「気楽に楽しめるちょうど良い娯楽作品」フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン すみれ7878さんの映画レビュー(感想・評価)
気楽に楽しめるちょうど良い娯楽作品
重くなりすぎず、かと言って、おちゃらけだけでもない、ちょうどいい感じの娯楽作品です。物語の中心はアポロ11号の月着陸にまつわる有名な噂、あれはフェイク画像という話。それを核に少しのコミカルとラブロマンスを織り交ぜて上手に映像化しています。最後キスシーンで締めるのは、昔のザ洋画という感じで良かったです。
・愉快だったところ
猫が偽月面を駆け回るシーン。これ放送されてたら台無しじゃん。猫ちゃん、月面映像に映らなくて良かったね。足跡とかあったら大変だもの。放送してるのは本物だって聞いたモーが「あれ本物の映像だったのか。フェイクみたいだったな」というのもちょっと笑えましたね。
・アポロ計画と当時の社会状況--宣伝屋を雇う必然
当時計画自体が結構な逆風下にあったことは知りませんでした。確かに国民視点で見ればベトナム戦争もあったり、金もかかるしで、支持を得るのは難しかっただろうなと想像できます。支持を得るために宣伝下手な技術屋集団に宣伝屋を加えて何とかするというアイデアはあり得そうに感じました。
・レトロなムードが上手く出てる映像
ファッションや小物類、頑張ってます。1970年より前の映像なんて、もはや時代劇と言っても過言じゃないです。ブラウン管テレビなんぞ、今の子供たちが見ても何かわからないでしょう。
・ちょっと感動したところ
1)コールが毎晩通ってる場所。それはアポロ1号で事故死した乗員の記念碑のまえの花壇でした。今さらながら、巨大プロジェクトに命懸けで挑んてくれた先人たちの努力の上に現在があると言うことを思い起こされます。別にアポロ計画でなくても、私たちの暮らしだって多くの人の支えがあってこそ。そのことに感謝し、自分も誰かを支えなければならないという気持ちを持ち続けたいものです。
2)ケリーはスケッチブックに描かれたNASAの面々を見て戻ってくることを決意するシーン。やっぱり人間、こうでなくちゃね。このままじゃいけないという気持ち。かなり前の大河ドラマの綾瀬さんのセリフ「ならぬものはならぬのです」に通ずる感じ。あのシーンでちょっと映画のムードがぴしっと締まりました。
共感どうもです。
キスシーンで終わり、猫が横切る。1969年ぽい終わり方ですね。
ただし、それをドローンの引きでズーっと見せるのは今風の技術ですが。面白かったです。
共感ありがとうございます。
リアル映像を見てモーが洩らした一言。思わず笑ってしまいましたが、国の威信を賭けてフェイク作りに注力した男の皮肉な感情もなんか感じてしまいます。黒子だって人間なんでしょうし、いや宇宙人なの?