール感のお話で、面白かったです。
上映時間があっと言う間。満足しました。・_・v
◇あれこれ
■黒ネコ
NASAの敷地内に出没する黒いネコ。
アルテミス計画に黒ネコとくれば。名前はルナ。(…違うかも)
最後の場面ではニセ映像のセット付近をウロチョロ。
政府のフェイク関係者を大慌てさせてました。
うさぎがいたら、月に代わってお仕置きされそう。-∨-
(月のセットは一帯一面の砂場。大きな猫トイレです♪)
■アポロ計画の歴史(ダイジェスト)
1号 発射台上での試験中指令船に火災。乗員3名死亡。(涙)
2号 1号の事故をうけ計画中止 (…らしいです)
3号 同じく中止
8号 月の周回軌道からの「地球の出」を撮影(作中登場の写真)
11号 この作品で打ち上げられたのが、この11号。 月面に第一歩。
13号 打ち上げから2日後に酸素タンク爆発。きゃー。月面着陸断念。
NASAの総力をあげて地球帰還の最短軌道を計算。
何とか無事に乗員の帰還に成功。ほっ。
※↑日本の「はやぶさ」帰還プロジェクトみたいな感じだったの
でしょうか。どちらも無事帰還できて良かった。
■アポロチョコ(明治製菓♪)
そんな名前のチョコあったなぁ と遠い目モードで調べてみたら、今も
流通している商品みたいでした。・_・;
発売開始が1969念8月7日とか。
アポロ11号が月面に降り立った次の月が発売日なのですが、
商品の登録(商標?)はこのチョコが早いのだそうです。へぇ。
(明治製菓の公式サイトより)
チョコの形の三角形は、地球に大気圏突入する宇宙船のカプセルの
カタチがモチーフだそうです。そして、その三角形を作る機械から
もっと別の形がつくれないかと工夫の末に誕生したのが
「きのこの山」なのだそうです。そうだったのか。
明治製菓のサイト、見ていると楽しくなりました ・∇・
◇最後に
タイトルの「フライ・ミー」の「ミー」。
これが誰のことを指すのかとか意味があるのか、あれこれ考えました。
アポロ11号の乗組員?
アポロ1号の犠牲者?
アポロ計画の関係者全員?
どれもありそうで、けれども何かしっくりとこない気も…。
という訳で、改めて検索かけてみて分かりました。・_・
1954年、Bart Howard(バート・ハワード)が書いた曲で
1964年、フランクシナトラがカバー。
1969年、アポロ11号に持ち込まれ「宇宙で最初に流れた曲」になった。
やはり、ちゃんと意味のあるタイトルだったようです。
※ 邦題は ” 私をツキーに連れてって ” がいいかも
などと思っていたコトは内緒です。@∇@
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
もりのいぶきさん
コメントへの返信を頂き有難うございます。
スカーレット・ヨハンソン、気になり調べてみたところ、相当な数の作品に出演されていますね 👀
私の方こそ、4作目となる本作が劇場鑑賞お初という 😆
「 モンタナの風に抱かれて 」( 未だ少女のスカヨハ、名演技でした 🌱✨ )・「 真珠の耳飾りの少女 」・「 マッチポイント 」だけでした 😅
これからは是非劇場でスカヨハにお目にかかりたいと思います ☺️
もりのいぶきさん
スカーレット・ヨハンソン、本作でもキュートでしたね 💕
Wiki情報によると身体160㎝ だとか。
小柄ながら、華やかで魅力的な女優さんのお一人ですよね。
宇宙のお話という事で、期待度⤴︎で映画館で鑑賞しました 🚀
詳しい情報てんこ盛りのもりのいぶきさんの素敵なレビュー、読み応えがありました (^^)
そこまでお調べしたとは。ハリウッドは芸達者な動物、多いんですよね。猫のしつけは大変そうですが。w
なんだかんだでディテールまでこだわった良作でした!昭和のドタバタコントみたいでwww
味の素は瓶で、旭化成のミタスはプラスチック容器でした。使っていたのがプラスチック容器だったら多分ジェミニ宇宙船の形ですよ。当時のCMでも「ジェミニ宇宙船の形です」っていってましたから。
「私を月に連れてって」の曲そのもの、に一票です。
連れてってもらえてよかったです。
なるほど、たしかに大きな猫トイレ!(爆)
前足でほりほりして真面目な顔で踏ん張ってる黒猫さんが映り込んでフェイク画像がNGになった、が良かったです。(可愛すぎ)
アポロチョコ、発売当時からパッケージもあまり変わってないような気がしますね(でも小さくなったような。。私が大きくなったのか!?)たけのこのほうが形状似ている感じですが、きのこのアタマ部分はアポロっぽいですね
素敵なレビュー、ありがとうございます!
コメントありがとうございます。
表題曲をエンディングにじゃーんと流さなかったのは理性的と感じました。
お菓子談義ですが、BBQ味は変な形じゃなかったですか、鉄板? 焼肉の網?
もりのいぶきさん、コメントありがとうございます。Fly me to the moonはジャズが好きだった頃、いろんな歌手が色んなアレンジで歌うの聞いて大好きになった歌です
共感どうもです。アポロチョコですか。
(関係無いけど)昔の旭化成の化学調味料ミタスの容器が(アポロ計画の前の)ジェミニ宇宙船の形だったのを知っているのは70ジジイの私位か?
共感ありがとうございました。
そういえばルナちゃんでしたっけ。ルナって月という意味もありますが、ルナティックはキ○ガイじみたという、あのネコちゃんに相応しい名前だと思います